田辺イエロウのレビュー一覧
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第三の翼
バルバラと共に城を出て第三の翼サクルに出会う話。
前巻で旅の目的がはっきりしてから明らかに物語のテンポが良くなって面白い。
あとイエロウさんは大きなモノを描くのが上手い。サクルの能力だったりアフリカで光鳳達が遭遇したブラックアウトの造形だったり、見ていてワクワクする。細かな造形もだけど見開きを描いた時の全体のバランスがすごく良い。デザイナーの作品って言われても通りそう。バードメンは表紙が色味少なめだけど、もうちょっとカラフルなポップ絵も見たいなあ。
鷺沢はいつの間にか状況説明と場を和ます笑いを提供する面白キャラになっている。これはこれで好きだけど、ちょっと前まで彼は表の顔と裏の顔 -
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新たな光
鷹山との再開を果たし物語は舞台をヒマラヤ、そしてヨーロッパへと移す。
そして鷹山から告げられる新たな目標「はじまりの七人」。
前巻でふんわりしていた旅の目的がはっきりして今後の旅の指標となる。
前巻の描写で烏丸は鳥部の仲間たちと一緒にいるために鷹山の手をつかまなかったんだと思ったんだけど違ったのかなあ。
今後の旅の目標がはっきりしたし七翼の二人目も出てきたしセカンドアビリティーも発現して物語は大きく動いているけれど、その分鳥部のメンバーの存在感が希薄になっているのが寂しい。
人気低迷でテコ入れで分かりやすい内容にシフトしたのかななんて勘ぐってしまう。
鷺沢とか鴨田の能力の設定は -
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そうして僕らはオトナになる
鷹山の失踪をきっかけに鳥部メンバー達の人間関係に変化が訪れる。
徐々にベルウェザーとしての資質を開花させていく烏丸。同時にアメリカ、EDEN、そしてどこかにいる鷹山にも次のステップへと変化が訪れる。そうした中でついに海野も能力に目覚める。
物語当初はリア充の化身に見えた鷺沢と海野にも、それぞれ悲しい背景があることが明らかになる。世の中完全に幸せな人も、完全に不幸せな人もいないんだよね。みんな幸も不幸もそれぞれ持ってて、出来るだけ幸の比率を増やそうと頑張ってる。そしてそうやってもがいているうちに勝手にオトナになる。 -
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もう一つの鳥部
もう一つの鳥部の経験した悲しい結末の物語。
アメリカに点在する農場(ファーム)と呼ばれる施設に収容されているEDENのセラフ達。アメリカセラフのリーダーアーサーは彼らをかき集め旅に出る。しかし超人的身体能力を持つとはいえ中身はローティーンの少年少女たち。彼らの旅は人間社会に寄生したかたちとなり、最後は人間社会の理によって突然の結末を迎える。
同じ世界ではあるけれど、近くて遠いパラレルワールドのようなアメリカで起きた悲劇。それは日本の我らが鳥部が同じように無軌道にただひたすら規模を拡大しても、同じような悲劇が起きるだけだという暗示なのか。
アーサーいいやつだよなあ。ロビンかわいいなあ。
こういう -
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回り始める物語の歯車
新キャラ続々登場。
まずは龍目教授の仲間、スーパーハッカーの金髪オネエ、マリリン。教授よりも鳥部メンバーに近い位置で活動し、ストーリー展開的にもギャグ面でも美味しいとこを持っていく。なんだろう、オネエキャラってオカマって言う性別的にニュートラルな位置にいるせいか、他の人には言えないこと言われたくないことを言ってもいいみたいなとこあるよね。だから疲れたオトナがオカマバーに行ったりするんだろうけど。
そしてこの作品で「悪」を担当する闇の科学帝国EDENからの刺客FOX登場。EDEN側のセラフフェアリーも出てくるけどまぁこっちはオマケ。可愛らしいけどね。オトナの知性、オトナの暴力をチャラいキャラで隠 -
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いいとこ出てきた
主人公のいいとこが出てくる。
鳥男としての能力も伸びてくるが仲間内ではむしろその歩みは遅いほうだ。学校でも上手く馴染めずにいたのに、世界に5人だけの本当に数少ない仲間の中でもまたはみ出しそうになる主人公。
そこから抜け出す力となったのは仲間たちのサポートもあるが、主人公自身の精神力、メンタルタフネス、ザ・負けず嫌いだ。
僕がこの作品を好きなのは英司のこういうキャラクター。学校でも家庭でも居場所がなくて、数少ない仲間達の中でも孤立しそうになった時、「なにくそ!」と立ち上がり、それどころかものすごい勢いで走り出して辛い現実をノックアウトする一撃を繰り出すこのタフネス、すっげえカッコいい。
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中学生ってこんなだったかな
前作結界師が好きだった。前作と同じく中学生が主人公ということで似た空気感。ただしポジティブの塊だった前作主人公に比べ、コミュ障で勉強はそこそこできるけど運動音痴で家族とも上手くいっていない今作主人公が持つ空気は暗い。そこをスタートとして全体的にネガティブな空気が漂っている。
とはいえほぼ主人公一人が動いていた前作と違い「ゴレンジャー」的な作りなので、1巻終了時点で続々と仲間が揃いそこまで話自体は暗くない。会話のテンポは良いし色々と今後の展開を予感させる伏線が散らばっていてワクワクする。田辺イエロウさんはこういうシッカリした世界観(設定?)を持った作品の作り方が好きだ。
中学生男子の心理描写 -
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面白くはあったんだけど
もうすこーし先の未来まで観たかったかなぁって言うか
最後の最後までセラフに対抗する力を持つ存在がなく
セラフ内でも鷹山以上のビジョンを持つ存在はなく
まーなんて言うか
予定調和のまま終わったかなぁって
せめて人間関係がどうなるかーとかの結末知りたさがちょっとあったかなって思った
ある意味始まって終わってしまった感じがしました -
Posted by ブクログ
ネタバレ●収録作品●
*LOST PRINCESS…デビュー作
*読切版結界師…その後連載作品となった『結界師』の元になった作品
*フェイク!…増刊号掲載作品
*バースデイ…ゲッサン掲載作品
*闇の中…投稿作品、佳作受賞
『結界師』の田辺イエロウ短編集。
『LOST PRINCESS』、『フェイク!』は少年誌!って作品ではないかと。
どちらかだと怪盗ものが好きだし、キャラクタ的にも『フェイク』の方が好みかな。
『読切版結界師』は以前にも公式本に収録されたもの。
主人公の名前や設定はほぼ一緒。
『バースデイ』は完全にギャグ。
両親に溺愛されている男の子のお話。
この作品の中では『闇の中』のみち