笹山尚人のレビュー一覧
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パワハラの被害者側弁護士による解説書であった。
前半では典型的なパワハラの事例を取り上げながら、それぞれに対する法的・実務的な対応の道筋が丁寧に解説されており、パワハラの構造や加害者の特徴を把握するのに役立った。後半では、実際にパワハラが発生した際にどう動くべきかが、被害者・企業(使用者)の立場ごとに整理されており、読み手の立場に応じて実践的な対応手順を知ることができた。
私は被用者の立場であるため、特に「被害者として心が壊れる前に、何をすべきか」という点に意識を集中して読んだ。
その中で最も重要だと感じたのは、メモや音声記録などで客観的証拠を蓄積すること、そして我慢や自責の念に陥る前に信頼 -
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日本的組織の閉鎖性を感じさせる出来事として日本大学アメリカンフットボール部員による危険な悪質タックル問題が発生しましたが、本書を読むと企業という組織の閉鎖性がブラック企業の暗躍を助長させていると思います。組織内の絶対的な権力者に物を言えないような組織形態を当然に受け入れてします日本人の国民性を変えないといけない。日本という国、そしてわれわれ日本人は多様性すなわちダイバーシティを身をもって学習し、それを組織の体系づくりに活かさなくてはならない時が来ています。本書は個人がどうやって洗脳的集団と紙一重のブラック企業に対峙する方法、具体的事例が描かれていてとても勉強になります。文章も平易に書かれていて
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Posted by ブクログ
幾つかの事例をふまえて、パワーハラスメントの解説と打開方法、解決事例を紹介されている。
僕の経験からは、職場はパワハラ被害者を護ってはくれない。むしろ、(結果的にではあるが)『パワハラ』をしている側を養護する。
もちろんパワハラを推奨しているのではなくて、パワハラが起こっているのに信じたくないだけ、加害者の方が役職が上、という事なかれ主義で、結局は被害者が泣きを見る。
パワハラが起こっても職場としては対策に力を入れているフリて、「証拠がない」「思い違いでは?」と言っているのである。
著者は弁護士さんで、数多くの労働事件に関ってきておられる。
パワハラの定義としては一般的には『職場において、 -
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○労働審判や労働裁判等において、労働者の救済にチカラを注ぐ弁護士の笹山氏の著作。
○数年前から多く報道されるようになった「パワハラ」について、実際の事例を紹介しつつ、その原因、種類、対策法などを紹介したもの。
○パワハラは、外からは見えないことも多く、その多くは泣き寝入りしてしまうものが多いが、それに負けずに企業と戦っている労働者(及び弁護士等)の活動は、サラリーマンであればぜひ読んでおきたいもの。
○いつ自分が加害者になるか、被害者になるか分からないなか、このような実態を知ることで、周囲への配慮や協力体制を作ることができるのではないか。
○ぜひ、続編(他の労働紛争等)も期待したい。 -
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労働の法律が学べると書いたけど、俺の場合はほぼ全く知らない状態なので
全ての人が勉強になるとは限らない
著者は弁護士で自分が体験した事を書いてるので非常にわかりやすい
実際の裁判でこういう例がありましたというのがほとんどで読みやすい
そしてその中で労働法をきちんと守ってる会社はほとんどないと言ってる
そのことを指摘すると『法律をいちいち守ってたら、経営なんてできませんよ』と開き直る奴が多いらしい
訴えろ!!!絶対勝てるんだから
>どんなに非力な使用者であっても、人を雇う以上はこれくらいのことは守れるはずだということを前提に制定されてる。
そういう法律なんだと初めて知ったw
法 -
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ネタバレ世の中のことにとても疎いので読んでよかった。
印象に残ったワード「全体主義」「差別」「ファシズム」「水道法改正」「種苗法改定」「カジノ」「歴史修正主義」
コロナ禍だからこそ伝えたい「自由」と「権利」と「多様性」
p19「自由や多様性を守る」ということは、(コロナ禍で)マスクをしない人も、バーベキューをする人も、同じ社会で暮らす仲間として尊重するということ…せめて糾弾したり排除したりしないということ…自分たちの安全のためにどうしても行動を変えてもらう必要があるならば、その人の人権や生活が損なわれないよう、民主的な手続きを守りながら、理性的にお願いするということ
p17〜18 社会を民主的 -
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労働者は自分の労働以外に売るものがない=買ってもらわなければ生きていけない=契約の自由は名ばかりのものになる。
アルバイトも労働者。
労働契約は口約束で成立する。
社会保険とは、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険。
給与は全額を支給する。相殺の禁止。
損害の公平の分担=労働者を使用することで利益を得ている。損害が出た場合でも使用者が追うべき。
期限の定めのない契約の解雇は民法では2週間前。解雇権乱用の法理。合理的な理由が必要。
労基法で、2週間を30日に伸ばしている。
労基法は、週40時間、一日8時間が限度。例外は変形労働時間制、みなし労働時間制、36協定によるもの。
給与明細書は -
Posted by ブクログ
私が子どもの頃は、こういう本はなく、労働法など名前くらいしか知らないままアルバイトして、今で言えばブラックバイトのようなものもあったが、理不尽と思えても我慢するか、辞めるかの二択しかないと思っていた。しかし、今の若者はちゃんとわかっていて大丈夫かというと、ブラックバイトだの過労による自殺などのニュースが後を断たないところをみると、やっぱり相変わらす労働法を知らずに働いているようだ。ということは、高校でも大学でも(法学部でない限り)教えてないってことよね。
自殺せずにしかるべきところに相談できたのに、と考えると教えない罪は大きい。
高校からバイトできるんだから教育として教えるべき。
しかし、とり