林總のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
餃子屋は高級フレンチよりなぜ儲かるのか?がベストセラーになったと
聞いているが、それにつづく「美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?」
そして「コハダは大トロよりなぜ儲かるのか?
管理会計に関する書籍ですが、ストーリー調で書かれており、
楽しく読むことができました。
細かな数値や管理会計の表現方法にこだわらず、物語を読む感覚で
さらっと読むだけでも、会社経営にとってどのような感覚が必要なのかを
知ることができます。
会計数値だけではわからない会社の活動実態をどのような切り口で
観察して、考察していく必要があるのか理解するのに役立ちます。 -
Posted by ブクログ
タイトルは餃子屋になっていますが、本の内容としては父の急死によって急遽社長を継ぐことになった娘新社長がコンサルタントの助言を得ながら会社を立て直すというお話で、それを読み進めることで必要な会計知識や、粉飾決算の見破り方等が自然に理解できるように工夫された素晴らしい本です。ここで触れられている内容は経理以外に携わるビジネスマンにとっても重要なものばかりだと思います。
以下はためになったポイントです。
・利益とは売上や費用とは別に存在する、差額概念である(p25)
・会計はルールを守り続けることが正しい、会計ルールが絶対的真実を求めない以上、そのルールを適用した結果としての利益は、絶対的に正しいとは言えない(p28)
・バランスシートの左側は、現金と現金製造機そのもの(固定資産)と、現金製造機の内側(流動資産)が描かれている(p40)
・リストラの第一歩は、現金を生まない資産を処分して、元の姿である現金に戻すことである(p43)
・バランスシートの右側は、資金をどこから調達したかを表現している、その源泉は、取引業者・銀行・株主・会社の儲けの4つである(p44)
・すし屋のトロとコハダにおいて、一貫当たりの利益はトロが大きいが、資金量(購入した資金が再び現金になるまでの時間)に着目するとコハダに軍配があがる(p57)
・たとえ大トロであっても、仕入れルートが確保でき、客が多く食べてくれれば、資金滞留期間が短くなり、大トロも儲かる商品に変化する(p60)
・会社が1年間で作り出した現金である営業CFは、投資CF(現金製造機を購入する支出)、財務CF(銀行借入金の返済)、及び株主配当に使われて残りは繰り越される(p65)
・現金CFは、当期利益に減価償却費を足して、運転資本(在庫+売掛金-買掛金)の増加額を差し引いたもの、減価償却費は現金支出を伴わない費用なので追加する(p75)
・限界利益は、売上金額から変動費(材料費)を差し引いた金額であり、製品を追加的にひとつ売った場合に増加する利益のこと(p101)
・限界利益率が高いから儲かるのではなく、高くしなければ商売が成り立たないのが実情(p106)
・製品が売れ残らず在庫が増えないようにするためには、品種・ブランド数を絞り込むことが大切(p119)
・在庫を使った粉飾としては、在庫数量と単価の水増しがある、数年間のバランスシートを比較することで把握可能、在庫金額が年々増加するはず(p134)
・子会社を連結対象から外せば、その会社に対する売上は計上されることになり、業績を良く見せかけることが可能になる(p142)
・製品原価の下げ方は、1)工場の維持費、2)材料費、3)製造スピード、がポイントである(p147)
・当期売上を翌期売上に付け替える(売上計上日を出荷日から得意先検収日に変更)することで、黒字決算を赤字決算に変える(逆粉飾)ことができる(p199)
・日産のV字回復も、決算書を良く見ると、7500億円の特別損失(工場閉鎖、早期退職金、売却予定で含み損のあるものの売却、年金債務の費用計上)を行った1年後に、含み益のある不動産売却、減価償却率の計算方法の変更(定率から定額)、連結対象でない販売会社に大量の車を販売して販売金融債権の増加、がある(p205) -
Posted by ブクログ
大学院のビジネスゲームの講義で、余りの会計の知識のなさに情けなくなり、入門編から勉強すべく手に取った本。実務経験にもよるが、3~5年のキャリアがある人なら勤務している会社の状況に照し合せ、一社員としてでなく、経営者的視点から仕事や会社を見直すきっかけを与えてくれるのではないかと思う。
大学教授と突然社長になったデザイナーのストーリ仕立てと、図解入りの説明でわかりやすい。
この書籍で理解が難しいと感じた人は同タイトルで漫画もある。
社員としては付加価値を生む、生まないを時間に換算する有償労働、無償労働など自分の働き方を考えるきっかけににもなる。
経営を会計的視点を用いて全体的に捉える入門書として良書だと思う。 -
Posted by ブクログ
前2作の引き続き、会計の基本をストーリー仕立てで描く本。
2作目が面白かったので3作目も続けて読んでみましたがこちらもおもしろかったです。
新たな登場人物、コンサルタント会社出身の従兄弟の振る舞いや、M&Aするべきかどうかなど。経営危機に3度陥り、銀行の融資引き上げ期限までに収益を向上させるかどうか、ストーリーとしても面白く読めました。
コハダと大トロの話は1冊目の「餃子とフレンチ」にも出てくるので、なんでこのタイトルなんだろう?と思いましたが、利益を考えるためには粗利だけではなく資金回転率を考えて在庫を減らす事が必要、という例えとして出てきました。1冊目の本では概念として出てきたのを、実際の経営問題に当てはめて考えると、という感じなので具体的でわかりやすかったです。
が、基本、製造業を元にしているので、在庫概念がない業態でのストーリーだと私にとってはもっと身近なんだけどな~。
本編も面白かったですが、一番印象に残ったのは著者の冒頭の言葉、「利益とは何か」についてもう一度考える必要があるという点。
1990年代、過剰人件費に悩まされていたメーカーは正規社員を非正規社員に切り替え、固定費を変動費化していった、が、これが結局体質を劣化させたのではないかということ。
従来の会計理論では説明できない事は沢山あり、表面的な会計理論に惑わされない会計力が必要なのだ、という言葉は重みがあるなーと思いました。
何が利益の源泉なのか、どこをカットするべきでカットするべきではないのか、単純な数字だけだとわからないってことですね。肝に銘じたいと思います。 -
Posted by ブクログ
多くのベストセラー会計本を出している林總氏の新書を読んでみました。
本のタイトルの通り会計数字は虚像だから、信用してはいけないという観点から本当の会計力とは何かを問う本です。
すでに、既出の本で同じようなことは述べられていますが、今回は新書ということで入門的に、既出の本の引用などを含めながら紹介されています。
会計力の強化に必要な要素として、在庫・予算・利益・費用・キャッシュフローの5つの観点が登場します。
これらは、会計の経営に重要なものですが、会計上の数字のみで判断していいかというとそうではありません。
そんなことをわかりやすい事例や比喩などを使って説明されています。
著者の管理会計本のエッセンスなので、書店でよく目にするし気になるという方にはお勧めです。 -
Posted by ブクログ
最近、会計の勉強を怠けまくっているので、モチベーションを上げるために購入してみました。
前作が面白かったので、続編も購入しました。
一作目で粉飾決済を暴くのに大活躍した主人公が、CFOとなって会社の改革に乗り出します。
他の方のレビューにもありますが、CFOというかCEOの視点が多分に含まれており、楽しく読めます。
登場人物間の機微なども描かれていますが、それほどはインパクトなく、さらーっと読めてしまいますね。
今回は、株式譲渡やデリバティブ的なテーマがちょい入れされていますが、一作目に比べると会計の存在感は、やや希薄だと思います。
工場の改革では、スループットについても述べられていますね。
一作目よりも、読み物に近づいており、前作が好きな人は続編ということで読んでみても良いかもしれません。
個人的には、強くはお勧めしないかな、という印象。