あらすじ
元定町廻り同心、我らが森口慶次郎に心底惚れ込み、陰に日なたにその活躍を支え続ける「縁側日記」の登場人物たち。岡っ引の辰吉に吉次、飯炊きの佐七や嫁の皐月……こみ入った過去を背負い、一筋縄ではいかぬへそ曲がりもいるけれど、他人の涙を見過ごせない心根の出来のよさなら慶次郎にも負けやしない。いつも脇役、今日は主役の彼らが語る粋で優しい八つの江戸人情譚!
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Posted by ブクログ
僕は、1年半程前に、この作品を読んでいた。それを忘れて、また読んでしまった。前回の感想を見ると、「テレビドラマの中で、どういう描き方をされているか、観てみたい」と書いていたけれど、その後、NHKの再放送で見た。小説のイメージを壊さないように作られていた、ように思った。さすが天下のNHKである!別にNHKを茶化してる訳ではない。本当に、そう思ったのだ。
Posted by ブクログ
慶次郎シリーズ。脇役達辰吉、吉次、佐七、皐月、太兵衛、弥五、賢吾にスポットを当てた短編集。特に皐月編の微妙な立場を皐月の心の葛藤、夫の望んだ結婚でないこと、実の親でない慶次郎との血の繋がらない他人行儀さの辛さに明るい兆しが見えたことが印象的。
Posted by ブクログ
「慶次郎縁側日記」シリーズは、随分と数多くありそうなのだが、なぜか、この本が「出会い」となった。
主人公の森口慶次郎は元定町周り同心。仏と名前がつくほど人格も優れた同心だった。その森口に惹かれる主人公の周りの人間たちを濃く深く描いたのがこの「脇役」
一つ間違えば、悪の道をさまよい、落ちぶれてボロ屑のような人生を歩くはずだった者。
心深く思いを持ち続けた相手の女房が、悪人に殺されるように亡くなり、思いを伏せて、嫁ぐ娘。
上役でもないのに、なぜかいつもきになる慶次郎の眼差しに、いつもヤサグレた心に一つ、真白きものを養う男。
短編のような小節を組み合わせて紡がれるこのシリーズは、急流を流されるように読むシリーズではなく、一つ一つ時に外の景色を見るように、読む本なのかもしれない。