高原英理のレビュー一覧

  • 水都眩光 幻想短篇アンソロジー
    •『ラサンドーハ手稿』高原英里
    この作品が最初で良かった。退廃的な世界観、暗い路地裏から話しかけてくる仮面たち、ひょっとして私たちの世界でも起きているかもしれないよと錯覚させるような精神が入れ替わるストーリー。百点満点です。

    •『串』マーサ•ナカムラ
    奇妙なお役目がグロい!
    連綿と続いていくんだな...続きを読む
  • 高原英理恐怖譚集成
    得体の知れない恐怖感が詰まってる一冊。
    グロい表現が多いですが、殺され方とか想像すると恐ろしすぎて怖い。
    『 闇の司』と『水漬く屍、草生す』が個人的には好きでした。怖いけど。
  • ゴシックハート
    やっぱりこの本に戻ってきます。他のゴスカルチャー書も読むようにはなってきましたが、やはり本書ほど私の意志に即した「ゴシック」を唱える本はありません。本書(と、やはり高原さんの『少女領域』)から呑み込まれるようにして、私には縁のないとばかり思っていた読書を始めましたし、そのようにして蒐められた私の本棚...続きを読む
  • ゴシックハート
    ゴシックを愛する人のバイブル。ゴシックとは何かについて、その精神、人外、怪奇と恐怖、様式美、残酷、身体、猟奇、異形、両性具有、人形、廃墟と終末、幻想、差別の美的な配備の十三章に分けて、文学、芸術、音楽などを引用しながら説く。ゴシックハートを読むのは10年ぶりで、全て頷きながら読みました。自分がどうし...続きを読む
  • 少年愛文学選
    古本価格が高騰しているので手に入れていないが『無垢の力』をベースにして選ばれた作品群なのだろう。
    『無垢の力』を文庫化してほしいなあ。
    編者あとがきに《少年が、愛される客体としての性を知ることで、国家的暴力・家長的暴力を批判しうる「美しい弱さ」という価値を発見する》とある。
    こんな価値を提示してくれ...続きを読む
  • 高原英理恐怖譚集成
    理不尽な展開と怖さ。
    エログロというにはあまりにもグロが勝っている。メンタルが落ちているときにはきついかも。
  • ゴシックハート
    ゴシックには惹かれるけれど、うまく言い表せずにぼんやりと認識していた好きなものについて、そのすべてを言語化してくれる本だった。
    紹介されている作品について、知っているもののほうが少なかった。本当にぼんやりとした認識しかなかったのだと改めて思ったのと同時に、そういった知識が少ないのにも関わらずゴシック...続きを読む
  • 少年愛文学選
    死と隣接する。「少年愛」という共通のテーマのもと集められているが故に、語り口の違いが際立つ。よかった。
  • ゴシックハート
    立東舎文庫版も持ってるのに、ちくま文庫版も買ってしまった。凄く好きな本。あらゆるテーマから「ゴシック」について語られている。改めて自分の中にも「ゴシックハート」はあるな…と再確認。
  • 歌人紫宮透の短くはるかな生涯
    満ちきたる波の大きを見上げたり見上ぐるままに溺れてゐたり (紫宮透)

    本作はあくまでフィクショナルな人物として1980年代を活躍した「天才ゴス歌人」こと紫宮透の、短く、そしてはるかな生涯を追っていく作品です。メタ的な読み方は慎むべきですが、それでも、本文中の紫宮の短歌からそれに関する批評から註釈ま...続きを読む
  • 少年愛文学選
    男性作家による「少年愛」をテーマに編まれたアンソロジー。面白さでいえば川端康成の「少年」だ一番でけど、初めて読んだ山崎俊夫の「夕化粧」の雰囲気が印象深い。ちょっと他の作品も読んでみたい。収録作の中では編者である高原英理の「青色夢硝子」がやや浮いている印象が拭えずこれはない方が良かったように思う。
    ...続きを読む
  • 歌人紫宮透の短くはるかな生涯
    ゴス歌人・紫宮透という架空のニューウェーブ・アイコンを中心として紡がれる80年代サブカル曼荼羅。

    別に「エモコア水墨画」とか「グラムメタル演歌」とかでも良かったのかもしれないが、別の時代では咲きえなかった徒花として「ゴス」の刹那性に説得力がある。

    人生の終え方が「らしいなぁ」と思わせる。
  • ゴシックハート
    ゴシックハート
     1 ゴシックの精神
      1 ゴシックハート
      2 ゴシックの歴史
      3 現在のゴシック

     2 人外
      1 「人外」の心 中井英夫、江戸川乱歩
      2 フランケンシュタインズ・モンスターの「人外」
      3 吸血鬼の「人外」

     3 怪奇と恐怖
      1 怪奇への愛 「アッシャー...続きを読む
  • 歌人紫宮透の短くはるかな生涯
    穂村弘が帯にいわく「極度に文系な魂のための青春のバイブル、ただし80年代限定版。」
    豊崎由美が書評にいわく「1960年代生まれのサブカルクソ野郎が泣いて喜ぶ仕掛けがたっぷり」
    作者1959年生まれ、ほむほむ1962年生まれ、トヨザキ社長1961年生まれ。
    自分の母親の世代なのだなー。

    作りとしては...続きを読む
  • 少年愛文学選
    ・高原英理編「少年愛文学選」(平凡社ライブラリー)は折口信夫や稲垣足穂等、15人の作家の作品を収める。日本人 だけである。しかもここには塚本邦雄や春日井健の歌人もゐる。折口も歌人だが、2人とは毛色が違ふ。塚本、春日井は戦後日本を代表する歌人である。塚本は1ページだけの作品「贖」(381頁)、所謂ショ...続きを読む
  • 怪談生活 江戸から現代まで、日常に潜む暗い影(立東舎)
    こわい話をめぐるエッセイ集、あるいは不定期に更新されるマニアックなブログの記事だと思って読むと面白い。連想ゲームのように、筆者の持つ智識が羅列されるため、読者は置いてけぼり感を覚えるが、その辺りは好みの問題か。