高原英理のレビュー一覧
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表紙カバーとタイトルに惹かれて手にしたけれど…読み始めて数ページで…なにこれ?はい、おもしろい。
作者さんもはじめましてだったので、数十ページ読み進めたところで、そでを確かめる…なに、私より結構年上ではないか、しかも男性だと?俄然興味が湧く。
この本によると、ブルックナーという音楽家はツウ好みなのだとか。クラシック音楽に疎い私には、知らないワードや音楽家や曲名のオンパレードだったけれど、それでも読み進めるのが楽しい。
本文でもあとがきでも、ブルックナーは“格好悪い人”として描かれているけれど、ブルックナー団のタケが書く『ブルックナー伝(未完)』を読む限り、どうにも憎めないキャラのようにも感じ -
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ネタバレ•『ラサンドーハ手稿』高原英里
この作品が最初で良かった。退廃的な世界観、暗い路地裏から話しかけてくる仮面たち、ひょっとして私たちの世界でも起きているかもしれないよと錯覚させるような精神が入れ替わるストーリー。百点満点です。
•『串』マーサ•ナカムラ
奇妙なお役目がグロい!
連綿と続いていくんだなと主人公の微笑みで感じます。なんだか鬱りたくなるのに爽やかで奇妙な読後感。
•『うなぎ』大木芙沙子
あーっ、純文学!うなぎが臍から出てくる超自然的現象はさておき、不良と仲良くしているところをいい子ちゃんの家族(になりかけの人と母親)に見られたくないっと顔を背けてしまった…小さなしこりが今も残り続け -
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ネタバレ古本価格が高騰しているので手に入れていないが『無垢の力』をベースにして選ばれた作品群なのだろう。
『無垢の力』を文庫化してほしいなあ。
編者あとがきに《少年が、愛される客体としての性を知ることで、国家的暴力・家長的暴力を批判しうる「美しい弱さ」という価値を発見する》とある。
こんな価値を提示してくれる評論を、読みたいのだ。
単にカワイイなあ(萌)、ということではない。
近代日本文学にこういう脈があったのだ、ということを明示する、意義深い仕事だと思う。
十代で足穂を読んで珍紛漢紛なまま迷宮に憑かれた。
当時の私にこの本を渡してあげたい。(いや二十年かけて我流で読んできたのも、また意義あるだろう -
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江戸川乱歩、高原英理・編『乱歩心象作品集』中公文庫。
江戸川乱歩の没後60年。江戸川乱歩の長中短編から「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」の7つの切り口で分類、セレクトした作品集。
恐らく大半の作品は既読であるが、小学校時代にポプラ社のの『少年探偵団シリーズ』を読み、中学校時代に江戸川乱歩の魅力にハマり、高校時代には春陽堂文庫の『江戸川乱歩全集』全9冊を読んでいることもあり、定期的に読み返したくなる。ちなみに高校1年の時の読書感想文では『陰獣』の感想文を書いて、高校生感想文コンクールの応募作に選ばれている。
また、序文の中で高原英理が述べている通り、江戸川乱歩は短編に -
購入済み
カバー絵がとてもいい
オタクっぽい雰囲気を漂わせたカバー絵がまず人目を引く。決して人好きがする作品ではないブルックナー交響曲とこれまた人好きするはずがないブルックナー本人を題材にした作品にしては、なかなかに面白い作品に仕上げている。劇中劇というか作品中にブルックナー伝を紛れ込ませた構成も大変に効果的である。ただ「あれっもう終わりか」ちょっと読みたらない感じがする。
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満ちきたる波の大きを見上げたり見上ぐるままに溺れてゐたり (紫宮透)
本作はあくまでフィクショナルな人物として1980年代を活躍した「天才ゴス歌人」こと紫宮透の、短く、そしてはるかな生涯を追っていく作品です。メタ的な読み方は慎むべきですが、それでも、本文中の紫宮の短歌からそれに関する批評から註釈までが、著者である高原さんから産み出されたのだと考えると圧巻ですよね。実在の人物や歴史的背景に造詣があるからこそ、本作のような「極度に文系な魂」のこもった素晴らしい作品が出来上がったのだと思います。
ここからは作品自体の感想ですが、本作、何よりも紫宮透という人物の魅力が間然とすることなく際立っています -
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ネタバレ単行本時の題は「神野悪五郎只今退散仕る」。
これは稲垣足穂の「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」の対になっていた。
宇野亞喜良のカバーイラストが素敵だが、積読になっていたのが、加筆・改題の上文庫化されたので、読んでみた。
カバーイラストから、ヤングアダルト向けかなと想像していたら、後半、結構スゴい展開になって驚いた。
読後、ざっと単行本と見比べたら、まさにそこが加筆された箇所らしい。
あとがきに曰く少年漫画を参考にしたとか。確かに「ジャンプ」的な。「ダンダダン」的な。痛快な。
ぐいと引き込まれて、なかなかのショックを受けて、でも読み終えた身を爽やかにしてくれて、実にいい読書だった。 -
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「ブルヲタ」には堪えられない楽しい読み物で534頁に及ぶ大著を一気に読んだ。彼の幼少期から教師時代、教会オルガニスト時代、ウィーン大学時代、作曲家としての不遇の時代、そして晩年の交響曲作家として大成功を収め、ウィーンの誇りになった時代。ブラームスそして派・代表者ともいうべきハンスリックからの酷い仕打ちの数々が詳細に書かれている。ブルックナー支援者の指揮者レーヴィが交響曲第8番を演奏不可能と伝え、改訂せざるを得なかったとの記載は今から考えられないような話だが、当時の演奏技術、常識を破る作品だったということを示して言うのだろうか。しかし、晩年はブラームスからも評価され、ブラームスはブルックナーを追
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ネタバレ穂村弘が帯にいわく「極度に文系な魂のための青春のバイブル、ただし80年代限定版。」
豊崎由美が書評にいわく「1960年代生まれのサブカルクソ野郎が泣いて喜ぶ仕掛けがたっぷり」
作者1959年生まれ、ほむほむ1962年生まれ、トヨザキ社長1961年生まれ。
自分の母親の世代なのだなー。
作りとしては、
・ある作家、による、プロローグ(とエピローグ)。
という枠物語の間に、
・評伝作家、による、代表的な和歌の紹介と、脱線多めの記述。
・各回、評伝作家が行ったインタビューや、歌人自身の文章を引用。
という各章が挟まれる、という構成。
下段の注釈の情報も豊富。(という点では、田中康夫「なんとなく、 -
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・高原英理編「少年愛文学選」(平凡社ライブラリー)は折口信夫や稲垣足穂等、15人の作家の作品を収める。日本人 だけである。しかもここには塚本邦雄や春日井健の歌人もゐる。折口も歌人だが、2人とは毛色が違ふ。塚本、春日井は戦後日本を代表する歌人である。塚本は1ページだけの作品「贖」(381頁)、所謂ショートショート、あるいは塚本の瞬編小説であらう。かういふのは塚本には、たぶん、いくつもある。春日井は例の歌集「未青年」からの抄出、いかにもそれらしいのが並ぶ。最後の「わが手にて土葬をしたしむらさきの死斑を浮かす少年の首」(387頁)は、最初の「大空の斬首ののちの静もりか没ちし日輪がのこすむら さき」(