あらすじ
図書館の非正規職員をしているゆたきが出会ったのは、「ブルックナー団」を名乗るオタク3人組、ユキ・タケ・ポン。オタサーの姫のような扱いを邪険にあしらうゆたきだったが、タケが自筆する「ブルックナー伝(未完)」の意外な面白さに引き込まれていく。ブルックナーは19世紀ウィーンを代表する作曲家でありながら、元祖非モテの変人だった! ダサいオタクの生き様が、夢を諦めた中年女に勇気を与える、サクサク読めるクラシック音楽オタ小説。
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Posted by ブクログ
ブルックナーは演奏したことなく、ちゃんと聴いたこともなかったが、今年よく演奏会で演奏されてることもあり知るために手に取った。小説ではあるものの人柄が分かり、ブルックナーに興味を持った
Posted by ブクログ
表紙カバーとタイトルに惹かれて手にしたけれど…読み始めて数ページで…なにこれ?はい、おもしろい。
作者さんもはじめましてだったので、数十ページ読み進めたところで、そでを確かめる…なに、私より結構年上ではないか、しかも男性だと?俄然興味が湧く。
この本によると、ブルックナーという音楽家はツウ好みなのだとか。クラシック音楽に疎い私には、知らないワードや音楽家や曲名のオンパレードだったけれど、それでも読み進めるのが楽しい。
本文でもあとがきでも、ブルックナーは“格好悪い人”として描かれているけれど、ブルックナー団のタケが書く『ブルックナー伝(未完)』を読む限り、どうにも憎めないキャラのようにも感じた。
ブルックナーの作品や人生についてだけでなく、現代のファン(ブルオタ)である姫とブルックナー団の3人のやりとりから考えさせられる部分もあって(例えば、ポンがいじめについての考えを述べるシーン)、ブルックナーの伝記的な面とファンたちの物語と、2つの側面で楽しめた。
ブルックナー、聴いてみたくなった!
カバー絵がとてもいい
オタクっぽい雰囲気を漂わせたカバー絵がまず人目を引く。決して人好きがする作品ではないブルックナー交響曲とこれまた人好きするはずがないブルックナー本人を題材にした作品にしては、なかなかに面白い作品に仕上げている。劇中劇というか作品中にブルックナー伝を紛れ込ませた構成も大変に効果的である。ただ「あれっもう終わりか」ちょっと読みたらない感じがする。
Posted by ブクログ
姫とブルックナー団の絆がが深まっていく様子は微笑ましかったけれど、クラシックにもっと造形が深ければもっと楽しめたのかもしれない。推しの自伝を自筆しようとするオタクの熱量がすごい