渡邊大門のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
注!ネタバレ設定してないですけど、内容に触れています。
これは面白かった!
世に嫌気がさして枯れきっちゃったイメージだった足利義政が、実は権力にうじうじ執着するタイプだった(らしい)、とか。御簾の向こうで和歌を詠んでいるだけのイメージだった当時の天皇(後花園、後土御門)が足利義政の浮世離れした行いを諫めていたり、とか。
幕府と朝廷の関係が良かったというのも、意外でした(南朝という共通の敵がいたというのもあるのか)。
流れをやたらぶっちゃけ言っちゃうと。
各地の守護の家の家督争い、あるいは守護と守護代の争い、もしくは乱や変に土地を奪ってみたり等々、あちこちで欲にまかせて好き勝手始めちゃう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ今年の大河は清盛が主人公だけに、壇ノ浦の描写がどの程度になるのか、気になるところではありますが…。
本書によって、平家が三種の神器を持って都落ちしたことが如何に重大事だったのかが改めて判って、その成り行きにドキドキしながらページをめくりました。
この、源平時代の大事件のみならず、赤松氏に絡む神器争奪戦も、ほんに先が気になって気になって、途中で読み止められず、つい夜更かしを…という、歴史学術本では珍しい『ノリ』に満ち溢れております♪
そういった、文字通りドラマチックな展開をこそ、大作歴史ドラマで拝見したい気持ちにもなったのでありますが、こと、こ~室に絡む話だけに、ドラマ化は難しいのかな…と思 -
Posted by ブクログ
本書は、中世史を専門とし
現在は大阪観光大学研究員である著者が
三種の神器について記した著作です。
皇位の象徴とされる「三種の神器」
著者は、古事記に記された伝承や律令制の下での位置づけ
そして、源平の争いの中での逸失とそれに対するの対応を紹介。
そのうえで、鎌倉後期から南北朝の分断~再統合の中で
三種の神器にどのような政治的意味が付与(あるいは剥奪)さたのか。
そして、朝廷や幕府・諸大名など神器と深くかかわる人々が
どのような政治的駆け引きを繰り広げたのかを解説します。
神器無しで執り行われた後鳥羽の即位、
神器の帰還に熱狂に沸く人々と一条兼良 -
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室町時代から戦国時代へ至る争乱は、
応仁・文明の乱だけではない。
将軍家・鎌倉公方家の内訌を発端にした関東での享徳の乱。
応仁・文明の乱以降の明応の政変や将軍家・守護家などの
紛争があった。更に、家督や守護職を巡る内訌、
守護と守護代との抗争などでの、権力者たちの明暗を
解き明かしてゆく。
・はじめに
第一部 将軍家・鎌倉公方の内訌
第二部 守護家の勢力争いと、その明暗
第三部 下剋上のはじまり、台頭する守護代
・おわりに
執筆者紹介、主要参考文献、人名索引有り。
当事者は、将軍家・鎌倉公方家、幕政運営の守護や奉公人、
奉公衆、守護代や国人など。
原因は、家督相続や権力の維持に拡大、下克上な -
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ネタバレネットに歴史雑文を出す大門氏、しょーもない雑文で有名だが、基礎研究を一般向けに多く出されていて、その内容は真摯な学者としか思えない(良い事ですけどね)本書は序章で名前について概説「系図」と「家譜」、名前の構成で「諱」と「偏諱」「官位・官途」など基礎知識、第1章 出自を盛った大名たち(黒田氏=近江佐々木源氏出自説、宇喜多氏=百済王末裔説、大内氏=朝鮮王族説、浅井氏=貴族の落胤、新免氏=公家の名門説等の「貴種流離譚」)
第2章 名家の姓を乗っ取った大名たち(上杉氏=謙信の生涯でたどる家臣が主家の姓を名乗る過程、北条氏=風雲児の出自の謎と改姓に至るまでの苦闘、細川氏=名門の傍流から有力大名へ―幽斎の -
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痛快! 黒田官兵衛と黒田長政の実像に迫る書
本書の特徴は、文禄慶長の役から、関ケ原の役までに、黒田親子に何が起きたのか、なぜ、天下の趨勢は、徳川家康に帰したのかを、分かりやすく解説している点です。
機を見るに敏、普段は堅実な黒田官兵衛は、時代の変革点を見事なまでに見抜き、わずか10石の豪族の家老職から、52万石の大大名へと変貌を遂げています。
九州の関ケ原攻防戦では、毛利や、島津を対象として、領土の拡大を図るしたたかさもあります。が、助けを求められると一転、両家のために一心に家康にとりなしをお願いするなど、利害を超えた男気があるところも、名軍師たる、ゆえんかと思います。
気になった点は次の