【感想・ネタバレ】嘉吉の乱 ──室町幕府を変えた将軍暗殺のレビュー

あらすじ

嘉吉の乱とは前代未聞の室町幕府将軍の暗殺事件。籤引き将軍・足利義教は専制的な強権政治、「万人恐怖」と呼ばれた守護や公家への理不尽な仕打ちを行い、その死は「自業自得」とまで書かれた(伏見宮貞成『看聞日記』)。将軍殺害は幕府と守護の関係に大変化をもたらしたが、事件にいたる背景には社会的な混乱も大きかった。旱魃や風水害による飢饉、重税、大規模な土一揆の頻発。大地震、疫病の流行による不安。幕府による抑えがきかなくなった守護や守護代の台頭。のちの下克上時代の到来を予兆する嘉吉の乱。その全貌とは。

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Posted by ブクログ

中世の戦は、殲滅戦ではなかった。攻撃力が発展途上だったと言うことかな。
そのため戦いに敗けても滅亡するわけではなかった。尊氏もそうだったけど敗けても何度でも再起できるチャンスがあったんだね。
で、嘉吉の乱だけど、赤松氏からすれば義教の横暴をかわせさえすれば道はある、と思えたのかな。後に勃発する応仁の乱の前哨戦みたいなものかもしれない。一族の跡目争いってのはいつの世も騒乱の種になるってことだね。

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2022年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

赤松満祐による「万人恐怖」と呼ばれた足利義教の暗殺。守護大名や公家への理不尽な仕打ちの為、「自業自得」と言われたその死。義教暗殺後の守護や守護代の台頭。

「嘉吉の乱」に向かうまでの背景や乱後の幕府や社会の混乱など分かりやすく良い。赤松家の復活なども面白い

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

 嘉吉の乱については、万人恐怖と言われた将軍義教の振る舞いやパーソナリティが良く取り上げられるが、本書は犯行者側の赤松氏に焦点を当てている。

 嘉吉の乱は、義教に追い詰められた赤松満祐が自暴自棄になって反乱を起こしたというイメージを持っていたのだが、実は事前に天皇と将軍の候補を持っていたらしい。天皇候補と目されたのは南朝小倉宮の末子、将軍候補は足利直冬の孫になる足利義尊。彼らを擁立して、「新幕府」の構想を持っていたのではないかと著者はする。
 また、赤松氏復興の由縁となった、禁闕の変で奪われた神璽を奪回した長禄の変(1457年)についても初めて知ることが多かった。いったんは成功した神璽奪回であったが、後南朝を支援する郷民の反撃に遭って奪い返されてしまい、最終的には吉野の土豪小川氏により戻されることになった。また、赤松氏復興を支援したのは、畠山持国と対立していた細川勝元であるらしい。

 赤松氏という一守護大名を通して、この時代の幕府その他の時代状況について、いろいろなことを学ぶことができた。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

嘉吉の乱について、沢山の資料にあたり、細かく記述されている。
将軍の権威が失墜していく契機となった事件だが、この乱がなくともいずれ幕府体制は崩壊していたんだろう。本書で取り上げられた赤松氏はじめ、多くの氏族が領地を召し上げられたり謀略にはめられたりする過程が、とても理不尽。勢力均衡を保つためにこんな事をしていたら、いずれみなうんざりする。

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2022年10月03日

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