あらすじ
織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった天下人、彼らと覇を競った上杉謙信や武田信玄など、小説やドラマでもおなじみの戦国武将たち。しかしそのルーツをはっきりと辿ることができる武家は意外に少ない。そもそも武家ではなかった豊臣氏の出自があいまいなのはもちろんのこと、平氏や源氏の流れを汲むとされる織田氏や徳川氏の家系も疑問符が付かざるを得ないものだったりする。その他の武家多くも、自らの家の「権威づけ」や「辻褄合わせ」のために系譜を操作したり創作したりしているといって過言ではない。
本書は、系譜を「盛り過ぎ」た例、名家の姓を「乗っ取っ」た例、源氏や平家で「権威付け」した例、「出自不明」な例の四つのグループに分けて、その神秘のベールをはがし、真の武家の出自に迫るものである。
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Posted by ブクログ
戦国大名の経歴に注視した一般書ということで、その発想は新しく面白い。
出自を盛った大名として黒田、宇喜多、大内、浅井、新免、名家の姓を乗っ取った大名として上杉、北条、細川、源平で権威付けした大名として織田、徳川、赤松、出自不明の大名として豊臣、明智、斎藤、武田を挙げている。
かの細川藤孝だって細川京兆家や和泉守護家とも違って純粋な流れを汲むわけではない。実力あるものが名家の出自を騙るというのは、当然当時は今以上に必要だったんだなと思う。それと同時に、優秀な人間が出て家を興し、それを以降の人間たちが名門として守り続けていくのも、平均回帰という法則がある中でそれができることはまた凄い。ある意味がわはそのままに、中身が入れ替わっているとも言い得る家もあるんだな。
氏姓についてや偏諱についても最初にざっくりと解説しているので、そこも初学者にはありがたいと思う。