田辺イエロウのレビュー一覧
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「結界師」最終巻。宙心丸の真界に志々尾と自分の分身を登場させたシーンは、何度読んでもグッと来ます。
改めて読んでみると、騒動の中心に存在していた日永や水月、そして良守の母の守美子といった超常的な力を持つ者たちが、「家族とコミュニケーションがうまく取れない」といった如何にも人間くさい悩みを抱えていたんだなということが描かれており、彼らに好感を持てました。日永も守美子も、超常的な力があるが故に「普通の」コミュニケーションが取れず極端な行動に出てしまったこと、そして彼らの近しい存在である水月や良守はそれでもその相手を「ただそこにいるだけでいい」と思うほどに愛していたこと、という点で共通していたと思 -
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八巻では、火黒たち黒芒楼の刺客との戦闘がメインとなってきます。
ですが、やはり見所は限の過去だと思います。
限が禁忌を犯し、そのときの翡葉の言葉から始まる限の過去話は、限が何故今のように塞ぎこんでしまったかを、限の幼少期の体験から描いていて、周囲から「いらない」と思われて過ごした限の悲しさが伝わってきて、感動しました。
さらに限は、禁忌を犯したことにより結界師の補佐の任を解かれる危機に陥りますが、良守が正守に限を帰らせないように電話をしたこともあってか残留も決定し、さらに良守・時音・限という三人の絆が深まったような雰囲気があり、またそこでも感動させられました。