渡邊大門のレビュー一覧
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ネタバレ昨年から今年にかけて読んだ、明智光秀本3冊目。
明智光秀について、信用出来る一次資料と軍記物等の二次資料を紐解いて、著者の渡邊大門先生の考察を書いている1冊。
面白かったのは、謎に充ちた光秀の前半生の話。
土岐明智氏の出身と言われる光秀だが、名門明智氏の出身なのに義昭配下時代の身分が「足軽衆」なのは不自然、明智氏出身を自称した可能性があるって話。
※ただ、光秀家臣に美濃出身者が多くいるので、出自が美濃なのは正しいのではとの事。
また、朝倉義景家臣時代も、一次資料は見つかっておらず、軍記物などで、光秀が朝倉の本拠地「一乗谷」では無い場所で暮らしていたと記されている点を指摘し、朝倉家臣は一乗谷集住が義務化されているはずなので、不自然であるとの事。
上の2点は初めて聞いた話だったので面白かったし、本能寺の変黒幕説で有名な
朝廷黒幕説
怨恨説
足利義昭黒幕説
四国政策転換説
の全てを、資料を元に否定しているのも興味深かったです。
新書なので、優しめに書いてあるはずなのですが、自分には結構難しくて、読むの大変でした_(:3」∠)_ -
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ネタバレ<目次>
第1章 流罪とは何か
第2章 鎌倉時代~影響力のある者は流罪が最適
第3章 南北朝・室町時代~実質的な死刑あるいはパフォーマンス
第4章 戦国時代~権力誇示のための「見せしめ」
第5章 江戸時代~増える犯罪人を江戸から離島へ
<内容>
「流刑(流罪)」という視点から日本史を見ようというもの。著者が言うように、流刑になった人物にスポットを当てたものは見かけたことがあるが、「流刑(流罪)」そのものに注目した本はなかった気がする。本の中で著者も言っているように、流刑先での状況は、1次資料が希薄でわからない。よく言われる話は、多くが創作のようだ。 -
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気鋭の歴史学者によるクロカン研究の概説。各種資料に基づいてクロカンの事績を検討したのち、最終章にて"「名軍師像」誕生の背景"と題し、福岡藩の戦略としての官兵衛の神格化、伝説化があったのではないか、との視点を提示。
大河ドラマではどうも善人すぎる官兵衛さんですが、そのいわば作られた官兵衛ばかりでなく、各種小説でさまざまな描写がなされている旨の紹介あり。
九州征伐ののち、豊前半国を拝領した官兵衛さんですが、土着の宇都宮氏はこれを是とせず謀叛に及ぶ。ドラマでは、官兵衛は秀吉の意を汲んでやむなく謀殺したことになっていましたが、、、
○「城井谷崩れ」を題材として官兵衛の無慈悲かつ非人道的な人間像を描いた作品として、海音寺潮五郎「城井谷崩れ」がある。官兵衛の違った一面を描いており、誠に興味深い。
ほか、松本清張、坂口安吾、司馬遼太郎の官兵衛像にも言及あり。 -
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「黒田官兵衛」、今度のNHK大河ドラマの主人公ですね。
戦国時代から江戸初期の武将、豊臣秀吉の側近として仕え、築城や城攻め、巧みな調略でその才覚を発揮したと伝えられています。「黒田官兵衛」といえば、竹中半兵衛と並んで卓抜した異能の“軍師”としての強烈なイメージを抱かせる人物です。
本書では、官兵衛を知るための編纂史料である「黒田家譜」を中心にしつつも、官兵衛による書状等数少ない一次資料による検証も踏まえ、官兵衛の実像を明らかにしていきます。
著者の考察の結果をここで紹介することは控えますが、その人物像がどうであったとしても、激動の戦国時代を生き抜き、長政とともに明治維新まで続く大藩福岡(筑前)藩の礎を築いたその官兵衛の才覚は尋常ではなかったのでしょう。 -
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ネタバレ「大坂の陣」の定説をくつがえす。
家康が、豊臣家を滅ぼしたのはなぜか?その答えは浪人たちにあった。
戦国時代に終わりを告げた「大坂の陣」。徳川家康が豊臣家を滅亡させるために謀略に満ちた戦いといy通説は、事実なのか。家康謀略史観に疑問をもつことで見えてきた、浪人やキリシタン。商人の存在。武将の活躍の陰で、彼らもまた生き残りを賭けて戦っていた。軍功書、首取状などの豊富な史料を駆使しつつ、関ヶ原合戦から大坂の陣にいたる激動の時代を鮮明に描く。
ここのところ仕事が忙しく、本を読む時間がとれないので積読状態の本が山積みであるなか、最近購入したこの本は、思わず引き込まれて読んでしまった。
本書は読みやすく、新しい研究の成果を知ることができるが、反面、もやもやした部分も少なからずあった。
家康は秀頼を右大臣にしたものの関白にする気は無かったという推測は面白い。
(とはいえ右大臣とは破格であり、豊臣が本当に臣下の礼をとれば制外の家として生き残る道があったと思う。)
方広寺鐘銘事件事件や大坂城の堀の埋め立ての通説の見直しは参考になる。
「家康謀略史観を克服する」という部分は、十分に発揮されていないと思う。この点からいうと、私は、笠谷和比古の著書を読んだ時の方が衝撃を受けた。本書
では、笠谷説に疑問を挟んでおり、参考になる部分もあるが素人目には差が感じられない部分もある。
また、疑問な点もある。
・岡部長盛は外様大名なのか(p55)
・家康が二条城において秀頼に臣下の礼を取らせたとあるが、天下に徳川公儀が
豊臣公儀に優越していることを知らしめる儀式ではあっても臣下の礼を取らせたとは言えまい。
・二重公儀制の有効性を補強するための8点に対する批判をしているが、二重公儀制を肯定しているのか否定しているのかがわからない。(仮に二重公儀制を認めるにしても期間限定であるという考え方の模様)この点、私は二重公儀制という言葉が一人歩きしていて批判されているようにも感じる。
・家康が、豊臣家を滅ぼすになったのは何故かの分析が欲しかった気がする。
答えは近いものの、回答に至るルートが異なる。そんなモヤモヤ感が残る1冊であった。(もっとも、笠谷著も含め最近の著作を読んでいないので、私のベースとなる知識が数年遅れていることは否定できない) -
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ネタバレメモ
戦国時代に移行する時期は15世紀中葉以降だと説明。天皇、将軍、守護の相互連関で様々な歴史的事実と研究を参考に「形式」から「実体」、「権威」から「権力」へと転換する「戦国誕生」のきっかけを追う。
将軍の資質のない足利義政(意欲的な時期もあったがかえって混乱)
将軍権力と守護・守護代・近臣・公家(三魔、畠山氏・斯波氏、浦上氏ら)
天皇の苦悩(後花園天皇、後土御門天皇、貧窮で儀式ができない朝廷)
応仁・文明の乱と分裂する幕府
守護職を求める(朝倉氏、赤松氏と浦上氏、山名氏、京極氏と尼子氏)
明応の政変(奉公衆と奉行人、六角征伐、将軍家一族、細川政元)
知っている事実が述べられているという気もしたが、合議制・将軍独裁と一貫性のない室町幕府が戦国に向かって変質、崩壊するさまがよくわかる。将軍・管領らの立場がころころ変わるのが不思議。将軍や管領家だけではなく、天皇と公家、幕府近臣、守護代の事情も説明されており面白かった。先例と儀式を重んじる公家や幕府に対して、山名宗全と細川政元は先例だけではなく現実からその場への対処、また将軍や天皇という認識があれば金をかけて儀式をする必要がないと思っていたという点に驚いた。
将軍だけでなく守護の首をすげ替える「下剋上」。僕らが思う権力への執着だけではなく、現実に生きるためであったのではないだろうか。