秦建日子のレビュー一覧
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秦建日子『マイ・フーリッシュ・ハート』河出文庫。
書き下ろし作品。一流広告代理店で働く25歳の井川優子を主人公に、実在した日本人初メジャーリーガー、マッシー村上を巡る奇跡の物語。読後は爽やかな気分になった。俺も一つ馬鹿になってみるか!
我が故郷出身の大谷翔平がメジャーリーグで大暴れする昨今、日本人初のメジャーリーガーは野茂英雄ではなかったのかという驚き!てっきりマッシー村上は著者の創作かと思っていたのだが、巻末にマッシー村上のインタビューが掲載されており、びっくり仰天。
パワハラと激務のせいで仕事中に倒れ、精神科を受診した井川優子は変わり者の精神科医・小畑と知り合い、日本人初のメジャーリ -
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刑事・雪平夏見シリーズ第5作。
外務省職員が車に轢かれそうになった人を庇って死ぬ。庇われた人物は消えている。1時間後、危険ドラッグでラリっている暴走犯が捕まり、一件落着。それを目撃していたのは外務省職員の部下とその婚約者。その婚約者はケータイ店員で、雪平夏見が親権を取れず別居している娘とLINEするためにスマホを買いにいったときに対応し、雪平を刑事と知って事件の相談をする。捕まった犯人は運転していた人と違うというのだ。
前々作で撃たれて左腕の動かない雪平はなぜか新宿署の組織犯罪対策課に異動となる。同時に署長に異例のキャリア組が異動してくる。暴力団対策と危険ドラッグ。韓国へのヘイト運動が描 -
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ネタバレ‹内容紹介より›
外務省職員が犠牲となった轢き逃げ事件。ただちに犯人として危険ドラッグ常習者が逮捕される。しかし、新宿署に異動した雪平のもとに「警察が逮捕したのは全然違う人だ」という目撃者からの電話が……。やがて事件を追う雪平と仲間に悲劇が襲いかかり、真相を暴くため、彼女は海を渡る。ベストセラーシリーズ、最新作!
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チーム雪平もそれぞれに異動し、林堂と雪平は警視庁から離れることに。
新宿署に異動した雪平でしたが、美央とのLINEを行うためスマホを購入しに行ったドコモショップの店員から、思いがけない目撃情報を得、独自に捜査をすることに。
事件の捜査に「チーム雪平」の面々を巻き込みたくない -
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‹内容紹介より›
「ひとごろし、がんばってください」--幼い字の手紙を読み終えると、男は温厚な夫婦を惨殺し、水に沈めた。「ひとごろし、がんばりました」というメッセージ。二か月前の事件で負傷し、捜査一課を離れ、娘・美央からも引き離された雪平は、娘への想いに揺れながら、再び捜査へ……。
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前作で、犯人に銃口を向けながら、撃てなかった雪平は、逆に銃弾を3発浴び、左腕に麻痺が残ります。
捜査一課から警務部監査官室へ配属となり、事務作業を担当することに。そこでの上司の家で行われたパーティーに招待され、新たな職場を楽しみ始める雪平。しかし、そのパーティーの直後、上司夫妻が惨殺され、犯人を目撃しつ -
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ネタバレ雪平シリーズ第三弾。
発見された死体の口に入っていたチラシ。
「殺人ビジネス始めます」
フクロウと名乗る人物が20人限定で殺人を請け負うという。
次々に殺される被害者には接点はなく捜査は難航する。
ドラマ『アンフェア』の原作ですが、ドラマにはなかったストーリー。
というか原作とドラマは別物という感じです。
同じなのは雪平だけ…かな?
他の人物は、キャラクターも設定も異なってるかなと。
時系列がバラバラに出てくるので少し混乱してしまうところがありましたが…最後に全部がつながる瞬間は爽快です。
ラスト20ページくらいで、どんでん返しが2回あって、見事に騙されました。
こういう感じ、好きで -
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『愛娘にさよならを』というタイトルを見ただけで、今度は、雪平夏見の娘・美央が殺されてしまう話ではないかと思う。で、それは作者の策略なのだろうとも思う。
例によってプロローグはとても映像的。ドラマの主題歌部分でさわりをカットバックしているような感じ。4つの断片が並べられている。まず、『殺してもいい命』の最終場面の続き、犯人に撃たれた雪平のもとに駆けつける同僚たちのショット。孤独な少女が、メタボな野球おじさん、足の悪い老人、ちょっと怖そうな解体工、そして「あの人」に手紙を書くというエピソード。水死体で見つかる老人の事件。そして、雪平の緊急手術後、執刀医が雪平の左手がもう動かず刑事を続けられな -
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殺してもいい命、とは挑戦的なタイトルだ。プロローグでは、父親の無理心中に巻き込まれる姉弟のワンシーン。犯人の不幸な生い立ち? この作者は、恐らくそう思わせて外してくるだろう。いや、裏の裏をかくかもしれない。まったく油断ならない。
本編。他殺体が発見され、林堂警部補が現場に向かう。前作では誘拐事件などを扱う特種班のチーフだったが、2年後の現在は捜査1課に異動している。第一発見者は被害者の元妻だが、妙に冷静な応対が奇妙だ。死体の口にはチラシが差し込まれている。「殺人ビジネスはじめました」。林堂は元妻の事情聴取にはいる。実は、第一発見者の名は雪平夏見。雪平は別れた夫の死体を発見した状況を語りつ -
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まだ若い男が、癌で余命幾ばくもないことを同年代の医師から宣告される。医師にとって癌の告知は初めての経験で、むしろ彼のほうが動揺している。他方、患者はそれ以後、ぷつりと来なくなる。ある日、医師のマンションに来訪者がある。そこに立っていたのはその患者。手には凶器を持って。
プロローグでそんなエピソードが綴られるが、本編で起こるのは誘拐事件である。0歳児が誘拐されるが、母は取り乱していて、事情が十分わからない。離婚しており家族もいないので、他に事情を聞ける人もいない。男性の刑事を受け付けず、雪平夏見が呼ばれる。雪平はまず狂言を疑うが、誘拐犯からの電話がかかってくる。しかしその犯人は何ら具体的な