高原英理のレビュー一覧

  • 抒情的恐怖群

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    ネタバレ

    単行本 2009 積読にしていた
    高原英理恐怖譚集成 2021
    文庫化 2026
    文庫化に際して異動あり。
    「グレー・グレー」 out
    「出勤」 in
    ただし「平成怪奇小説傑作集 (3)」(創元推理文庫) 2019 に「グレー・グレー」は収録されているので、よし。
    一作一作に感想は書かないが、凄まじい一冊であった。
    全体を通じて、残酷描写たっぷり。
    しかも文体がねちっこく、迂遠なところもあるので、その残酷さがまるでぽわっと、酔いの合間の幻想のように感じられる。
    これこそが江戸川乱歩が喝破したところの、残虐への郷愁ではないか。
    >神は残虐である。人間の生存そのものが残虐である。そして又、本来の人

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    2026年06月24日
  • 抒情的恐怖群

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    読んだことのある短編が多かった気がするが、それもちょうどよく内容を忘れかけて読みごろになっていた。
    非常に猟奇的で陰惨な内容ばかりなのだけれど、同時に現実から遊離してどこかなつかしく、文章が素晴らしく読み心地が良い。
    結果、グロテスクな内容なのに読んでいると気分がくつろいでくるという不思議なことになる。「出勤」は初めて読んだ気がするが、中央線沿線の感じがあって特に懐かしく感じられた。「影女抄」はとにかく官能的。「呪い田」と「緋の間」は、集合体恐怖でゾワゾワしながら読んだ。

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    2026年06月08日
  • 抒情的恐怖群

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    こんなにタイプの文体でタイプの物語を紡ぐ作家を今まで知らなかったのが悔やまれると思うほど面白かった。「出勤」「影女抄」が特に好きだったかな。グロテスクで官能的。小学生くらいの頃に出会っていたらいろいろと歪められていたかもしれない。

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    2026年04月28日
  • 夕凪姉妹と怨霊お祓い記

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    妖怪にも物怖じしない13歳の少女紫都子は祖母から見込まれて彼女が子供の頃果たせなかった怨霊払いを頼まれるが…。少年漫画を参考にして加筆修正しただけあって、ラストに向けて一気に盛り上がっていくバトル漫画的展開にグイグイ引き込まれ、一気に読み終わってしまった。漫画やアニメ化したらきっと面白いだろう。

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    2025年10月13日
  • 不機嫌な姫とブルックナー団

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    ブルックナーは演奏したことなく、ちゃんと聴いたこともなかったが、今年よく演奏会で演奏されてることもあり知るために手に取った。小説ではあるものの人柄が分かり、ブルックナーに興味を持った

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    2024年09月16日
  • 不機嫌な姫とブルックナー団

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    表紙カバーとタイトルに惹かれて手にしたけれど…読み始めて数ページで…なにこれ?はい、おもしろい。
    作者さんもはじめましてだったので、数十ページ読み進めたところで、そでを確かめる…なに、私より結構年上ではないか、しかも男性だと?俄然興味が湧く。
    この本によると、ブルックナーという音楽家はツウ好みなのだとか。クラシック音楽に疎い私には、知らないワードや音楽家や曲名のオンパレードだったけれど、それでも読み進めるのが楽しい。

    本文でもあとがきでも、ブルックナーは“格好悪い人”として描かれているけれど、ブルックナー団のタケが書く『ブルックナー伝(未完)』を読む限り、どうにも憎めないキャラのようにも感じ

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    2024年05月06日
  • 水都眩光 幻想短篇アンソロジー

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    ネタバレ

    •『ラサンドーハ手稿』高原英里
    この作品が最初で良かった。退廃的な世界観、暗い路地裏から話しかけてくる仮面たち、ひょっとして私たちの世界でも起きているかもしれないよと錯覚させるような精神が入れ替わるストーリー。百点満点です。

    •『串』マーサ•ナカムラ
    奇妙なお役目がグロい!
    連綿と続いていくんだなと主人公の微笑みで感じます。なんだか鬱りたくなるのに爽やかで奇妙な読後感。

    •『うなぎ』大木芙沙子
    あーっ、純文学!うなぎが臍から出てくる超自然的現象はさておき、不良と仲良くしているところをいい子ちゃんの家族(になりかけの人と母親)に見られたくないっと顔を背けてしまった…小さなしこりが今も残り続け

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    2024年02月18日
  • 高原英理恐怖譚集成

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    得体の知れない恐怖感が詰まってる一冊。
    グロい表現が多いですが、殺され方とか想像すると恐ろしすぎて怖い。
    『 闇の司』と『水漬く屍、草生す』が個人的には好きでした。怖いけど。

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    2023年09月04日
  • ゴシックハート

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    やっぱりこの本に戻ってきます。他のゴスカルチャー書も読むようにはなってきましたが、やはり本書ほど私の意志に即した「ゴシック」を唱える本はありません。本書(と、やはり高原さんの『少女領域』)から呑み込まれるようにして、私には縁のないとばかり思っていた読書を始めましたし、そのようにして蒐められた私の本棚の半分以上の本もまた、本書に感化されて揃えたものです。つまり、他の感想にも書きましたが、『ゴシックハート』こそまさしく私にとっての聖書なのですね。「誇張し過ぎ」と思われるかもしれませんが、初読の折はものすごく衝撃を受けたし、世界への向き合い方、ほんとに変わりましたし、私の思考の中枢には、確実に本書が

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    2022年10月30日
  • 少年愛文学選

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    ネタバレ

    古本価格が高騰しているので手に入れていないが『無垢の力』をベースにして選ばれた作品群なのだろう。
    『無垢の力』を文庫化してほしいなあ。
    編者あとがきに《少年が、愛される客体としての性を知ることで、国家的暴力・家長的暴力を批判しうる「美しい弱さ」という価値を発見する》とある。
    こんな価値を提示してくれる評論を、読みたいのだ。

    単にカワイイなあ(萌)、ということではない。
    近代日本文学にこういう脈があったのだ、ということを明示する、意義深い仕事だと思う。
    十代で足穂を読んで珍紛漢紛なまま迷宮に憑かれた。
    当時の私にこの本を渡してあげたい。(いや二十年かけて我流で読んできたのも、また意義あるだろう

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    2021年07月20日
  • 抒情的恐怖群

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    ネタバレ

    禍々しい。近づき過ぎると障ってしまうのかな。
    『町の底』人の食という欲望が怖い。子供を穴に落とすなんて…!からの結末までに二転三転怖がれる。一番好きかも。
    『呪い田』これだけ全て失くしておかしくなった人が怖い話かな?
    『樹下譚』全体でみれば美しい話なのに屋敷の座敷牢の記憶等おぞましい怖さがある。
    『出勤』全て捨てて逃げた先の世界なのか?最後は自分も…?それでもそこでいいのか?
    『帰省録』何を願ってしまったんだろう。
    『緋の間』主人公はどうしてこんな目に…。どこまでが実際にあったことなんだ。巻き込まれる系は恐ろしいな。

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    2026年06月23日
  • 抒情的恐怖群

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    町の底・呪い田は良かった。良かったけども呪い田に関してはホラーからくるゾクゾク感ではなく集合体恐怖症からくるゾワゾワ感だった。
    残りがなあ…なんていうか、こう終わり方が曖昧、いやホラー系はだいたいが曖昧なんだけど、夢うつつの頭と思考がぼんやりとしたようなそんな綴りと終わり方だった気がして。正直、町の底・呪い田で良ホラーの満足感を得ていたので、後の作品達は物足りない続きだった。
    それはさておき、話の文体を象る表現、言葉の並びが普段は使わないような言い表しであったりしつつも小難しいとは思わず、むしろきちんと読めていた。小難しくても文体全体がやわらかくしっとりとしていて、まわりくどいと感じる言い回し

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    2026年06月18日
  • 不機嫌な姫とブルックナー団

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    単行本で読んでいたが再読したくとも見つからないし
    文庫化されて細かな修正もされただろうから買ってしまった。

    この本がきっかけで作者は既存のブルックナー本を基に「ブルックナー譚」を著わした。
    ブルックナー作品並みの大著なのだが読んでみたい。
    専門書よりは取っ付きやすそうな気がする。

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    2026年06月04日
  • 抒情的恐怖群

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    抒情的って使わないし、あまり見ない。対して叙情的も同じ意味合いで、現代ではこちらが一般的に使われているようだ。

    抒情的恐怖ってなんだろう、内面的な感情を詩的・芸術的に表現する・・・
    難しく言われても分からないので読んでみる。

    7篇あったが、怖いという感じではないけど、猟奇的だったり、惨殺だったりするのはやはりおぞましいという感覚。

    「町の底」は話に引き込まれ、「呪い田」は元のおじいちゃんの呪いってなんでそんなに・・?

    「樹下譚」は“夢こそまこと”これが抒情的美しさというのだろう。

    「影女抄」はまるで官能小説を読んでいる感じ。残虐ではあるが。

    結局のところ、それほど怖くはなかったが、

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    2026年04月28日
  • 抒情的恐怖群

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    研ぎ澄まされ、同時に底なし沼のような語り口。装飾を排して正面から描かれる不可知なものに対する恐れ、或いは憧れ。中毒性のある文体や構成の巧さ、その美学に嵌る。『町の底』『呪い田』『帰省録』と、収録作七篇はどれも魅力的だが、中でも『出勤』の豊かさと完成度に唸る。暖かな狂気、静謐な残酷、日常に佇む異界。余韻。嘆息するしかない。

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    2026年04月16日
  • 水都眩光 幻想短篇アンソロジー

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    作品紹介・あらすじ

    仰げば彼方は鏡のようにある。記憶になかったことばかり思われる。――「ラサンドーハ手稿」
    蜃気楼のように現れる塔。ざぶんざぶんと波の音。へそから出てくるうなぎたち。母がクリーニング店に預けたもの。画家が描く瓜二つの妹たち。ある日、人類に備わった特殊能力……
    九人の実力派作家が紡ぐ幻想アンソロジー。
    【目次】
    ラサンドーハ手稿   高原英理 
    串          マーサ・ナカムラ
    うなぎ        大木芙沙子
    マルギット・Kの鏡像 石沢麻依
    茶会         沼田真佑
    いぬ         坂崎かおる
    開花         大濱普美子
    ニトロシンドローム  吉村萬壱

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    2026年04月13日
  • 抒情的恐怖群

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    ネタバレ

    7編から成る短編集。
    最初の3編が恐怖とロマンがあってよかった。後半のはあまり怖くないのと意味が読みとりづらい。

    樹下譚が本書中もっとも抒情的で好み。魔に魅入られた男が見る幸福な夢。捏造された郷愁と恋心。

    町の底と呪い田は呪いの話。前者の土地の来歴、後者の連鎖する呪いの症状、どちらもおぞましい。枕元に立って鬼の表情で「お前、死ね。お前、死ね」はやばすぎる。ただ、呪い田は終わり方が不満。その先どうなったかが書いていないのは一人称小説として違和感がある。

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    2026年04月12日
  • 乱歩心象作品集

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    江戸川乱歩、高原英理・編『乱歩心象作品集』中公文庫。

    江戸川乱歩の没後60年。江戸川乱歩の長中短編から「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」の7つの切り口で分類、セレクトした作品集。

    恐らく大半の作品は既読であるが、小学校時代にポプラ社のの『少年探偵団シリーズ』を読み、中学校時代に江戸川乱歩の魅力にハマり、高校時代には春陽堂文庫の『江戸川乱歩全集』全9冊を読んでいることもあり、定期的に読み返したくなる。ちなみに高校1年の時の読書感想文では『陰獣』の感想文を書いて、高校生感想文コンクールの応募作に選ばれている。

    また、序文の中で高原英理が述べている通り、江戸川乱歩は短編に

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    2025年11月03日
  • ゴシックハート

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    ゴシックについてたんまり語る本。ゴシックとは何か、何を好んで何を嫌うのか。実際に作品を取り上げながら、詳しく説明してくれる。中には首肯しがたい、というか認めたくないような部分もあったが、全体的には自分の心にしまっていたものと通ずるようなところがあるように感じた。

     特に面白いと感じたのは6-8章の身体や美醜に関する部分。肉体と意識の関係から生まれる肉体の呪縛、呪縛からの解放としてのサイボーグ化、そこに美醜が絡み整形をサイボーグ化として捉える考え方に妙に納得してしまった。外見の美醜と内面の美醜の関係も興味深かった。

     文学、芸術に限らず著者の作品を解釈する力がものすごいなと感じた。

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    2025年06月07日
  • 不機嫌な姫とブルックナー団

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    カバー絵がとてもいい

    オタクっぽい雰囲気を漂わせたカバー絵がまず人目を引く。決して人好きがする作品ではないブルックナー交響曲とこれまた人好きするはずがないブルックナー本人を題材にした作品にしては、なかなかに面白い作品に仕上げている。劇中劇というか作品中にブルックナー伝を紛れ込ませた構成も大変に効果的である。ただ「あれっもう終わりか」ちょっと読みたらない感じがする。

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    2025年01月02日