北原亞以子のレビュー一覧

  • 深川澪通り木戸番小屋

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    こういう、滅法腕の立つ武士や絶世の美女が主人公というのではなく、波乱万丈のストーリーでもないけれど、心がじわ~と温かくなる話が好きだ。これには続編があるようだから、読むのが楽しみだ。

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    2024年04月18日
  • 傷―慶次郎縁側日記―

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    テレビドラマ化もされていたなんて全く知らなかったし、北原亞以子さんが既に亡くなっていたことも知らなかった。
    慶次郎シリーズ第一作、これが良かったら全シリーズ読んでみようと思ってのもの。
    ちょっと各々の短編の終わり方が、尻切れトンボっぽくて...
    もう少し奥深くても良いんじゃないかと思ったけれど、人間の生活なんて都度そう簡単に結論が出るもんじゃないし。
    これはこれでありなんじゃないかと思って、二作目を買いました。

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    2024年03月09日
  • 恋情の果て

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    別れてもー好きな人ー、という感じで何故だか妙に昭和を思い起こさせる設定だけど時は江戸なんである。
    と言っても昭和も江戸も令和もやることは変わらずなんで、それはそれで良くて。そいでもって分かっちゃいるけど嫌いじゃないのよこういう話は。大体が若気の至りで失敗じゃ、てな感じだけど、歳をとってもダメなものはダメだからね。幾つになっても楽しいのかもしれぬ。
    まぁそんなしょうもない人々だけど頑張ってる話やらなんやら読ませるもんだから流石やなぁと。ちっとばかし設定が被り気味な気もするけど。

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    2024年01月21日
  • 恋忘れ草

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    表紙がとても好みで…。
    江戸時代の少女漫画を読んでいるような感覚になりました。
    それぞれの短編の主人公はみんな芯を持っていて、強い。
    とても勇気を貰える1冊でした。

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    2023年08月18日
  • 雪の夜のあと 慶次郎縁側日記

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    このシリーズの中で最初に読んだのが、この作品。「縁側日記」という題名から、アームチェアディテクティブ(安楽椅子探偵)ものかと思っていたら、全然違った。年のわりに結構動き回るし、事件が解決した後も、何か心残りがあるような、なんとも言えない気持ちになった。

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    2022年08月26日
  • 雪の夜のあと 慶次郎縁側日記

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    慶次郎シリーズ。
    「その夜の雪」の後日談。慶次郎の一人娘を自死に追いやった男が名前と住まいを変えて暮らしている事を知った慶次郎。良からぬ企みをしている様だと探るが…。
    幾人もの女にたかる暮らしぶりの男、頭ではわかっていても別れられない女、クズの様な父な振り回されて不幸になる娘、皆んな抗えない業のようなものに絡みつかれて、幸せをつかむことのできない様子が哀しくて辛い。読んでいて決して気持ちのいいものではないけど、人が生きていくってこういう事もあるのかなと思わせる。
    切ない物語。

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    2022年08月07日
  • おひで―慶次郎縁側日記―

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    慶次郎縁側日記シリーズ第三作。再読

    『仏の慶次郎』という同心時代の異名がクローズアップされる話が多かった。

    『仏の何のと言われたって、たまたま手前の目についた者を助けてやるだけじゃないか。仏だというなら、小伝馬町の奴らを全部、助けてやれってんだ』 
    「からっぽ」より

    『ちょっと厄介な女だが、ここでひきとっておけば、また仏の慶次郎の名が上がるってもんだ、そう考えてるよ』
    「おひで」より

    『仏の慶次郎という同心時代の異名も、悪人を捕まえるというお役目にどこか中途半端なところがあったがゆえに、つけられたのではないか』
    「あと一歩」より

    『人に罪を犯させまい』と奔走した慶次郎の三十年。だがそ

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    2022年06月12日
  • 再会―慶次郎縁側日記―

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    女一人で生きていくのは、今でもなかなか大変だけど、この時代にそうするのは、想像がつかないほど大変だったでしょう。選択肢も二つ三つで、そのどれかに自分を当てはめて生きていかなきゃならなかった。今、選択肢が増えて、自由度は上がっているけれど、さて、みんな自由にのびのび暮らしているかというとそうでもないように思う。
    私は女で生まれて不満なく過ごしているので、それ以外の人の気持ちはなかなか分からないけれど、大変なのは女だけでもないでしょう。
    江戸時代と比べて、私たちの生き方は楽になっているでしょうか。いろんな登場人物の心情に身につまされるのは、似たような経験があるからではないかしら。自分の心に勝手に枷

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    2021年07月15日
  • 峠―慶次郎縁側日記―

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    それまでの慶次郎縁側日記シリーズと比べて、森口親子はあまり前面に出てきません。それが物足りないと感じる方もあるかも…ですが、シリーズを最初から読んでいると、森口親子の存在を背景に感じながら、市井の人達の物語を読むことになり、さらに深く共感できるように思いました。
    誰の心にも魔がさすことがあるし、人生に躓くこともある。でも、生きている限り、否応なく人生は続く。人の業も深いが、人の情けも深く温かい。辛くても、前を向こうと思える一冊です。

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    2021年07月06日
  • 深川澪通り木戸番小屋

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    江戸の下町、深川が舞台である。日本大百科全書「番太」の項目によれば、「江戸の町では町方が自警組織の一つとして経営した自身番の番人をさす。」とのことである。四つ辻に番屋を構えており、原則は単身者が務める仕事ということだったらしい。

    物語では過去に色々と苦労した夫婦が木戸番となっているが、時代によってはなかなか特殊な状況だったようだ。
    それを踏まえて読むとよりこの夫婦の心細い身の上が心に迫るような気がする。

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    2021年04月29日
  • 深川澪通り燈ともし頃

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    深川澪通り木戸番小屋で17回泉鏡花文学賞受賞作品のシリーズ。江戸で五指に入る狂歌師となった、孤児の政吉。子供の頃は庇護者もなくかっぱらいで口をしのいだ。塩売りになり、客と喧嘩になった折に間に立って知り合いになった木戸番小屋の夫婦、お捨てと笑兵衛に文字を教えてもらうことに。それから作り出した狂歌で気持ちを歌にする喜びを得る。恋女房と所帯を持ち狂歌も腕を上げて本に。
    すれ違いから夫婦の気持ちは離れ、いつしか後戻りできない事態に。不幸が繰り返されるが、いつも笑顔で迎えてくれる木戸番小屋の夫婦が最後の砦。いつも暖かい気持ち良い場所に、期せずして足が自然に。。。このシリーズは群像劇。木戸番小屋の夫婦は常

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    2019年01月25日
  • 新地橋 深川澪通り木戸番小屋

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    ネタバレ

    深川澪通りシリーズの3作目。
    町に住む人々の悩みを、笑次郎・お捨夫婦は、温かく聴き、見守り、時には喜怒哀楽を共にしてくれるが、二人がするのはただそれだけ。一緒に解決してくれるとか、謎を解いてくれるとか犯人探しとか、そういうミステリー的な要素が前の作品に比べて減っている。

    それが味わいになっていていいんだよなぁ。お手軽にハッピーエンドにしないことで、なんとも深い味わいの余韻が沸く。生きてきたら穴に落ちたことも壁に当たったこともあるだろう。そういう経験があれば、見守ってくれるだけ、飯を食わせてくれるだけの木戸番夫婦のありがたみが、読んでるだけでジワーっと心に沁みる。

    これからは、弱ってる人、困

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    2018年07月11日
  • 深川澪通り木戸番小屋

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    ネタバレ

    宇江佐作品を読み終わってしまった後、市井人情ものロスになる前に、エエの探しとことと思い、評判の高いこのシリーズを手に取った。

    正解!

    木戸番笑兵衛と、小間物屋を営むその妻お捨。彼ら夫婦と交わる江戸の人々にはそれぞれ生活者としての悩みがある。
    それを大上段に解決するのではなく、等身大で受けて時間とともにゆんわりじんわり解決していく。

    そうそう、こういう人情話を時々継続して読みたくなるのである。心が風呂に使ったようなじんわり溶きほぐれる感じを、たまに味わっておくのは、気持ちいいし必要なこと。

    葉室作品では道徳部分が強すぎるし、伊藤潤では志が高すぎる…。いいシリーズに巡り合えた。非常に残念な

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    2018年05月08日
  • 雨の底―慶次郎縁側日記―

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    シリーズ最後の作品かと思う。シリーズ数を重ねるに従って、心に響く小話が多くなった。病床でなお力を振り絞って書かれたのかと想像すると感きわまるものがある。2017.1.11

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    2017年01月11日
  • あした―慶次郎縁側日記―

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    江戸の悩みながらも懸命に生きる、かつ人情味溢れる物語。巻末著者インタビューに「慶次郎は、人が転んでいたら立ち上がらせてあげるけど歩くのは自分だよ、という人物」とある。もはや引退し、大活躍をする訳でもないのに慕われ頼られる存在。2016.12.24

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    2016年12月25日
  • 白雨―慶次郎縁側日記―

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    俄かに読みやすくなった。ストーリーが分かりやすくなった。何気ない市井の出来事が胸をすうっとさせてくれる。あんしんさせてくれる。そんな短編集だった。2016.12.2

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    2016年12月02日
  • おひで―慶次郎縁側日記―

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    淋しさに包まれてしまったような時、元気が無く落ち込んでいる時「大丈夫だよ」と主人公の慶次郎のように優しく包み込んでくれる人情話だな。

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    2016年07月08日
  • 澪つくし 深川澪通り木戸番小屋

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    ご近所が世話を焼く世界。
    ついこの間までは、この本にあるようなことが身近にあった気がします。
    いつのまにか遠い世界になってしまったなあ。
    こんな木戸番夫婦のいる長屋に住んでみたいものです。

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    2016年04月27日
  • 傷―慶次郎縁側日記―

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    文章、ストーリーも秀逸。行き場のない感情を持つ人物が多く登場。はじめに載った「その夜の雪」は、同じ新潮文庫の「その夜の雪」掲載のものとかぶる。人気が出たのでシリーズが始まったのか。2015.12.12

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    2015年12月12日
  • 深川澪通り木戸番小屋

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    大きな事件は起きずとも、江戸の市井に暮らすひとびとの暮らしぶりの温度が伝わってくるような作品。

    時間に追われる日々に疲れたら、続編を読みすすめたいと思う。

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    2015年06月23日