高原英理のレビュー一覧

  • 不機嫌な姫とブルックナー団

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    姫とブルックナー団の絆がが深まっていく様子は微笑ましかったけれど、クラシックにもっと造形が深ければもっと楽しめたのかもしれない。推しの自伝を自筆しようとするオタクの熱量がすごい

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    2025年09月20日
  • ブルックナー譚

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    「ブルヲタ」には堪えられない楽しい読み物で534頁に及ぶ大著を一気に読んだ。彼の幼少期から教師時代、教会オルガニスト時代、ウィーン大学時代、作曲家としての不遇の時代、そして晩年の交響曲作家として大成功を収め、ウィーンの誇りになった時代。ブラームスそして派・代表者ともいうべきハンスリックからの酷い仕打ちの数々が詳細に書かれている。ブルックナー支援者の指揮者レーヴィが交響曲第8番を演奏不可能と伝え、改訂せざるを得なかったとの記載は今から考えられないような話だが、当時の演奏技術、常識を破る作品だったということを示して言うのだろうか。しかし、晩年はブラームスからも評価され、ブラームスはブルックナーを追

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    2025年08月02日
  • 不機嫌な姫とブルックナー団

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    作中の「ブルックナー伝(未完)」を軸に、ブルックナーオタク三人組に出会った主人公が案内するブルックナーとブルックナーオタクの音楽小説。
    ブルックナーってなかなかオタクだったんですね。

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    2024年05月25日
  • 歌人紫宮透の短くはるかな生涯

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    ネタバレ

    穂村弘が帯にいわく「極度に文系な魂のための青春のバイブル、ただし80年代限定版。」
    豊崎由美が書評にいわく「1960年代生まれのサブカルクソ野郎が泣いて喜ぶ仕掛けがたっぷり」
    作者1959年生まれ、ほむほむ1962年生まれ、トヨザキ社長1961年生まれ。
    自分の母親の世代なのだなー。

    作りとしては、
    ・ある作家、による、プロローグ(とエピローグ)。
    という枠物語の間に、 
    ・評伝作家、による、代表的な和歌の紹介と、脱線多めの記述。
    ・各回、評伝作家が行ったインタビューや、歌人自身の文章を引用。
    という各章が挟まれる、という構成。
    下段の注釈の情報も豊富。(という点では、田中康夫「なんとなく、

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    2023年01月17日
  • 少年愛文学選

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    ・高原英理編「少年愛文学選」(平凡社ライブラリー)は折口信夫や稲垣足穂等、15人の作家の作品を収める。日本人 だけである。しかもここには塚本邦雄や春日井健の歌人もゐる。折口も歌人だが、2人とは毛色が違ふ。塚本、春日井は戦後日本を代表する歌人である。塚本は1ページだけの作品「贖」(381頁)、所謂ショートショート、あるいは塚本の瞬編小説であらう。かういふのは塚本には、たぶん、いくつもある。春日井は例の歌集「未青年」からの抄出、いかにもそれらしいのが並ぶ。最後の「わが手にて土葬をしたしむらさきの死斑を浮かす少年の首」(387頁)は、最初の「大空の斬首ののちの静もりか没ちし日輪がのこすむら さき」(

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    2021年09月12日
  • 怪談生活 江戸から現代まで、日常に潜む暗い影(立東舎)

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    こわい話をめぐるエッセイ集、あるいは不定期に更新されるマニアックなブログの記事だと思って読むと面白い。連想ゲームのように、筆者の持つ智識が羅列されるため、読者は置いてけぼり感を覚えるが、その辺りは好みの問題か。

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    2018年11月12日