吉野朔実のレビュー一覧

  • 恋愛的瞬間〔文庫版〕 2

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    まずは、自分自身が、自分の納得できる場所にいなければならないということかな。
    そうすれば、自ずから、運命は動き出す。

    動き出しさえすれば、あとは、縁の力というのは、けっこう強いですからねぇ。
    コロコロと速い速い。

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    2014年02月24日
  • いたいけな瞳〔文庫〕 5

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    「薄紅」を読んで、ちょっと吉田秋生の「櫻の園」を思い出していました。

    桜の花びらの散るなか、ポツリポツリという雰囲気の会話が、すごい好きですね。

    「卒業生の 桜色のスカーフ
     私 あの色 好きだったな」
    「私は この浅葱色が 好きよ」
    「緋も 悪くない」
    「杏が 気の毒」
    「藤も やだな」
    「萌葱は?」
    「可もなく 不可もなく」
    「だね」

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    2014年02月10日
  • いたいけな瞳〔文庫〕 4

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    「嘘をつかずに男を騙す方法について」の次が、「花の眠る庭」。
    すごい、並べ方だ。というか、この話が1人の人のなかに共存しているのがすごいです。
    でも、「嘘をつかずに男を騙す方法について」は、よく読むと、2巻の「橡」と同じテーマにも思えてきます。

    この巻で印象が強いのは、「花の眠る庭」と「百合の吐息」。コメディも好きですが、妖しい話に惹かれる傾向があるな(笑)
    多分、おいて行かれちゃう人間にシンクロしやすくなっているのだと思います。

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    2013年10月31日
  • お母さんは「赤毛のアン」が大好き

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    本に対する愛情が深すぎて(?)
    ゴミ収集所に捨てられている本は、見捨ててはおけない派。

    とりあえず、キョリキョロと辺りを伺いつつ、
    うんしょ、うんしょ(←かなり重い!)と何度も往復する自分はもしかしたら、
    (変人)なのかな?

    なんて、容疑がかけられていたが(自分に)
    そうでもないのか、と、この本にて知ることができ、ホッとした。

    案外、(狙ってる)人って多いんですね♪(お宝ですもの。^^♪)

    それと、
    著者と交流のある穂村弘さんの登場にテンションが上がった。

    マンガ化されて出てきても、
    穂村氏はあくまで穂村氏然としている様が面白かった。(^^;

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    2013年10月07日
  • お父さんは時代小説が大好き

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    吉野朔美氏による、マンガ版読書エッセイ集。

    「イナバの白うさぎの話で、ウサギが騙して海を渡ったのは?」
    という問いに対し、
    (そういえば…?)と、頭を悩ませた。

    ワニだったような、
    サメだったような?

    正解を見て仰天。

    こんな生き物の存在を、
    あたりまえに認めていた幼い自分を愛おしい!と、思ってしまった。(^^;

    気になる方は
    「古事記」(岩波文庫より)のご一読をぜひどうぞ。

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    2013年10月04日
  • いたいけな瞳〔文庫〕 3

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    この3巻の「いつも心にスキップを」というお話と、4巻の「嘘をつかずに男を騙す方法について」というお話が対になっています。

    これは、アレですね。自由に生きている女の子が、もう決まった女の子がいる男にとっては、いかに危なっかしく見えるか(自分にとっても、相手にとっても)ということと、まだ、決めた女の子の子がいない男にとっては、どんなに魅力的に見えるかという話かな?

    そして、そんな子は、どこかで案外、自由な自分をしばって欲しいと感じているのかも。
    あぁ、これでは、4巻の感想だ(笑)

    惹かれる話は、「夢喰い」。
    XPのの女の子を外に連れ出してしまうお話。

    それは、辛い記憶なので、記憶のなかに封

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    2013年08月28日
  • いたいけな瞳〔文庫〕 2

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    アインシュタインが、子どもに核を渡す話があって、これって、今の時代の方が、より切実な現実になっているよなぁと思う。

    1番印象に残っているのは、「橡」。
    でも、今回、改めて読んで、はじめて、空が通学の電車の中で自分の相手を見つけていたことを発見しました。
    これは、ストレートに、出会ってくっつくような話しかしらない子どもには、絶対わからんわ。

    恋愛には、ふっと何かのきっかけがあって、わきあがってできる想いと、見つめているうちに気づく想いがあって、そのかきわけや、境目をかくのが、吉野朔実はとてもうまい。

    もしかすると、この人は短編の方が繊細かも。

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    2013年07月01日
  • いたいけな瞳〔文庫〕 1

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    ネタバレ

    1990年~1993年 ぶーけに連載された作品。
    今回、ブログ仲間の「asagiさん」からお借りして読んだ。
    物凄く面白かった。ありがとう~~~。

    ■いたいけな瞳:1巻■

    ○自殺の心得
    「私より好きな人が出来たのなら、それはいいから、それでもいいから
    私2番目でいいから…」
    そこまで言っても拒否をされ、彼の目の前で電車に飛び込み自殺を図ろうとした彼女に
    1人の男性が声をかけた。「背中、押してやろうか?」
    彼女にフラれ、彼女を殺して自分も死のうと思っている男と
    彼氏にフラれ、彼氏の目の前で飛び込み自殺を図ろうとした女が、駅のホームで出会った。
    でも、前向きに歩いて行こうと思い始めた二人には、

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    2012年11月12日
  • エキセントリクス〔文庫版〕 1

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    こんなにも衝撃を受けた漫画は、そんなに存在しない。混乱を愛せるようになるには、私の許容は狭すぎるかもしれない。

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    2012年07月15日
  • アンネ・フランクをたずねて

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    子供向け・・・と思って、うっかり読んだら、痛くて、辛くて、悲しくて、まいった。読んでいるうちに息苦しくなって、呼吸困難に陥るくらい。過酷な運命を生きながら、美しいものを美しいと感じ、小さな喜びを存分に楽しみ、恋をし、彼女らしく精一杯にふるまった少女と、彼女たちを救おうと、それを当然のことと考え行動した人々。忘れてはいけないこと、目をそらしてはいけないこと、痛みを持ってでも後世に伝えなければいけないこと。そして2度と同じ過ちを犯してはいけないこと。

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    2012年01月25日
  • period 1

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    昔からこの作者さんが好きだったのですが、
    こちらの作品も、ものすごくヘビーで繊細。
    詩的な雰囲気を漂わせながら、虐待や自殺などヘビーな問題を
    サラリと描いています。

    主人公の兄弟が育っていく様を見るのが、
    楽しみなような怖いような。

    でも本当にすごい作品だと思います。
    (fujita)

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    2012年01月24日
  • 少年は荒野をめざす 1

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    狩野を真似て髪をロングにしていた位中学時代に好きで好きで、毎月「ぶーけ」を買うのが楽しみだった。
    その当時の自分の気持ちが代弁されていると感じるシーンが多く、
    張り詰めた緊張感の中、入試の試験用紙が白紙に見えてしまうシーンには、そうなったらどうしよう!と本気で怯えていた。
    何度でも読み返せる作品だが、今読むと大人の立場で読んでしまい、感情移入する人物が変わってしまった。主人公と同じ歳に同じ感覚で読めた事がとても幸せだったと思う。
    詩的なモノローグと透明感のある絵、繊細な世界観が美しい吉野朔美の傑作。

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    2011年01月18日
  • いたいけな瞳〔文庫〕 1

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    以前、購入して読んでいて、まあ、印象が残っているわけですが……。
    今、読んで見るとその時よりも、もっと理解できるなぁと思いました。

    短編集なのですが、最初の「ラブレター」なんかは、とてもよくわかる。それに、熊のぬいぐりみ10万円も、おもちゃのことに興味を持ち始めて、はじめて理解できる部分もあります。

    「いやあ、ああいうことって、よくあるよねぇ」

    と話したくなる子の顔が浮かぶ。

    きっとその子は、この本をそれなりに気に入るだろうということで、貸してあげよう(無理やり)と思って、それなら、カラーの入った文庫じゃない大判のマンガの方がいいだろうと、今、実家の本棚を探して見ましたが、見当たりませ

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    2010年12月28日
  • 少年は荒野をめざす 1

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    テーマは、若者の自己肯定。
    自分て何だろう。
    迷い。
    失恋。
    若者の行動は、衝動的で、痛い。
    引き戻される現実、その安心感。
    これは失恋なのだろうか。喪失感。
    でも、どこか清々しい。

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    2010年12月12日
  • いたいけな瞳〔文庫〕 1

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    むか〜しむかし、学生時代、「吉野朔美のまんがに出てくる感じに似てるね」と、友人に言われたことがある。とはいえ、その頃は読んだことがなかったので、どう思えばいいのかがわからなかったなぁ。「幼女誘拐」いきなりガッツン!いろんなとらえ方がある。読む度ごとに惑う。子供は嫌いだ。そして、自分もそんな子供だった。「愛の名のもとに」「自殺の心得」「愛が怖くてテロが出来るか」「おとうさんといっしょ」 これまた的を得ていて、こわいくらい。妻の出産前夜。思い出のピンポンダッシュ。誰が贈った?10万円の熊のぬいぐるみ。ホールのいちごケーキ、それ、フォークと包丁で食べてみる?ふふふ。「少女漫画家の瞳には三等星の星が光

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    2011年09月18日
  • 恋愛的瞬間〔文庫版〕 1

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    恋愛クリニックを舞台にした短編集。
    女性作家の短編は、ラディカルで切れ味鋭くて好きだ。(意外に男性作家の短編の方が割り切れない話が多い気がする。そしてそれもまたそれで好きだ)

    ”先生、私保母に戻ることにしました。
    たぶん私はずっと問題から逃げてばかりいたんです。
    それでその逃げ回っている弱さが、追いかけたいと思っている人たちを引き寄せてしまうのじゃないでしょうか?
    私、あの時誰があの手紙を書いてもおかしくないと思いました。
    誰もが書きそうで、誰も信じられなかった。
    私は犯人を捜すより、信頼できる人間を決めなければなりませんでした。
    他人を信頼するためには、自分を信頼できなければいけないのだと

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    2010年07月25日
  • ジュリエットの卵〔文庫版〕 1

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    この人のはいつもうまく感想が言えない。双子の恋人と、狂気とか優しさとかはじまりとか終わりとか宇宙とか命とか。美しい漫画。

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    2010年01月20日
  • ジュリエットの卵〔文庫版〕 1

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    よく、アクションの少年漫画、心理描写の少女漫画といわれるけれど、その心理描写を極限までやれる作家が、この人なのだとおもいます。
    女性の、というより人間の根源の部分を揺さぶるような心理描写と、駆け引きは、何度読んでも、何年経っても色あせない。
    作品の感想じゃなくてごめんなせー。書ききれないのよ……orz

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    2009年10月09日
  • 恋愛的瞬間〔文庫版〕 1

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    短編(一話完結?)を描かせれば
    多分この方の右に出る人はいないんじゃないかと思う程
    一話ずつがきれいにまとまっている上に
    全体を通せば、ちゃんと1つのストーリーになってる……
    なんてスゲー作家さんなんだろうと
    何度読んでも溜息が出ます。
    精神世界を掘り下げる手法は、この作品で完成を見た印象。

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    2009年10月04日
  • 少年は荒野をめざす 1

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    何度読んでも印象が変わりそうなほど、それぞれの人物に魅力がある物語だった。
    「今の自分」と「なりたい自分」をぼんやりと見つめながら
    「なれない自分」もはっきり見えてるから気持ちが落ち着かないさまは非常にわかる。

    しかし最も共感することが多かったのが日夏だったのは自分でも意外なことだった。

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    2009年10月04日