渡邊大門のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦国大名の経歴に注視した一般書ということで、その発想は新しく面白い。
出自を盛った大名として黒田、宇喜多、大内、浅井、新免、名家の姓を乗っ取った大名として上杉、北条、細川、源平で権威付けした大名として織田、徳川、赤松、出自不明の大名として豊臣、明智、斎藤、武田を挙げている。
かの細川藤孝だって細川京兆家や和泉守護家とも違って純粋な流れを汲むわけではない。実力あるものが名家の出自を騙るというのは、当然当時は今以上に必要だったんだなと思う。それと同時に、優秀な人間が出て家を興し、それを以降の人間たちが名門として守り続けていくのも、平均回帰という法則がある中でそれができることはまた凄い。ある意味がわ -
Posted by ブクログ
嘉吉の乱については、万人恐怖と言われた将軍義教の振る舞いやパーソナリティが良く取り上げられるが、本書は犯行者側の赤松氏に焦点を当てている。
嘉吉の乱は、義教に追い詰められた赤松満祐が自暴自棄になって反乱を起こしたというイメージを持っていたのだが、実は事前に天皇と将軍の候補を持っていたらしい。天皇候補と目されたのは南朝小倉宮の末子、将軍候補は足利直冬の孫になる足利義尊。彼らを擁立して、「新幕府」の構想を持っていたのではないかと著者はする。
また、赤松氏復興の由縁となった、禁闕の変で奪われた神璽を奪回した長禄の変(1457年)についても初めて知ることが多かった。いったんは成功した神璽奪回で