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Posted by ブクログ
面白い。
フジテレビでドラマ化された『アンフェア』と同一の主人公が出てくる作品ですが、TVドラマの原作は、このシリーズ1作目の『推理小説』で、この作品はドラマには使われていない。むしろ、ドラマの方はドラマの方で、オリジナルシナリオで進んでいたら誌です。
さてこちらの話。やはりTVドラマの影響は免れず、雪平夏見には篠原涼子の姿を重ねて読んでいるんですが、それはそれで一興です。まぁ、おなじ女刑事が主人公の姫川玲子に竹内結子の姿を重ねるのと同じですね。
いやぁ、それにしても、事件の結末がね、あんな感じだとは。二重三重に、トラップが重ねられている作品でした。
Posted by ブクログ
まだ若い男が、癌で余命幾ばくもないことを同年代の医師から宣告される。医師にとって癌の告知は初めての経験で、むしろ彼のほうが動揺している。他方、患者はそれ以後、ぷつりと来なくなる。ある日、医師のマンションに来訪者がある。そこに立っていたのはその患者。手には凶器を持って。
プロローグでそんなエピソードが綴られるが、本編で起こるのは誘拐事件である。0歳児が誘拐されるが、母は取り乱していて、事情が十分わからない。離婚しており家族もいないので、他に事情を聞ける人もいない。男性の刑事を受け付けず、雪平夏見が呼ばれる。雪平はまず狂言を疑うが、誘拐犯からの電話がかかってくる。しかしその犯人は何ら具体的な要求をしてこない。
推理小説ではフーダニットだとか、ホワイダニットだとか、謎の焦点で分類するいい方があるが、これは、誰がそれをやったか、なぜそれをやったかも謎ではあるが、そもそも、「それ」、すなわち事件そのものが何なのかが謎。いうなればホワティットである。もちろん一見して誘拐事件なのだが、プロローグの記述は、誘拐が本質ではないということを強烈に示唆しているというわけだ。しかしさっぱり読めない。筋が読めないので、話の先へ先へと読むしかなく、そうなるともう作者の手の内だ。事件の真相が明らかになると「やられた!」という感じ。脱帽です。
雪平夏見の強引な、あるいは奇妙な捜査が前作よりもよく描かれ、その過去についてちょっと語られ、娘との関係も少し描かれ、この個性的な刑事の肉付けがさらになされている。しかし、まだなんだか断片的で、雪平の人物像は焦点を結びきらない。連作を重ねるごとに人物が掘りこまれていくのだろうか。
「アンフェアな月」の含意について明確な説明はない。月にまつわるアンフェアな理科の問題が事件解明の端緒となるのではあるが。人生の不公平、それを静かに見下ろす月……含蓄のあるタイトルなのかもしれない。
シリーズ1から
シリーズ1作めにあたる『推理小説』を読んで、とても面白かったので、即DL。
今回も一気に読みました!
キャラクターもたっているし、
ストーリーも飽きさせないし、
テンポが良いため、300ページというやや短めのボリュームがさみしく感じるほど、
あっという間に読めてしまいます。
シリーズ1もそうだったかと思いますが、
ミステリーとは言っても、トリック謎解き作品ではなく、
人間関係に重きをおいてストーリー展開されているのは女性作家さん(?)ならではと感じました。
すでに次の作品も購入済みです。
Posted by ブクログ
刑事雪平夏見シリーズ二作目。
前作の事件解決も冷めやらぬ中、乳児の誘拐事件が発生。誘拐犯の要求は常軌を逸する内容であり、警察達は犯人に振り回される。
何故犯人はこの様な要求をしてくるのか、最終的に真実が判明し、動機の部分などとても面白い内容になっている。
雪平は相変わらずの様で前作の様な結末になってもいつも通りの印象。誘拐事件に対してセオリーを逸した対応をする一方、前作の結末により更に有名になってしまっており犯人の要求も雪平を要望して進んでいく。
途中、娘の美央とのやりとりのシーンもあるが、あのお部屋で、まるで人見知りの様なやりとり、ぎこちなさが読んでいて切ない。元旦那の和夫目線での夏見との出会いの回想シーンもあるが、前作では存在感が小さかった彼からの目線によって、和夫、夏見、そして美央との関係性がみえてくる。
(今更気がついたが雪なのに「夏見」なんだなぁ)
アンフェアシリーズ立て続けに読んでいるが、雪平夏見という刑事が徹底的に試練を受けている様に見えて、実は彼女をある程度理解している人達も多く、安藤なんかもバディとして成長してきている。(雪平から見れば物足りない様だが)
今回も無駄に美人と揶揄される用に彼女の生き様がありありと表現されていて、優秀な刑事でありながら不器用な部分、人としてあまりにも冷酷に見えてしまう部分も多い。元旦那が彼女に未練はなくとも「潤いがあるのか、夫、娘を失ってまで手に入れた正義の果てに何を手に入れたのか」と哀れんで(読者によって捉え方は違うだろうが)いる部分が余りにも印象的だった。
ミステリーとしても面白く、動機に関しては似た様な理由は中々見つけられない。読みやすく結末に向けてどんどん盛り上がっていくのでとても楽しめる作品だ。
Posted by ブクログ
30代、バツイチ、子供あり、大酒飲み、タフ、捜査一課検挙率1位、犯人射殺2回、無駄に美人、雪平夏見シリーズの第二弾「アンフェアな月」。1作目の「推理小説」が面白かったのでこれも読んでみた。これも面白い。映像を観るようにテンポが速く、さくさくと読める。
生後3ヶ月の赤ちゃんが誘拐された。半狂乱の母親。前の事件で犯人を射殺した翌日、男性に拒否反応を見せる母親への対応人員として雪平は駆り出される。犯人の要求の意味は?話の相手に雪平を指名してくる犯人の狙いは?
誘拐犯は誰なのか?赤ちゃんは無事なのか。さらに見つかる6人の少女の遺体。同一犯によるものなのか。そもそもこの事件、どうなっているのか。
雪平刑事のかっこよさはなんだろう。正義の人というわけではない。人間的にはつかみどころがなく結果を出す職業人として優秀だが組織人としては失格である。昔風に言えば一匹狼。犯人を捕まえるためには何物も厭わない。そのために自分が殺されても構わないと考えている。その潔さがカッコいいのだろう。ただ犯人逮捕という結果だけを求めてブレずにとことん突き進む。組織に属していながら組織に縛られず高い実力を発揮するというのは世の公務員やサラリーマンの永遠の憧れ。昔からある伝統的な美学だ。しかしながら雪平自身は幸せなわけじゃない。娘との関係はうまくいかないし、周囲との関係も言うまでもない。そこがまた判官びいきの古い日本人の琴線に触れるのだろう。
雪平の別れた夫が出てきて、初々しかった馴れ初めを回想する。雪平がどうしてこのような人間になったのか、の説明が始まるのかもしれないが、個人的にはそれは不要だと思う。その人がこのような人になった理由は…などと簡単に説明できるほど現実は単純ではない。お話としては単純化された説明でも良いのかもしれないが、どうもね。そんなことで共感したいわけではなく、むしろそんなことよりその個性を思い切り爆発させて欲しいのだ。
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小説・文芸
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