Posted by ブクログ
2009年10月09日
昨年のリーマンショック以降「100年に一度の恐慌」と喧伝されて、現在もなお不況のまっただ中にあります。先日米連邦準備制度理事会(FRB)が景気底入れ宣言をしましたが、なお予断が許されない状況にあります。
今回の恐慌の原因の一端を担った巨大証券会社・投資銀行「リーマン・ブラザーズ」。包括利益が400...続きを読む0億円もありながら破綻したその裏には「利益の質」があったとみるのが、公認会計士、税理士で、原価計算の現場に精通した著者林氏の見地です。
前作および前々作のシリーズ同様、小説によって会計や原価計算、財務などを分かりやすく解説していますが、本書の中で現代企業の抱える諸問題に対する著者の強いメッセージが感じ取れます。本書のキーワードとなっている「利益」と「儲け」。利益とは何か?儲け(キャッシュ・インフロー)とは何か? 本書でこの違いを体得することで、真に“強い”企業に生まれ変わることでしょう。
現在の世界的大不況は「利益中心」の価値観が引き起こし、今企業が求められるのは「利益の意味」。
いわゆる「ハケン切り」の問題も、本書で説明される「固定費と変動費」の関係をよく理解し、「利益の意味」を問いただせば、解決の糸口が見えてくるのかもしれません。