秦建日子のレビュー一覧
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購入済み
人間関係を解く
『推理小説』『アンフェアな月』そして今作と、
雪平刑事シリーズに順調にハマっています。
とてもシンプルに見えた人間関係が絡まり合い、事件となり、解けていく様子は流石としか言いようがありません。
人間関係というミステリ、人というミステリを書いてると感じる作品でした。
主人公やいつものキャラクターへの愛着もあるのですが、
ふと出てくるキャラクター、年齢や性別も違う定年退職した刑事などにも共感を抱かせられます。
今作では落ちの部分が
ややリアリティに欠けるなぁと個人的には思ったのですが、
シリーズ3作め、またしても一気に読んでしまったことが
論より証拠の☆5つです! -
購入済み
シリーズ1から
シリーズ1作めにあたる『推理小説』を読んで、とても面白かったので、即DL。
今回も一気に読みました!
キャラクターもたっているし、
ストーリーも飽きさせないし、
テンポが良いため、300ページというやや短めのボリュームがさみしく感じるほど、
あっという間に読めてしまいます。
シリーズ1もそうだったかと思いますが、
ミステリーとは言っても、トリック謎解き作品ではなく、
人間関係に重きをおいてストーリー展開されているのは女性作家さん(?)ならではと感じました。
すでに次の作品も購入済みです。
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購入済み
おもしろい!
とにかく一気に読み終わりました!
謎解きを読者とフェアに行うという推理小説の大前提が『推理小説』をつまらなくしてるんだ、
リアリティがなくなってるんだ、という書かれ方をしています。
作者と謎解きを競いたい方向けではありませんが、
純粋に小説を楽しみたい人なら楽しめると思います。
リアルな人間のあやふやさ、
小説の中のキャラクタライズされた人物と、現実の人間はちがうんだというテーマがすごく心に残って
小説としての面白さと同時に、考えさせられるなぁ…と思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「アンフェアなのは、誰か」
立て続けに起こる殺人現場に残された本の栞。
そして出版各社に届けられた“推理小説”なる原稿には犯人のみが知り得る事件の詳細と、殺人予告が書かれていた。
「事件を防ぎたければ、この小説の続きを落札せよ」
無駄に美人な敏腕刑事、雪平夏美と、それに振り回される若手刑事、安藤一之のやり取りが面白い。のはバディ・ムービー最低限のルール。
この小説が更に面白い理由は、物語の視点である主観がコロコロと変わるどころか、雪平の捜査する現実世界と、犯人が書いているであろう小説の内容とが
平行して描かれていくという実験的な手法が用いられているから。
著者は「救命病棟24時」や「天体観測」といったテレビドラマの脚本も手掛ける作家でもあるためか、文体はいわゆる推理小説よりも脚本に近いのかもしれない。本編中に作者の呟きや、登場人物のテレビドラマで言うワンカットの(一方そのころ的な)短い描写が挿入されていて、それが読み手を更に混乱させて謎にハマっていってしまう。
作中の事件は推理小説というものの定理やルールを厳守する犯人が“アンフェアなのは誰か”という問いかけで警察やマスコミ、世間に対して挑発していく劇場型犯罪。
事件を未然に防ぎたければ「推理小説」の続きを落札しろと要求してくる。
警察は犯人に対して要求を飲むことは当然出来ず、出版各社は競い合うように話題騒然、前代未聞のベストセラー争奪戦を繰り広げようとする。
続きが読みたいと煽る世間。更にそれを煽るマスコミ。
買い付けのタイミングを測り、次の殺人予告が完遂されるのを待つ出版社。
事件解決に奔走する警察の努力を他所に、世界は異様な盛り上がりを見せる。
納得のラスト、とまでは行かないが、爽快な気分で本を閉じることが出来た。
劇中劇(小説)と雪平のひた走る現実世界のリンク。犯人の用意周到な計画と才能。不思議な構成で進行する物語。
どれもが新鮮で、少しアンフェアな推理小説。
酔っ払うとタチの悪い雪平が、ある男を「コーヒーを一杯だけ飲んでいけ」と部屋に誘うのだが、出てきたのは焼酎で、「えっ?コーヒーは?」と言うシーンがある。
クライマックス近くで重要なシーンだったのだが、全体の緊張感漂う中にちょいちょい入るこういったやり取りがまたズルくて堪らない。
秦建日子、その他の著書
・HERO
・チェケラッチョ!!
・アンフェアな月 - 刑事 雪平夏見
などなど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ愛娘にさよならを
アンフェアシリーズ四作目
前作で犯人の銃弾により重傷を負った夏見。その続きから物語が始まる。
何とか一命取り止めたが左半身に麻痺が残るような重傷を負ってしまい、部署も今までと違った場所で勤務することになった。仲良くなった部署のメンバーや、面倒見の良い上司のおかげで少しずつであるが、夏見も生活を取り戻していく。
そんな上司の家で餃子パーティーを開き、メンバーが帰宅途中、怪しげな男が上司の家に向かうのを目撃し、そこで上司が惨殺されている姿を目撃してしまう。夏見は犯人立ち向かったが武器もなく返り討ちに遭い、さらなる怪我を負ってしまう。
誰からも愛されているような警察官が、なぜ殺害されなければならなかったのか。
そして、まるで幼い娘が書いたような謎の書き置きにどのような意味があるのか。夏見は満身創痍の中で犯人の追求と、自身の家庭の問題を解決するために、精力的に行動を回開始する。
前作終盤が夏見が打たれた場面で終わり、続編でどうなるか気になったが、繋がりを持ってスタート。相変わらず夏見は不器用で、美央の夏見に対する様子は変わらないが、佐藤家の義父は一切の交流を断絶し、美央を養子に向かい入れ夏見にこれ以上美央と関わらない様に要する。一方で夏見は親権を得るために上司の島津から紹介された女弁護士とコミュニケーションをとり、自分自身変わろうと努力する。
トリックについて叙述トリックの応用であり、ある意味でこの様なやり方は他のミステリーでも既視感がある。ただし、読み進めるうえで大きな破綻はないので少しの不満だけ持って楽しむ事ができた。
(佐久間の家にクレームで来ていた爺さんの正体は?これも犯人の変装だとなるのであれば他の変装に比べてばかばかしすぎる様に見えるが、一方、犯人が元々演じた役という事もあり、犯人の年齢を考えると妥当なのかなぁ)
結末はもはやマンネリ化している印象で、今回もこの様な結末にしなくても良いと思うし、他の警察官達の判断も気になってしまう。
事件の背景はあまりにも切ない父親と娘の関係があり、門田夫妻がこの後ショックを乗り越えていけるかは気になる部分だ、
さすがに夏見に試練を与えすぎだろうと彼女への仕打ちにうんざりしながらそれでも前を向き続ける狂気じみた生き様に感嘆する。美央は余りにも不幸な人生だが母親を理解し、母親を求めている。次回作で二人の関係がどうなるか楽しみであり、また、男女の変態コンビである安藤との関わりがどうなるかも楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
殺してもいい命
アンフェアシリーズ三作目。前作までを読んであれば今作冒頭からの衝撃に驚くばかり。被害者は雪平の元夫。犯人はフクロウを名乗る猟奇的な殺人者で、まるでビジネスの様に殺人を犯す。
元夫佐藤は再婚しており新しい奥さんの由布子は義娘の美央を育てる決心をしており、さらには雪平にある提案をする。雪平はしばし人間らしい生活を手に入れるが、衝撃的な結末で結ばれる。
猟奇的な殺人犯が登場し、三人目までは三十万、四人目以降は三百万、十人目以降は三千万、合計二十人まで受け付けます。というチラシを被害者の口に押し込んで残して行く。警察の捜査は後追いになってしまい、有意義な情報が得られ無いまま捜査は難航、全く手掛かりの無いまま時間ぎ過ぎていく。
今回、夏見には救いがある様に見え、元夫の死という悲劇を通じて美央や由布子との繋がりを育んでいる様に見える。夏見自身も感情の変化など少しずつ変わっていく部分が見えたが、結末に至りやはり雪平夏見には試練が付きまとうのだと理解する。
警察ミステリーにおいても刑事自身にこれ程の試練を与えるシリーズは数少ないと思うし、この後に夏見がどの様に変わっていくのか、そして美央との関係はどうなっていくのかが気がかりである。
真犯人については他のミステリーであれば流石に狙い過ぎてると思ってしまうが、アンフェアシリーズであればこのくらいの衝撃が心地よい。また、殺人の手法についても他のサイコパスやスプラッター系のものと比べ、登場する殺人犯の設定がとても魅力的である。また、途中挿入されている様々な回想の中の事件警察が、当然現代の殺人のヒントになる訳だが叙述トリックなど活用して面白くされている。身元不明の遺体が受け持つ役割も見事だった。 -
Posted by ブクログ
刑事雪平夏見シリーズ二作目。
前作の事件解決も冷めやらぬ中、乳児の誘拐事件が発生。誘拐犯の要求は常軌を逸する内容であり、警察達は犯人に振り回される。
何故犯人はこの様な要求をしてくるのか、最終的に真実が判明し、動機の部分などとても面白い内容になっている。
雪平は相変わらずの様で前作の様な結末になってもいつも通りの印象。誘拐事件に対してセオリーを逸した対応をする一方、前作の結末により更に有名になってしまっており犯人の要求も雪平を要望して進んでいく。
途中、娘の美央とのやりとりのシーンもあるが、あのお部屋で、まるで人見知りの様なやりとり、ぎこちなさが読んでいて切ない。元旦那の和夫目線での夏見との出会いの回想シーンもあるが、前作では存在感が小さかった彼からの目線によって、和夫、夏見、そして美央との関係性がみえてくる。
(今更気がついたが雪なのに「夏見」なんだなぁ)
アンフェアシリーズ立て続けに読んでいるが、雪平夏見という刑事が徹底的に試練を受けている様に見えて、実は彼女をある程度理解している人達も多く、安藤なんかもバディとして成長してきている。(雪平から見れば物足りない様だが)
今回も無駄に美人と揶揄される用に彼女の生き様がありありと表現されていて、優秀な刑事でありながら不器用な部分、人としてあまりにも冷酷に見えてしまう部分も多い。元旦那が彼女に未練はなくとも「潤いがあるのか、夫、娘を失ってまで手に入れた正義の果てに何を手に入れたのか」と哀れんで(読者によって捉え方は違うだろうが)いる部分が余りにも印象的だった。
ミステリーとしても面白く、動機に関しては似た様な理由は中々見つけられない。読みやすく結末に向けてどんどん盛り上がっていくのでとても楽しめる作品だ。