城平京のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ昨年10月に刊行されていた、虚構推理シリーズの短編集第2弾である。このシリーズ、ラノベっぽいカバーとは裏腹に中身はちっともライトではない。読み終えて思う。中身を誤解しそうな帯だなあ、これ。わざとか?
琴子と九郎のコンビと、九郎の従姉である六花(りっか)。主要キャストは以上。琴子を前面に出しつつ、九郎と六花にスポットを当ててもいる。最新長編『虚構推理 逆襲と敗北の日』を先に読んだが、刊行順に読んだ方がよかったかも。
第一話。雪女と交際している男性に、殺人容疑がかけられた。雪女にアリバイ証言をしてもらうわけにもいかず、琴子の出番に。厳しい口調はいつもながら、辛い経験をした男性へのエールも感じられる。んー、何だかこのシリーズらしくない?。
短い第二話。曰くつきの現場でアルバイトをする九郎。こういう現場では重宝されそう。何しろ九郎は…。真相は往々にしてそんなもんだよねえ。
第三話。琴子と高校の同級生だったという女性が、六花と出会った。これって偶然か? 彼女が語る、琴子がかつて手掛けたダイイング・メッセージの謎とは。うーむ、高校時代から容赦がないな。見透かされた男性が少々お気の毒…。
本作の一押し、第四話。琴子が妖怪に迫った、恐怖の踏み絵とは。この短さに、ある意味このシリーズのすべてがある。だめだ、苦笑が止まらねえ。
やや長い最後の第五話。また雪女? 現代に剣術を受け継ぐ青年が語った、開祖や弟子の伝説、そして悩みとは。琴子はまた納得できる理屈を捏ねるのだが、ほぼ剣豪の物語じゃないか。これはこれで、独立した話として読んでみたいぞ。さて、冷徹な現実解と、浪漫ある虚数解と、どちらがお好き?
十分に長編にアレンジできそうな第一、三、五話と、挿話的な短い第二、四話のバランスが、なかなか絶妙な短編集と言える。第二、四話では九郎がいい味を出しているし。恋愛要素に期待しすぎると、がっかりするかもしれない。 -
ネタバレ 購入済み
ハマってしまいました
始まりはスマホの広告を見て試し読みした漫画でした。内容に惹かれ小説版を読み始めたら止まらない止まらない(^.^)「可憐にして苛烈なおひいさま」の虜です。美しい西洋人形とも紛うお姿で、下ネタ&DV全開の夫婦漫才(?)を恋人と繰り広げて笑わせてくれますが、お互いを大切に思っているところが言葉や行動の端々に見えて微笑ましいです。一見自己中心的ですが、周囲に迷惑をかけないよう気遣っている様子も垣間見えます。今後の展開が楽しみなようで怖いようで、それでも楽しみです!この短編集では第一話と最終話が雪女の話でちょっと心配したのですが、予想を裏切られハッピーエンドでよかったです。
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購入済み
相変わらず秀作
なかなかに入り組んだ話だから、ちゃんと読まないと話がわからなくなる。でも、それぞれの思いが垣間見える良い物語だった。九郎君も心に何かあるのかなぁ。君の顔が見たいなと思う作品。やっぱりこの原作者はいい。
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Posted by ブクログ
妖が事件を目撃せず、犯人の独り言も拾えていない為にいつものように調査を始める段階で真相を知る形が取れなかった今回の事件。真相究明の鍵は唯一生き残った丘町、そして現場に居合わせた六花の内心にこそ有った。それにより真相究明を難しくなっただけに、六花が全ての真相を明かした瞬間から始まるどんでん返しにはかなり驚かされたよ
真相に至る手掛かりは関係者の心の内にしか無い。だから物証を手掛かりにそれを探っていくしか無いのだけど、そういった方法であるためにどうしたって誤認が生じやすい。今回の事件では初期段階で決めつけた誤認が最後まで琴子たちを縛り付けていたように思える
六花や九郎は瓶詰めの手記により丘町の考えを読み違えた。琴子は最後の瞬間まで六花の企みに気づかなかった
手記による勘違いは事件の真相を推理する上では真っ当な勘違い。それ自体は致命傷を負うものではないし、ああいった勘違いが有るからこそミステリは面白くなる。そう思えるものだね
でも、琴子がしていた勘違いは致命傷となりうるもの。六花を鋼人七瀬事件の黒幕として認識し、その後も何かしらやってきていたという認識が有ったからこそ、今回の事件においても何か仕掛けてくると決めつけていた
だから琴子はキリンの亡霊が表沙汰にならないよう、そして六花が仕掛ける余地が全く生じないように完璧に立ち回った。それが裏目に出てしまった
丘町への処遇。これは『スリーピン・グマーダー』解決の際にも見えた傾向と同じものだね
音無会長が妖の力を頼った事を後悔させる為に掘り起こす必要のない殺人を琴子は眠りから覚ました。今回も現実の亡霊に襲われた者達の問題を幻想の亡霊に襲われたという形にし、更には最後の関係者を死に誘った
琴子は妖達の秩序の神として最も正しい選択をした
あまりにも正しいから、そこには罠が待ち構える。琴子は妖の味方になったとしても人の味方になることはない。なら、半端に混ざりあった九郎と六花に対してはどうなるのか?そこをこそ、六花は鋭く突いたわけだね。
六花が語る琴子への追求はじっくりと毒の効き目が現れていくような代物。最初は琴子が秩序の番人として秩序を最も重視しているという点の念を押している。その上で自分達は許容されない存在であるから琴子は私達を排除しなければならない。その時、果たしてどう思うのか
それらをじっくりと琴子に突き付けていったわけだ
琴子は何も間違えない。間違えないが為にいずれ至る正しい未来も想定できる。秩序を保つ機構であれば恐れるもののない未来。けれど岩永琴子が岩永琴子である限り、恐れを感じてしまう未来
そこにこそ秩序の神・岩永琴子の敗北がある
まさかこういう展開になろうとは……
琴子に負け続けていたかのような六花が仕掛けた必中の罠。秩序の神が秩序を破るかもしれない可能性。今回の敗北は琴子をいずれ破滅させるものになるのか、それとも九郎を失う破滅から救うものになるのか?果たしてどちらの意味を持ってくるのだろう
それにしても、この段に来てもぽや~とした顔を崩さない九郎は一体何を考えているんだ?六花が語る未来の光景を全く想像していなかったわけではないだろうし、その上で琴子の傍に居続けようと考えているのだろうか?いずれ小説版も読まねば… -
ネタバレ 購入済み
想像力の怪物
鋼人七瀬の正体は想像力の怪物。
想像力により形造られた意思を持たない怪物。
それ故に説得は無理、力づくで退治しようとも、人がそういう存在を望む限り何度でも復活する。
鋼人七瀬を退治する方法とは…