井上智洋のレビュー一覧
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「人工知能」とはコンピュータに知的な作業をさせる技術だそうです。
そうなると人の仕事を機械がやってくれる時代が来るのかもしれません。
それを「技術的失業」と言うそうです。
本書でもベーシックインカムに言及されてますね。
「ビッグデータとデータマイニング」
僕もいまいちビッグデータの活用方法がよくわからないんですよねσ^_^;
ビッグデータには無数のテキストデータが入っています。
テキストマイニングが重要でデータからどんな成果を引き出すのかは人間がやらないといけないのではないかと思います。
しかし今後はディープラーニングによるブレイクスルーがあるのかもしれません。
それがAIがAIを教育するシン -
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ネタバレ先生の本はこれで3冊読んだけど、やはりこの本を最初に読むべきでした。この本の前半が「人工超知能」に後半が「AI時代の新・ベーシックインカム論」でさらに展開されたような気がする。そういう意味では先に続く2冊を読んでしまって、改めてここに戻ってきて書くべきことも少ないような気もするけど、あとがきに書かれていたバタイユの話が印象的。バタイユは有用な営みに覆われた人生は奴隷的と考え、有用性の対極に至高性を対置している。なぜ、有用性が奴隷的なのかというと役に立つが故に価値があるものは、役に立たなくなった時点で価値を失うので、その価値が独立的でないというのだ。AIやロボットが進化し、人間にとって有用なこと
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道徳は人が心地よく生活するために大切なものだが、道徳も行き過ぎると息苦しくなる。最近の不倫報道など、社会にそこまで大きな影響や意味はないと思うが。何事も波のように振幅を持ったものとして社会に現れるのだろう。
現代日本人の持つ道徳観の一つとして「働かざるもの食うべからず」がある。絶対的な価値観を押し付ける。本当の幸せとは人それぞれだと誰もが感じているのに。また、自分の頑張りが自分ひとりの頑張りと思い込み、単なるラッキーとは思わない。息苦しさを感じている人が多いのに。むしろ息苦しさを感じているから、さらに弱い者をたたくのか。
自身、仕組みとしてのBIをじっくりと考えきれたわけではないが、いい考えだ -
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ネタバレ先日読んだ本はAIの本だったので、井上先生が経済学者であることを忘れてしまっていたのだけど、この本はAI時代というものの、しっかりと経済学者がベーシックインカム(BI)について述べた本。AI時代のというのは、AIの高度化で生産性が上がると、人間の仕事が完全に失われることはなくても、AIを使って極端に富を増やす人と職を失うか、AIに使われる人に分かれて、貧富の差が今よりも極端に広がる世界がやってくる。その時の社会保障制度としてのBIというものを語った本といえば、簡単すぎるか。今の生活保護という社会保障は何となく問題が多い制度なんだろうなと思いつつ、何でもかんでも働く意思がないプータローにもBIを
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ネタバレAIの概要を知るにはとても良い本。あとはあまり消化できていないのだけど、知能というのを考えるのにはとても良かった。全体の構成がしっかりしているのと、各章の扉にその章のサマリーというか論点がまとめてある。大学の先生らしいスッキリとしたまとめ方。それにとても広い範囲で扱っているけどそれなりの深さまで言及されているような気がする。雑誌や入門書では物足りない部分をしっかり補ってくれている内容。もう一歩進めるとかなり専門的な領域まで入るような気がする。全体の構成は第1章AIは未来をどう変えるか?、第2章AIの歴史をたどり、AIの正体を明らかにする、第3章機械学習とディープラーニング:人間の直感を再現でき
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ネタバレAIがもたらす未来の姿を経済学的、哲学的視点から解説した著作。近代合理主義によって到来した資本主義社会は、汎用AIの普及によって終焉し、新しい経済=機械化経済が到来するとの実は構想は壮大な著作。もっと深掘りして読んでみたい印象で、新書ではなくハードカバーの大著として構成し直すべき著作。そういう意味でもったいない本です。ぜひ次作期待です。ただしベーシックインカム導入という方向性については「はてな」マーク。付加価値生産活動がもたらす「承認欲求充足」という根元的な効用=著者いうところの「至高性」についてもっと深掘りするとベーシックインカムとは別の世界観を展開できるのではと思います。
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説明はわかりやすいんですが結論が受け入れられないんですよねσ^_^;
なんでかなあと読み進めてたんですが終章に近づく毎に結果の平等志向なんやなあと気づきました。
障がい者もアンラッキー
ギャンブル依存性もアンラッキー
怠け者もアンラッキー
努力している人間に勤労意欲や能力が発揮できたラッキーで考えろと言われてもσ^_^;
それなら努力しないことを選択してアンラッキーやって言いますよね。普通。
他罰的なアンラッキーで片付けられるとBIを支える産業の根本が成り立たないと思うんですよね。
生活できる最低限のBIを支給してシェアハウスで暮らしたり物価の低いところへ移住を促すのは治安を考えても両面ある -
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デフレ不況は、技術進歩率が貨幣成長率を上回る事に原因があり、技術進歩がさらに進む未来においても生じる可能性がある。そのために技術進歩率を上回る速度で貨幣成長率を伸ばす必要があり、ヘリコプターマネーこそが処方箋であるというのが本書の趣旨。また主流派経済学に喧嘩を売って、現在の貨幣制度のレージムを変えようとする「革命」的な本でもある。最後の章で、筆者の井上先生がかつて研究していたAIの発展に関する詳しい話やBIなんかの話が絡んできて個人的には楽しく読めた。
井上先生が提唱する政策は、デフレは「貨幣」現象で現在のゼロ金利下では通常の金融政策は無効だけど、日銀が直接国債の引き受けをして、そこで得 -
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本書を読みながら、人工知能(AI)について一つの整理を行いたい。
特に、2016年当時のAIに対する考え方を振り返ることは、その背景を理解する上で重要である。本書の副題「2030年雇用大崩壊」が示すように、その頃はAIによる大失業の可能性が多く議論されていた。当時のAIの進展状況を見ると、チェスや囲碁、将棋においてAIが勝利を収める時期であった。チェスに関しては1997年にDeep Blueが勝利し、囲碁と将棋に関しては2017年にAIが人間に勝った。
ここで重要な概念の一つは「技術的失業」である。この概念について、著者は特に興味深く述べている。イノベーションは省力化を促進し、その結果と -
Posted by ブクログ
▼何かの本で、おススメになっているのを覚えていて、読んでみました。「東大生」に付加価値を付けたタイトルは今一つ品が無いなあとは思いますが、好きな本でした。
▼ずっといわゆる文系・文科系の割り切りで過ごしてきてしまったので、大人になってから、「経済の仕組み」に興味が出てきても、何を読んでいいか分からず。たまにそれらしい本を手に取っても、正直全然腑に落ちない経験ばかりでした。この一冊は、タイトルほど「面白いほどわかった!」でも無く、それなりに難しかったですが(笑)、それでもだいぶ、腹に落ちました。スバラシイ。
▼好感を持ったのは。結局、経済の仕組みをなんのために理解するか。あるいは経済の複雑な