あらすじ
【あの少年は私 今もあの青い日向で世界の果てを見ている】浅葱中・名物トリオの一人、狩野都。小説を書き、いつも不思議な雰囲気を漂わせる狩野は周囲から浮いてはいるものの、管埜と小林と3人で学校生活を楽しんでいた。しかし時は受験シーズン。否応なしに現実を突きつけられる日々の中、狩野は黄味島陸と出会う。彼は狩野の心に棲み続ける少年にそっくりだった…。揺れ動く青春と影、第1巻。
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Posted by ブクログ
狩野を真似て髪をロングにしていた位中学時代に好きで好きで、毎月「ぶーけ」を買うのが楽しみだった。
その当時の自分の気持ちが代弁されていると感じるシーンが多く、
張り詰めた緊張感の中、入試の試験用紙が白紙に見えてしまうシーンには、そうなったらどうしよう!と本気で怯えていた。
何度でも読み返せる作品だが、今読むと大人の立場で読んでしまい、感情移入する人物が変わってしまった。主人公と同じ歳に同じ感覚で読めた事がとても幸せだったと思う。
詩的なモノローグと透明感のある絵、繊細な世界観が美しい吉野朔美の傑作。
Posted by ブクログ
テーマは、若者の自己肯定。
自分て何だろう。
迷い。
失恋。
若者の行動は、衝動的で、痛い。
引き戻される現実、その安心感。
これは失恋なのだろうか。喪失感。
でも、どこか清々しい。
Posted by ブクログ
何度読んでも印象が変わりそうなほど、それぞれの人物に魅力がある物語だった。
「今の自分」と「なりたい自分」をぼんやりと見つめながら
「なれない自分」もはっきり見えてるから気持ちが落ち着かないさまは非常にわかる。
しかし最も共感することが多かったのが日夏だったのは自分でも意外なことだった。
Posted by ブクログ
私の永遠のバイブル。マイベスト朔実作品。己の中の二面性が分離してしまった話だと解釈してます。分離してしまって不安定。でも、不安定である方が自然。そんな皮肉。
Posted by ブクログ
初めて読んだ時も、その後も、いつ読んでも後頭部を殴られたような感覚になる。狩野と同い年位の時に出会っていたらどんな感想になったんだろうかと、ちょっと後悔するくらい自分にとって衝撃的だった作品。