あらすじ
夕凪紫都子は13歳。祖母の代からの因縁で、大天狗・神野悪五郎から怨霊祓いを頼まれる!?
妹の妙子、従兄弟の祥とともに、お化け屋敷と名高い廃屋・黒間屋敷にいざなわれ……。
やがて露呈する日本全土を巻き込む怪異に、夕凪姉妹が立ち向かう!手に汗握るひと夏の冒険譚。
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Posted by ブクログ
うわーん。感動したー。稲生物怪録と、それを題材とした足穂の思いをこの二十一世紀に、少女たちの物語として語り継ぐのすごい! しかも、今現在の、なんだか不穏な国内国外の政治の動静をも取り込んでいる。そして、その混乱の原因である元人間の女の怨念がほんとしょぼい。そんなしょぼい怨念が、今、どれだけ人の命を奪っているか、と、暗澹とする。ところが、そんなしょぼい怨念を抱えた女は、実は。悪意ばかりの人などいないのだ。人間が生きていくこととは、人間や、人間以外のものたちの善性を信じることだ。
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妖怪にも物怖じしない13歳の少女紫都子は祖母から見込まれて彼女が子供の頃果たせなかった怨霊払いを頼まれるが…。少年漫画を参考にして加筆修正しただけあって、ラストに向けて一気に盛り上がっていくバトル漫画的展開にグイグイ引き込まれ、一気に読み終わってしまった。漫画やアニメ化したらきっと面白いだろう。
Posted by ブクログ
単行本時の題は「神野悪五郎只今退散仕る」。
これは稲垣足穂の「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」の対になっていた。
宇野亞喜良のカバーイラストが素敵だが、積読になっていたのが、加筆・改題の上文庫化されたので、読んでみた。
カバーイラストから、ヤングアダルト向けかなと想像していたら、後半、結構スゴい展開になって驚いた。
読後、ざっと単行本と見比べたら、まさにそこが加筆された箇所らしい。
あとがきに曰く少年漫画を参考にしたとか。確かに「ジャンプ」的な。「ダンダダン」的な。痛快な。
ぐいと引き込まれて、なかなかのショックを受けて、でも読み終えた身を爽やかにしてくれて、実にいい読書だった。