秦建日子のレビュー一覧
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ブクレポタイトルは、作品の副タイトルからつけました。
いいネーミングだと思いましたので…。
この作品は、今年の夏、TBSドラマで放映されていたので、記憶にまだ新しい作品だと思います。なんて、偉そうに言いましたが、実は私はドラマを見ていませんでした。
ドラマがあるというのは知っていたのですが、みごとにその時間、見逃していました。やっと、原作を読見終えることができ、読後感は最高でした。
標高2500m超える山の中の厳しい環境に実在する小さな診療所の物語です。北アルプスに夏の間だけ開設されるその診療所は、創設者の小山が「山で亡くなる人を観たくない」と切実に思い、山小屋の診療所に勤務してくれる医 -
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1歳の息子を連れて捜査に乗り出すシングルマザー高子。
そのベビーシッターとしてコンビを組まされた葵。
二人の掛け合いも面白いのですが、なんと言っても高子が息子連れの捜査を非難される度に出てくる、具体的数値が面白い!
なんの数値かと言うと、子供を預けて捜査に出るとしたらどれだけのお金がかかるのかということ。
高子は刑事でシングルマザー。
保育所に預けるとしてもそれ以外にベビーシッターなども必要。
それらを全てまかなおうとすると、高子の計算によると1ヶ月
30万6千3百円(←妙に細かいのもツボ)。
払えませんよね~。
そういうのを世の男性(とか子供の居ない女性も)は分かってないなと突きつける訳 -
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42歳の会社員と17歳の高校生、大手出版社の編集者……全く面識のない人々が相次いで惨殺された。事件をつなぐのは「アンフェアなのは、誰か」と書かれた本の栞のみ。そんな中、警察と主要出版社に『推理小説・上巻』という原稿が届く。書かれていたのは犯人しか知ることの出来ない事件の詳細と殺人の予告、そして「事件を防ぎたければ、この小説の続きを落札せよ」という前代未聞の要求……ミステリの既成概念を破壊し、リアリティの迷宮へと誘う超問題作!
確かに問題作です。犯人の立場で二度読み返すと非常に面白いですね。作者の思惑だしょうが、なにげないヒントが散りばめられています。新鮮な作品だと思います。 -
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舞台「Change the World」を観たことがきっかけで手にとった1冊です。
3部作になっていて、第一部がこの『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』。第二部が『Change the World』。第三部が『Across the Universe』で完結になるようです。
「これは戦争だ」――恵比寿、渋谷で起きる連続爆弾テロ。第3のテロを予告し首相とのテレビ生対談を要求する犯人の目的とは?
まず、クリスマス前の東京恵比寿で爆破テロが発生します。
犯人の要求は「日本の首相とテレビで生放送対談をすること」。そして「これは戦争だ」というのです。
しかし、首相は「日本 -
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シリーズ第2作。
前作の渋谷の爆破から2年が過ぎ、ハチ公像も再建され、世の中は平静を取り戻している。
前作で活躍した渋谷署地域課の世田も本所南署刑事課に異動になった。
管内の錦糸公園で発生した小学校女性教諭殺人事件を追う中で、暫時預かった義理の甥も含む奇妙な繋がりに気づく世田。
前作の真犯人を模したAIを中心に世界中の若年層によって形成される世直しの動き。
古い世代の否定以外にその主張するところは今ひとつ明らかにされない。
これだけ犠牲者を出しているのだから、少なくとも暴力の否定ではないのだろう。
本書は東京ドームでのコミックイベント爆破を示唆して終わるが、次作は地球規模に拡がるか。