秦建日子のレビュー一覧
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「秦建日子」の連作小説『ザーッと降って、からりと晴れて(『明日、アリゼの浜辺で』を改題)』を読みました。
「秦建日子」作品は、一昨年の7月に読んだ『お父さんは二度死ぬ』以来なので、約1年半振りですね。
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「人生は、間違えられるからこそ、素晴らしい」
リストラ間近の中年男、駆け出し脚本家、離婚目前の主婦、本命になれないOL――不器用な人たちが起こす小さな奇跡が連鎖する、感動の連作小説。
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連作小説… と紹介されていましたが、それぞれの話にオチがあるわけじゃないので、5章構成になっているひとつの物語… って、感じでしたね、、、
それぞれの物語が関連しているんだけど、時系列に並んでいないのがポイントかな… 最後になって、登場人物の相関が理解できて、あー っ、そういうことかぁ と、納得できる展開でした。
■エレベーター
■「犯人は、ニューカレドニア」
■ニュー彼は、トニー
■「きょう」は「ひきょう」の「きょう」
■「ハッピーエンド」
早期退職を迫られている55歳の男性会社員、なかなか芽が出ないドラマ脚本家、離婚目前のキャリアウーマン、いつまでも彼氏の本命になれない30歳のOL… 一生懸命生きているけど、ちょっと不器用な人たちに起こる、小さな奇跡が、ニューカレドニアをキーワードに連鎖していきます、、、
最終話の『「ハッピーエンド」』に向けて、うまーく物語が収斂していく感じ… 軽く、さらっと読めて、ちょっと感動できる作品でしたね。
家族の在り方や、恋愛について、そして、生き方について、ちょっと考えさせられました、、、
ザーッと降って、からりと晴れる、という南太平洋のスコール… 時たま、わっと泣く。あとは笑顔で過ごす。 そんな、メリハリのある人生も良いかもね。
『天国に一番近い島』で知られるニューカレドニア… 行ってみたいなぁ。 -
Posted by ブクログ
「秦建日子」の『ファイアマンの遺言』を読みました。
『刑事 雪平夏見 愛娘にさよならを』、『ダーティ・ママ、ハリウッドへ行く!』に続き「秦建日子」作品です。
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消防士が残したメッセージとは!?
建設中のアパートで何者かに車が放火された。
決死の消火活動が行われるも、突然の爆発により消防士の「峯岸健文」が殉職してしまう。
果たして犯人は誰か。
遺された者たちはそれぞれ動き出す……。
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観てはいないのですが… 2015年(平成27年)に放映されたドラマ『HEAT』の原作のようです、、、
放火された建設中のアパートの消火活動中に殉職した消防士「峯岸健文」の妻「亜希」、放火に合ったアパートの建築主「庵野久仁子」、放火犯とその妻… 同じ庄和市(しょうわし)に住み、直接的・間接的につながりを持つ人物たちの、微妙な心理状態が巧みに描写されており、物語の中に入り込みやすい作品でしたね。
建設中のアパートに停めてあった車が何者かに放火された… 消火活動中、突然の爆発で消防士「峯岸」が殉職してしまう、、、
夫を失った妊娠中の妻「亜希」と近所の住人たちは消防団「夜回り隊」として真犯人探しに乗り出す… 一方、「峯岸」が乗っていた車の買取い取りを担当するディーラーの「吉岡」は、車内で遺書を発見した。
そこには「峯岸」の秘めた決意が書かれていた…… ひとりの勇敢な消防士の死をめぐる、遺された者たちの葛藤と再生の物語、、、
「栗原秀樹」と、その妻「智子」の微妙な心のすれ違いから発生したさざ波が、徐々に大きくなり、周囲の人々を巻き込むような大波になってしまったんですよねぇ… 仕事で疲れた夫と、家庭や近所付き合いのことで疲れた妻のすれ違いって、どこでもありそうなことだけに、同じようなことが身近に起こっても不思議じゃないな と感じましたね。
ちょっとだけ相手のことを思いやる、ちょっとだけ利己的な考えを抑える… その、ちょっとだけ の積み重ねが大切なんだと思います、、、
「峯岸」の生き方に感動できる作品なのですが、消防士のことが過度に美化されている印象が残るところだけは、ちょっと違和感の残る作品でしたね。 -
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「秦建日子」の『サマーレスキュー ~天空の診療所~ 』を読みました。
『ダーティ・ママ!』、『インシデント 悪女たちのメス』に続いて「秦建日子」作品です。
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北アルプスに夏だけ開設される山の診療所。
四十年前に開設された、その小さな診療所を舞台に「医療とは」「命とは」という問いに悩み、成長してゆく若き医師やナースたちの姿を描く。
文庫書き下ろし。
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北アルプス中央に聳える稜ヶ岳と鷹羽岳の鞍部に建つ稜ヶ岳山荘… そのこじんまりとした山荘の片隅に夏だけ開設される稜ヶ岳山荘診療所での医師やナースたちの活動を描いた作品、、、
診療所が開設された1972(昭和47)年から物語は始まり、20年後の1992(平成4)年、さらに20年後の2012(平成24)年の三つの章から構成されています。
■第一章 1972(昭和47)年
稜ヶ岳山荘の従業員「小山雄一」は山で亡くなる人を一人でも減らしたいと考え、山荘の診療所開設に奔走し、東京で心当たりの医師たちに依頼をするが、協力してくれる医師はいなかった。
その帰路、「小山」は、全くの素人の登山者を遭難寸前のところで助けて山小屋に連れ帰った。
彼は「花村孝夫」という医師で、「小山」に恩返ししたいと、一年後の夏、山荘に医師としてやってくる… その後、自分たちの手だけによる山荘の診療所を開設した。
■第二章 1992(平成4)年
大学病院で担当教授の指導に納得行かずに、鬱々と仕事をしていた若き医師「倉木泰典」は、同期の親友医師「沢口哲夫」に、自分の担当教授「花村」を紹介され、稜ヶ岳山荘診療所に勤めることになった。
看護師の「平原あかり」と診療所で活動しはじめるが、自分の山を知らない診療が大きな事故に結びつく… 「倉木」は責任を感じ、自ら滑落して重症を負った女性を助け出し、暗い診療所の中で夕陽の明かりを使い縫合を行い手術を成功させる。
■第三章 2012(平成24)年
稜ヶ岳山荘の主人となった「小山」の姪「遥」は、山荘に向かう途中で、「倉木」から山荘の診療所の臨時医師を頼まれて、水も十分に持たずに登山している「速水圭吾」と出会う… 「遥」は、「速水」に向かって「もう立派な遭難者」だと注意し、一緒に診療所に向かう。
「速水圭吾」は、大学病院で心臓外科の若いエースと言われていた医師だが、翌日に起こった滑落で左下腿骨を開放骨折した男性と、肺水腫で苦しむ女性の、二人の診療に対して、どちらを優先して搬送するか決断できず、「倉木」に判断を委ねる。
肺水腫の女性を先に搬送した後、医者としての自分の役割に気付き、徹夜で男性の止血をする。
とても読みやすくて、面白かったので、一日で読み終えたのですが、、、
あまり感動がなかったんですよね… なんだろうなぁ。 -
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〇クリスマスに起こるむごたらしい爆発の犯人像が浮かばない
クリスマスプレゼントを買いに行ったおばあさんがベンチに座ると、男がやってきて
「立ち上がると爆発しますよ」と言い残していったところからこの物語は始まる。
座る人間が変わったのち、ほどなく通報され機動隊がやってきて、そして、液体窒素をかけた瞬間、爆発した。
犯人は声明文で、首相と対話させなければ、次は本物を爆発させる、と宣言する――
渋谷のハチ公前で爆発すると予告されたが、機動隊はその処理はおろか、見つける事すらかなわない。気づいた時にはもう遅く、多くの、無関係な一般市民が巻き込まれてしまう大惨事が描かれる。
その中で異質なことはいくつもあり、
予告VTRに出演した男性と共に行動していた女性は行方不明、行方を追った先ではさらに爆発、謎のノートが残されている。
現場付近をうろうろしていた須永の不審な行動。
そもそも、犯人の目的が警察も読者もつかめないまま進んでいく事件。
再び東京のどこかわからないところでの爆破予告がされ、いったいこの事件は解決されるのだろうか。
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事件の真実に近づくために、無鉄砲ではあるものの、刑事の世田と友人の印南が爆破で失明してしまった高梨の行動力が欠かせない。
2人が交わったとき、事件は回転し別角度から解決に向かっていく。
謎が始終多い。
一番は須永の行動の不審さが際立つ。犯人だと思ってくれと言わんばかりに。
犯人が犯人として気持ちを語っている場面がまったく誰の口からも語られない(警察ですら犯人像をつかみきれない)ので、誰が犯人と推測するのも難しいのだが、タイムラインも少し入り組んでいることを念頭に、戻ったりしながら登場人物の関係を整理して読むのをお勧めする。
ただし、真実は最後までわからない。
息を飲みながら読み続けてほしい。
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コロナ禍になってから東京には行っていないが、書いてある通りの爆発が街で起こったら、起こる前に身を守る行動を取ることができるだろうか。
秦建日子氏は、雪平刑事シリーズ・アンフェアの原作者でもある。
人間の暗部を、そして爆破のむごたらしい様子を、いずれもありありと表現されていることにも注目して読みたい。 -
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クリスマス目前の12月22日に恵比寿で起きた爆弾テロ。
犯人の要求は首相と生放送での対談。
次の爆弾は渋谷駅のハチ公前と予告されたが、首相はテロには屈しないと要求を拒否。
予告の日、渋谷駅のハチ公前は野次馬で溢れ、最悪の事態が起こる。
平和な日本で起きた爆弾テロ。
取材に行くテレビ局のスタッフ。
偶然居合わせた人たち。
テロの実行役にされてしまう人たち。
面白半分で見に行く野次馬たち。
さまざな立場の人が登場し、誰が主役とも言えないストーリーの進み方が逆にリアル。
まさかと思うことが起こり、急に迫ってくる恐怖感。
ラストは予想外で、ぞわっとしました。