北原亞以子のレビュー一覧

  • 脇役―慶次郎覚書―

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    「慶次郎縁側日記」シリーズは、随分と数多くありそうなのだが、なぜか、この本が「出会い」となった。

    主人公の森口慶次郎は元定町周り同心。仏と名前がつくほど人格も優れた同心だった。その森口に惹かれる主人公の周りの人間たちを濃く深く描いたのがこの「脇役」

    一つ間違えば、悪の道をさまよい、落ちぶれてボロ屑のような人生を歩くはずだった者。
    心深く思いを持ち続けた相手の女房が、悪人に殺されるように亡くなり、思いを伏せて、嫁ぐ娘。
    上役でもないのに、なぜかいつもきになる慶次郎の眼差しに、いつもヤサグレた心に一つ、真白きものを養う男。

    短編のような小節を組み合わせて紡がれるこのシリーズは、急流を流される

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    2018年11月21日
  • ぎやまん物語

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    ぎやまんの鏡は見た!という設定で、秀吉から江戸の8代将軍吉宗までの激動の時代を、渦中から少し離れた人物の傍から描いた作品。出てくる登場人物がマイナーで実在の人物なのかよくわからない人も多かったが、時代の空気がよくわかる面白い本だった。ぎやまんの鏡を主人公?にすることで、それぞれの時代の美味しいところを垣間見られるので、お得。

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    2017年08月02日
  • 新地橋 深川澪通り木戸番小屋

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    切ない話ばかり。お金があっても寂しさからは逃れられず。 一度裏切られると他人への不信感がいつまでもまとわりつく。まったく現代にもありそうなお話、身近にいそうな人物ばかり。ひねくれた人にも優しい声をかける夫婦はじんわりゆっくり凍った心を溶かしていくにちがいない。そういう予感を残しつつエピソードを終わるのが常套のようです。でも今回は夫婦の出番がちょっと少なかったような気がします。

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    2017年05月16日
  • ほたる―慶次郎縁側日記―

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    文章の技巧が読みづらくなってきた。噛んで読むようにしないと、登場人物の関係とかがわからなくなる。「五月雨るる」がよかった。2016.11.20

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    2016年11月20日
  • 夢のなか―慶次郎縁側日記―

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    主人公は登場しないが、「可愛い女」が良かった。シリーズを読み進むにつれ、短編なのに登場人物が整理できなくなったり、冒頭のシーンが分かりにくかったりする。主語が省かれた手法を使うのだが、読みづらい。2016.11.3

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    2016年11月03日
  • 夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋

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    深川澪通りの木戸番小屋夫婦の4冊目。
    相変わらず雰囲気も、中の人達の気持ちも大変良いです。今回の巻では様々な女性達が主人公です。


    家業と姑の世話に明け暮れる母の生き方を嫌い、都会に出て働いている女性が、キャリアアップを目指すのか、気楽に働いていくのかを悩む話。


    家族の借金の為に不幸せな結婚をした女性が、婚家を出て好きな人と一緒になるけど、その人が死んでしまう悲しい話。


    ヒビが入りかけた夫婦がヨリを戻す話。


    前途有望な若者が火事から老婆を助け、代わりに若者が死んでしまう話。助けられた老婆の後悔と捻くれる気持ちが痛々しい。


    番屋の書役の太久郎さんの恋の話。
    人が信じられなくなっ

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    2016年10月17日
  • 深川澪通り燈ともし頃

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    深川澪通り木戸番小屋の2冊目は、悲しい話でした。
    1冊目は1つ1つの話に救いがありましたけど、2冊目の特に前半の話は悲しい話です。

    2冊目は中編が2作。2作が微妙に繋がってる感じです。

    孤児の塩売りから仕事でも狂歌師としても這い上がったけれど、全てを失ってしまう人の話。
    仕事に夢中になるあまり家庭を顧みなくなり奥さんに出て行かれるとか、その後知り合った女性とも最後の野心から二の足を踏むうちに時間がなくなってしまうとか、本当に好きだったから逃げてしまったと後から戻って来られても他の男と駆け落ちされたことが忘れられないとか、人の暮らしは江戸時代も今も同じみたいです。

    後半は、経済的には自立し

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    2016年10月10日
  • 脇役―慶次郎覚書―

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    シリーズに登場する主な脇役が主役として登場。過去の生い立ち、現在の生活、そして心情。彼らを含めて、市井の人々も様々に悩み、自分を洞察し、どう生きようかと考える。読者が共感できた時、同じく自らを省みるだろう。2016.9.25

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    2016年09月25日
  • 隅田川―慶次郎縁側日記―

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    8編。万引きする子や空き巣が出てくる。それに至った経緯、動機が物語に吸い込まれる。さりげない慶次郎の登場も相変わらずだ。「正直者」が良い。2016.9.17

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    2016年09月17日
  • 蜩―慶次郎縁側日記―

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    短編12編。作品の中心人物でない慶次郎が粋。短編故に行間を読みなさいといった工夫し過ぎ、話が頭の中で途切れることもあるが、人情味がじわりと迫ってくる場面は心地よい。2016.9.4

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    2016年09月04日
  • 花冷え

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    時代物は初めて読むかも。
    まだ途中だが、江戸言葉が新鮮で、読書をしているのに聴覚が刺激される感じがする。

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    2014年07月16日
  • 月明かり―慶次郎縁側日記―

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    20130824 江戸時代の月九恋物語。展開が早過ぎて着いていけないところがあるがドラマとしては飽きさせないで良いのかも。

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    2013年08月24日
  • 傷―慶次郎縁側日記―

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    下町に生きる人々のドラマを短編でつづっている。
    一つ一つの物語は、やや切ないものや、人情味あふれるもので面白い。
    ドラマ化されるのも頷ける。

    しかし、やや読みづらい感じがしたのはなぜだろう?
    私の頭では、場面の切り替えが難しかしく、書かれている内容の映像が浮かびにくかった。
    さらに、文中のセリフは誰が言っているものか、やや分かりにくい感じがした。

    それでも、読み続けるうちに慣れてきたので、最後の「饅頭の皮」ですっきりと読み終えることができた。
    慶次郎縁側日記 続編を読んでみます。

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    2013年06月07日
  • 深川澪通り木戸番小屋

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    江戸深川にある木戸番小屋の笑兵衛とお捨夫婦と江戸の市井の人々を描いたシリーズ第一巻。人生いろんな苦労を重ねながらそれでも歩いていかないといけない。
    木戸番を訪れる人々をふわりと包む二人の人柄が心に残る。

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    2012年03月10日
  • 傷―慶次郎縁側日記―

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    慶次郎縁側日記です
    完全にスッキリする終わり方が少ない
    佐藤雅美先生の居眠りシリーズのような
    それでいて、それなりに慶次郎が評価を
    されていて、意外と実力がある・・・
    なんだか不思議な世界です

    でも、この家の縁側で時折遭遇する事件
    を眺めてみたい

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    2011年12月04日
  • 歳三からの伝言

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    ネタバレ

    これが土方歳三にて候。


    藤森の近藤勇狙撃事件からという珍しいオープニング。
    やっぱり女性視点だからか、土方さんかっこよすぎる!!!

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    2011年10月02日
  • 夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋

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    内容(「BOOK」データベースより)
    江戸の片すみ・澪通りの木戸番小屋に住む笑兵衛とお捨。心やさしい夫婦のもとを、痛みをかかえた人たちが次々と訪れる。借金のかたに嫁いだ女、命を救ってくれた若者を死なせてしまった老婆、捨てた娘を取り戻そうとする男…。彼らの心に温かいものが戻ってくる物語全8作。第39回吉川英治文学賞受賞作。

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    2011年09月24日
  • 深川澪通り木戸番小屋

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    内容(「BOOK」データベースより)
    川沿い澪通りの木戸番夫婦は、人に言えない苦労の末に、深川に流れて来たと噂されている。思い通りにならない暮らしに苦しむ人々は、この二人を訪れて知恵を借り、生きる力を取りもどしてゆく。傷つきながらも、まっとうに生きようとつとめる市井の男女を、こまやかに暖かく描く、泉鏡花賞受賞の名作集。

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    2011年09月21日
  • 赤まんま―慶次郎縁側日記―

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    扱ってる内容が恋愛(?)でも、時代物だと読みやすい。
    最近お疲れなのか、現代ものに食指が動かない…
    生々しいんだもん。

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    2010年04月23日
  • 再会―慶次郎縁側日記―

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    時代小説というのは…
    現代ものと違って、ココロが疲れないのがいい。
    不倫とか殺人とか貧乏とか、えぐいネタ多いのに。
    読書後、疲れないのはありがたい。

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    2010年04月11日