乃木坂太郎のレビュー一覧
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・「お前は俺が嫌いじゃなかったのか?」
「…嫌いですよ。暴力的で独善的で、人をパシリに使い、歌を馬鹿にし…
もしあなたが好きだったら、きっと怖くて切れなかったですよ。
・・・けど、僕は手術の間、ずっとあなたのことを考えてました。
何を欲し、どう生きていく人なのか必死に考え、心臓を切った。
ほんの一時でも、生死の境を分かち合った人を、嫌いでいられるわけがない。
あなたも僕と同じでしょう?だから、あんなにも人を救うことに真摯でいられたんだ。
人を愛したかったんだ。誰よりも、人と繋がることに飢えていたんだ。
やっとわかった。帰りましょう。明真(あそこ)には仲間がいるんだから」
・「 -
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・「なぜ耐えられたんでしょうか?やっぱり、ただそういう空気に鈍感なだけだったんでしょうか?」
「君がいたから、…じゃないかな。
特別な人間じゃなくても、きっと自分を理解してくれるって希望を持っていたからだと思う。
今日、君はその気持ちに応えたのよ」
・「やることがあった方がいい。何もできない辛さを、今日は十分味わったからな」
・「伊集院、お前が選べ」
・「私にとって最善の一票は、若者に自分の未来を選ばせること」
・「お前じゃなきゃダメだ」
・「あの時、俺はこいつと一緒に働きたいと思った」
・「僕を信じてくださって、ありがとうございます」
・「この虫けらがあ!…そうだよ、俺も -
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・「助けてくれ・・・お前が切ってくれ」
・「どうして、僕に朝田先生を切らせたいんですか…」
「切らせたくないよ。未熟な研修医じゃなくて、この地球で最高の医者に執刀してほしいよ。
けど、誰もがそんな医者に切ってもらえるわけじゃない。経験のない医者の最初の一回に当たる患者もたくさんいる。
今回がその時だよ」
・「・・・もし、切れると判断して手術をしたとして、何らかのミスで死なせてしまったら?」
「その時は、死なせた数だけ成長なさい」
・「きっと、彼は伊集院先生にこう聞きたいのよ。手術、やってみたくねえか?面白いぞ?」
・「楽しくていいんだよ。でなきゃ続かない。ヒューマニズムだけで伸 -
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・「なれるよ。きっとあいつみたいになれるよ、お前らも。
だって、あいつはさ、どこにでもいる普通のやつだったんだから」
・「君はただの観客だから、ぶっちぎりのトップランナーにしか目がいかないだろうな。
だけど俺たち同業者は違う。自分より周回遅れで走ってたはずのやつが、ふと振り返るとすぐ後ろにいる。
それどころか隙あらば追い抜こうとしている。驚愕、焦り、恐怖で目が離せない、伊集院から。
今ここにいるみんなは、伊集院の粗を探しているのさ。自分の方が上手いって安心するためにね」
・「やってくれたな、小僧」
・「君は君の技術を継ぐ者を育てているか?僕のように自分の才能だけに頼って生きていな -
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・「僕をかばうって、何様のつもりなんですか・・・?」
・「あんた、患者をなんだと思ってるんですか。…それに僕をかばうなんて口実でしょ?
人をかばうとか、何かカッコイイ理由で問題を起こし、責任を取る形で、医者であることから逃げ出したいだけだ。
お見通しですよ。本音じゃ手術が失敗してほしいと思ってる」
・「よくいますよ。仕事を辞める時に、血尿が出るくらい働いてみせたりして、
ちょっとした自己犠牲を払ってみせる人。
でも、すがすがしい顔して辞めていくんですよね。何故だかわかりますよね?
後に残る人間の方が大変だって知っているからですよね」
・「キレイなままではいられないかもしれないけ -
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・「息子じゃなく、患者の家族に見せられる手術をしろよ」
・「腕ってやつは、上がってると感じてなきゃダメなんだよ。維持してると思ってんなら、落ち始めてるってことだ。
酒と薬は止めろ。でなきゃ俺についてこれねえぞ」
・「俺が麻酔やると、きっとまた殺しちまうからよ」
・「このまま酒におぼれて死ぬのを待つ気か?」「それが悪いってのかよ?」
「言っておくが、君は酒では死ねないぞ。健康診断では健康そのものだ。
ロシア人なみのアルコール代謝能力があるようだよ。それとも、オーバードーズで死ぬのを待つのかな?
だが、自殺に逃げ込むのは君の本意ではあるまい。今のままでは、まさしく生き地獄だろう。
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・「末も東の旅衣、日も遙々の心かな。『隅田川』といってね、子を探し求める母親の物語なんだ」
・「愛する者と別れたり、不幸な境遇に落ちたりして半狂乱になるものを、能では物狂いといってね
…この狂い笹を持って舞うわけだ。臣下に裏切られ、権力の座を追われ、かつてない孤独に追い落とされて」
「その上、病に落ちて物狂いになったわけですか」
・「舞わずとも、狂う心が僕の心臓を止めるかもしれないね」
・「君には、この頃やけに共感することが多くてね。強いリーダーシップ、周囲に大きな影響を与える独善的な個性、
そして、目的のために、ひたすら駆け続ける執念。君が一番、僕に似ている。
もし君が、その天 -
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・(権力は美しい。人間同士、どんな関係であっても、その間に権力は存在する。
親友や恋人同士であっても例外ではない。人間というものを美しいと思うなら、権力もまた美しい。
僕は権力が欲しいのであって、ポストが欲しいわけじゃない)
・「野口教授、御乱心~~!!」「ちょっと待てよ、一体どういうことだよ?」
「退官前に医局の膿を出し切るとかで」
・「どうせ強い影響力を残せないならと、後ろ足で砂をかけていきたいのか、それとも何かの策なのか?
・・・いずれにせよ、これは大学と医局員たちに対する裏切りよ。野口が学内で権力を握ることはもうないわ」
・「…料理、もう始めてください」「え?まだ、どなた -
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・「今焼きつけなければ、この先一生想像することになる。見えない顔を想像し続ける方が、ずっと恐ろしい」
・(これから先、僕が全力で人を救うことをしなかったら、なんだか君を裏切ることになるような気がする。
僕は引き受けたよ…僕が医者であることを)
・「いつか、僕も組織のことを考えるようになり、年をとって少し疲れちゃったりしながら、
誰かを育てなきゃいけない時が来るんでしょうね。その時には多分、霧島先生のように教えると思います。
わからない事があったら、また訪ねてもいいですか」「待ってるよ。頑張ってこい」
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・「誰もが思う通り、木原は上司の顔色を窺って生きていく、どこにでもいる医局人だ。
だが、そんな凡人だからこそ、絆で結ばれれば強くなる。誰かを救うために走ろうとする」
・「軍司、木原を信じているのか…信じたいだけなのか、どっちだ」
「俺は一度信じた絆を、もう二度と疑わない」
・「執刀医として、俺にはこの患者の命に責任があり・・・今は判断しなければならない。
この状況下でのベストは、木原を信じている軍司を信じる事だ」
・「加藤、あんたは伊集院を信じているか?」「もちろんよ」
「あいつは腹黒い上に計算高く、いつも後悔ばかりしている、どこにでもいる普通の男だ。
今だって、迷いながらグチ -
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・「俺も…俺もみんなのフルネーム・・・全部覚えてました」
・「下の名前なんて覚えてないのも当然ですよね。同僚は友人じゃないんだから。
でも僕は、友人とはいえなくても、せめて仲間だとは思いたかった。
なのに、みんなの事が好きなのを気づかれたくなくて、名前なんて覚えてないフリしたりしてました。
とばされた先輩や後輩を切り捨てたり。辛かったけど、そうしないと逆に医局で仲間外れにされる。
・・・霧島先生、あなたは僕の気持ちを救ってくれました。おさらばです」
・「君には、まだまだ教えたい事がたくさんある。私がそう言った事を覚えていてくれ」
・「手術プランの変更は、あくまで患者の状態が予想以 -
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・「その道が正しいかどうかなんて、後からわかることだろ。
もし、あいつにはっきりとした目標があるならよ、どんな道を歩いてもいいんじゃねえの?
あいつがどこに向かっているか知らねえが、そこが俺の目指している場所と同じなら、もう一度、どこかで会える」
・(俺にとって、もはや家族は何の意味も持たなくなった。
朝田も家族のない男だった。学費のために家を売り、帰る場所もない。
それだけ聞き出すのに2年かかった。
一度、休日に二人で海に行った事がある。
昔、朝田の家があった辺りの海に。あの時、あの海には、失った家族の代わりになるものが、確かにあった。
俺たちの絆)
・(絆は切れかけていた -
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・「名人が考える術式は、一見、理にかなっていて、非常に魅力的ですが、我々普通の医者には毒となる。
無論、患者にとっても悲劇です」
・「我々は難しい事に挑戦する必要はないのです。リラックスして、ゆっくり確実に行うのが、良い手術です」
・「最高クラスの選ばれた者だけのチームも必要です。
だけど、僕が求めているのは、もっと普通の、当り前のチームです。
みんなが患者のために普通に努力して、もし一人欠けても、誰かが代わりをやれるチーム。
故障して動かないなんて事は決してないチーム。バチスタチームのように一つしかない特別なものじゃなくて、
どこの病院でもたくさん作る事ができるチームです。
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・「俺は凡人だ。お前と朝田が気付かせてくれた。礼を言う。
幼いころから俺は優秀だった。競争というものに敗れたこともなかった。期待され、それに応える事が当然だった。
今にして思えば、医者にはありがちなタイプだったな。
しかし、いくら俺が優秀でも、朝田という壁は越えられなかった。
努力で越えられないものを才能と呼ぶのだと初めて知った。
朝田を医局から追い出す事で、あいつに勝とうとしたが、その時こそが、俺が朝田に負けた瞬間だった。
お前が去った後、ようやくそう気付いたよ」
・「医局に、髪の長い男がいるだろう。肩まで垂らした」「木原助手(せんせい)?」
「俺が初めて明真に挨拶に来た時、 -
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・「…いい気合いだったぜ。伊集院。逆位置って知らなきゃ、執刀医は誰が見てもお前だぜ」
・(なんでだろうな・・・敵に回ると決めたら、かえって素直に言える…)
・「母を救ってくれてありがとう」
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・「二つの大動脈が、この冠状動脈を圧迫して、血流を止めてしまうなら、新しい道を俺が作る」
・「あいつらがいなければ、俺はここへは来れなかった」
・(今は、医局の誰よりも、あなたが頼もしい!)
・「・・・一緒に家に帰ろう」
・「礼はいらねえよ。母さんを引き戻したのは俺の手じゃねえ。あんたの手だろ」
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・「病院なんて信じなくていい。ただ、本物の医者は信じてほしい」
・「そういう知識の積み重ねが、一人前の医者を作っていくんだ」
・拡張型心筋症で、心臓が大きくなってる場合、除細動器の電極パッチの位置は、外側と背中で心臓を前後に挟む
・「私は今まで、たくさん研修医を見てきたけど、たいていの研修医は、実習になると我先に切りたがるわ。
だけど、あなたのように臆病で、いつもビクビクしながら切ってる子がいる。
えてして、そんな子が、いい医者になるものよ。今のあなたのままで、どんどん場数を踏みなさい」
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・「患者は誰でも完全な健康体に憧れるものだ。症状が完治する魔法の手術がある…
とお偉い大学病院の医者に唆されれば患者はつい乗ってしまう。
研修明けに何年か市中病院に勤めていた頃、私も霧島のような大学病院の医者に何人も患者を奪われた。
薬で症状を抑え、病気と一生付き合う気持ちで生きていけば、危険な手術など必要ない人たちだった。
大学の外科医は、患者の症状ではなく、自分の手術にしか興味の無い者たちだった。
手術が終わりさえすれば、患者は用済みだ。患者はてっきり、
手術後も大学病院でアフターフォローしてもらえるものと思っていたが、
現実は、元の市中病院への紹介状を手渡されるだけ。
し -
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・「もし、僕に技術(うで)があったなら、決してあなたのような人に頭は下げません。
気持ちだけで患者が救えるなら、何も頼むもんですか!!」
・「手は貸すが、俺の仕事に口を出すな。代わりにメスだけに集中させてやる。
俺が全身管理をやる以上、万に一つも間違いはねえ。それでも手術に失敗したら、おめえの腕がヘボってこった」
「クククク。久し振りに本気でやらせてもらえるわけだ」
・「悪党を許せないなら、許さなくていい。あいつは責められるために今も悪党やってんだからよ。
自分の犯した罪が、一生かけても許されない事は、荒瀬もよく知っている。
だから、あの意地っ張りは他の道を選べなかった。これから -
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・「手術は競争じゃねえ。勘違いするな」
・「お前らに言っとくぜ。金で技術を売るってのが、俺と医療の線引きだ。
払えないってんなら、線を踏み越えて俺に近づくな」
・「君は、患者や家族との間に、まだうまく一線を引けていないようだな」
「…わかりますか!」
「一人の患者に時間を取られては、他の患者がおろそかになる。
それに、患者や家族に近づきすぎて、同情や共感を抱え込みすぎると、感情におぼれて、かえって判断が鈍くなる。
医者は医者だからこそできる事がある。患者に同化してはいけない」
「…そうなんですよね」
「だけど、それを、わずらわしい患者から逃げる口実にしてはいけない。
線を引