【感想・ネタバレ】人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年09月17日

AIがもたらす未来の姿を経済学的、哲学的視点から解説した著作。近代合理主義によって到来した資本主義社会は、汎用AIの普及によって終焉し、新しい経済=機械化経済が到来するとの実は構想は壮大な著作。もっと深掘りして読んでみたい印象で、新書ではなくハードカバーの大著として構成し直すべき著作。そういう意味で...続きを読むもったいない本です。ぜひ次作期待です。ただしベーシックインカム導入という方向性については「はてな」マーク。付加価値生産活動がもたらす「承認欲求充足」という根元的な効用=著者いうところの「至高性」についてもっと深掘りするとベーシックインカムとは別の世界観を展開できるのではと思います。

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Posted by ブクログ 2022年01月04日

経済学者がAIが発展した未来を予想した本。経済用語が多く少し難しかったが、わかりやすく説明されていた。

2030年までには人間に限りなく近い形のAIが完成し、2045年までにはそれが実用化されて社会が変わるような大変革が起きるらしい。その時には仕事の1割しか残らず、9割の仕事は消滅する。

そんな...続きを読む未来は人間にとってユートピアなのか?それともAIに支配されるディストピアなのか?著者によると、ベーシックインカムが実現した場合ユートピアになり得るらしい。突拍子もない意見に聞こえるが、経済理論で詳細に説明されていたので納得できた。

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Posted by ブクログ 2020年01月09日

2030年よりも早くAI出現しそうな予感がします。
なかなか面白く、未来経済を考えさせられる一冊です
#AI #近未来 #経済 #人工知能

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Posted by ブクログ 2019年02月18日

「人工知能」とはコンピュータに知的な作業をさせる技術だそうです。
そうなると人の仕事を機械がやってくれる時代が来るのかもしれません。
それを「技術的失業」と言うそうです。
本書でもベーシックインカムに言及されてますね。
「ビッグデータとデータマイニング」
僕もいまいちビッグデータの活用方法がよくわか...続きを読むらないんですよねσ^_^;
ビッグデータには無数のテキストデータが入っています。
テキストマイニングが重要でデータからどんな成果を引き出すのかは人間がやらないといけないのではないかと思います。
しかし今後はディープラーニングによるブレイクスルーがあるのかもしれません。
それがAIがAIを教育するシンギュラリティなのかもしれません。
そうなると人間に何ができるのか…ってなりますσ^_^;
「特徴表現獲得の壁」
また読まないといけないんですが東大の松尾豊さんはAIはディープラーニングによって特徴表現獲得の壁を越えたとおっしゃってます。
これでAIが自ら特徴を見出すことが可能になると人間を越えるベースができたのかもしれません。
今後人間はどうしていけば良いのか悩ましいところです。
AIが
①生産の効率性を向上させる
②人間の労働の大部分を代替し経済構造を変革する
という2つの効果を通じて経済成長を促進する
「産業政策とイノベーション政策は峻別する」
民間に任せていては街灯が十分設置されないのと同様に政府が研究開発を支援せず、ただ民間に任せているだけではイノベーションは過少にしか引き起こされない。
政府はAIの産業育成ではなく新たなAI技術を生み出す研究開発の促進にそこ力を入れるべき。
とあります。
最後にベーシックインカムについて書かれていました。
負の所得税的な書き方をされてます。
これを読んでるとベーシックインカムを導入するかしないかは結局は政治がどう判断するかにかかってくるのかなあと思います。
日本でもやってやれんことはないんやと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年12月28日

先生の本はこれで3冊読んだけど、やはりこの本を最初に読むべきでした。この本の前半が「人工超知能」に後半が「AI時代の新・ベーシックインカム論」でさらに展開されたような気がする。そういう意味では先に続く2冊を読んでしまって、改めてここに戻ってきて書くべきことも少ないような気もするけど、あとがきに書かれ...続きを読むていたバタイユの話が印象的。バタイユは有用な営みに覆われた人生は奴隷的と考え、有用性の対極に至高性を対置している。なぜ、有用性が奴隷的なのかというと役に立つが故に価値があるものは、役に立たなくなった時点で価値を失うので、その価値が独立的でないというのだ。AIやロボットが進化し、人間にとって有用なことはどんどん機械によって提供されるようになる。故に人間の価値も有用であることではなく至高性があることに価値が見いだされるのだと解釈すべきらしい。何だか今の価値観を180度変えるような考えでもあり、またそういう時代が来る可能性を考えると、とても示唆に富む内容だったように思う。

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Posted by ブクログ 2018年06月12日

全体的にとても有用。BIに関する部分も分かりやすく、基本的な考え方を説明してくれているので役に立つ。

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Posted by ブクログ 2018年12月28日

最近やたらと多い人工知能ものとは少し違う。経済学と人工知能の見地から、未来を予測しており内容にはうなずけるところが多いやはりこのような学際的な見方というのがこれから大切になってくるのだろう。

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Posted by ブクログ 2024年01月13日

コロナ禍前の2016年に、気鋭の経済学者によって発表された本。当然ながらChat GPTのような生成AIが社会に出回る兆しも見られない頃の著書。
だからこそ、「便乗して書かれたのではない」古典的な説得力がある。
普通、最先端技術と経済に関する書は、少しでも古くなると記述内容の価値も激減してしまうこと...続きを読むが多いように思われるが(もちろん記述の質や正確性によっても左右されるが)、
本書は、経済学者である著者の理念が前面に出ているとは言え、結果的にその予測通りに社会基盤の変化が加速している今、古典的に参照する書として大いに参考になると感じた。

新型コロナウイルスやAIについては、流言や都市伝説の類いも飛び交っていて、
それらの言説全体が怪しく見えてしまうような奇妙な状況になっている。
その話題に直接的には触れていないとしても、この2〜3年の間に刊行された書物に対しては(誠実かつ真摯に著述されているかたに対しては大変失礼で申し訳ない話だけれども)少なからず流言性や都市伝説性を疑いながら読み進めざるを得ない印象が拭えない。

著者の経済学者としての業績などはまったく知らずに私見を述べてしまっているが、
少なくとも記述内容は2024年時点での社会状況をそれなりに正確に捉えたものであり、
かつ上記のような「疑わしさ」に煩わされることなく読み進めることができる点は非常に評価に値すると思う。

星5にしても良かったけれども、綿密な分析を提示しないまま一部の仮説のみを頼りに大雑把な予測のみを提示した書である点を(わかりやすさを重視して意図的にそのように著述したのかもしれないが)一応、割り引いて星4つとした。
「大雑把」と言っても、説明自体は身近な例を挙げながら具体的で分かり易かった。
一般人向けに書かれているのだから当然と言えば当然だとも思う。良書。

個人的には、
全脳エミュレーション方式のものを含めてAIと捉えるのが自然だと感じるので、
その部分に妙に線引きしている点に関しては違和感が残った。
そもそも何をもってAIあるいは人格あるいは主体と呼ぶのか、ということ自体、
これから再定義したり哲学的に見直して議論を深める必要があるように感じられるので、
単純に「全脳エミュレーション方式のものを除外」する姿勢は短絡的過ぎる感は否めなかった。

最後に。
現在、なぜベーシックインカム制度の導入が進む気配がないのか。
・・・それは世相を観察すれば、自ずと見えてくることのようにも思われる。
そもそも人は合理的に動く生き物ではないし、目先の環境の維持も安定に固執する傾向が強い、
ということも少なからず影響しているだろうことは、想像に難くない。

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Posted by ブクログ 2021年01月24日

良い本でした。

AIの可能性を過剰に見積もるのでもなく,だからといって,その可能性を全面否定するわけでもなく,AIの可能性(いつまでにどのようなことができるようになるのか)をデータから冷静に分析し,今後の経済(労働)の行き末を予測する。

「未来」の予測とはこのように行うのかと勉強になりました。
...続きを読む
AIによって到達する未来がユートピアになるのか,ディストピアになるのかはわかりません。本書ではその両方のシナリオが冷静に提示されています。

逆に言えば,AIの発展はユートピアの到来の可能性も秘めているのであり,そうなるように活動を作っていくことが必要なのだと思います。

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Posted by ブクログ 2020年12月30日

1810年代に、紡績機や織機の導入に反対するラッダイト運動が起きたが、綿布を安く供給できるようになったために消費需要は増大し、工場労働者の需要も増大した。

コンピュータの導入によって、事務労働の人手が減少したため、1980年代から中間所得層の雇用が減少した。コンピュータとインターネットが引き起こし...続きを読むた第三次産業革命によって、1990年代からアメリカの生産性上昇率が高くなり始めた。

ディープマインド社が開発したDQNは、ゲームのルールを教わらずにプレイの仕方をマスターした。囲碁AIのアルファ碁もディープマインド社によって開発された。

今後のAI技術発展の道のりには、言語の壁と生命の壁がある。

第四次産業革命で鍵となる技術の候補は、汎用AI、IoT、3Dプリンターがあげられる。汎用ロボットの原初的なものとして、リシンク・ロボティクス社が作ったバクスターがある。バクスターは、2つの腕を持っており、人間がその腕を動かすことで作業の仕方を覚え込ませることができる。

汎用AIにも生命の壁があるため、クリエイティブ系、マネージメント系、ホスピタリティ系の管理職、研究者、教育者、医者、介護、調理、接客、給仕などの仕事はなくならないと予想される。

汎用AI・ロボットの普及によって、それを所有する資本家の所得は増大するが、労働者の所得は減少する可能性がある。

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Posted by ブクログ 2020年05月03日

「純粋機械化経済」ベストセラー 村松弁護士事務所推薦
AIの時代→2045年へ
 技術の進展
 雇用へのインパクト
 マクロ経済学のアプローチ
2019年11月読後時よりは冷静
コロナのインパクトもあり、一直線には向かわないと思う

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Posted by ブクログ 2020年01月29日

人工知能の歴史から、研究のアプローチ、今後の展望(第四次産業革命)まで1冊にまとまっており全体のトレンドを知るのに良い

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Posted by ブクログ 2019年12月23日

読みごたえがありました。特に後半。ベーシックインカムは他でもいろいろ言われており、弊害の方が言われるようになりましたが、2年前はこのようなとらえでしたね。
それよりも「おわりに」にあるバタイユの有用性の考えは、今必死で塾通いをしている子供たちや将来のためにビジネス書を読んでるサラリーマンに対しては...続きを読むハッとさせられる内容でした。
至高性という概念を知りたくなりました。

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Posted by ブクログ 2019年09月25日

2030年に考慮すること
1.特化型→汎用型AIの台頭
2.希少性→過剰性経済へ
3.有用性→至高性価値へ

「価値あるものが価値を無くしていく。
物事のなかに喜びを見出していくこと。
至高性が見直される時代へ。」

読みづらそうを裏切る簡易な文言での展開です。
業務、大きくいえば事業...続きを読む領域を再考する機会となる書籍です。

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Posted by ブクログ 2019年05月27日

参考になる新書だと思う。
後半に書かれているベーシックインカムについては賛否両論ありそうだが
資本を持つものが強くなるのは、AI化が加速したら尚更。
読んでいるといろんな映画でも描かれている内容を思い出す。
前半部には特に経済理論も参照にしながら人工知能技術が進化するとどういうことが起こるか
一般的...続きを読むな概要書と書かれていることは似ているかもしれないが、論理立っていて読みやすい。

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Posted by ブクログ 2019年01月04日

人口知能がこれからの社会をどう変えていくのかについて論じている。人口知能は、今は特化型(目的に応じたもの)だが、いずれ人間のように、汎用型人口知能が開発されていくと指摘されている。
人口知能には言語の壁と生命の壁がある。言語の壁とは、抽象的な言葉の意味が分からないこと、生命の壁とは、感覚の通有性と...続きを読む身体知である。前者は、人間が共通して持っている感覚。例えば、レストランの接客中に現れたゴキブリは潰しても、ネズミは潰さないこと。後者は身体がないということ。
また、人口知能によって代えられない仕事としては、クリエイティブなもの、マネージメント系、ホスピタリティ系と言っているが、それらの仕事でさえ、汎用型人口知能に代替されるだろう。

最後のベイシックインカムには賛同できないが、全体的に論理的かつ説得力があり、読んでよかった本だった。

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Posted by ブクログ 2018年12月08日

人工知能の技術が発展して、経済がどう変わっていくのかを話した本
納得感はあるけど、結構普通の視点であまり新しい発想というものはない。
結局ベージックインカムという結論出し。ベーシックインカムの弱者優位性が面白かった。特に子供のあたり。

肉体労働、事務労働、頭脳労働の3種類がある、ITにより事務労働...続きを読むが減っていく
そうして中央の事務労働層がへり、資産が2極化していく
人造肉は研究はされている
AIには欲望がない、もし持った場合にシンギュラリティが起きるだろう。人間の欲望とは方向が違う

イノベーションには2つの効果がある、この2つによりロジスティック曲線で成長する。
肩車効果:先人たちの知識を役立てることで発展すること
取り尽くし効果:発展が進み新たな発展がなくなっていくこと

クリエイティブ、マネージメント、ホスピタリティの仕事はAIに取られにくいと考えられている

月7万円ほどのBIがちょうどいいのではないか、暮らすのに完全に十分ではないが、基本的には生きていけそう
子育て世帯が今より大きな利益を得ることとなる
お金持ち、独身が比較的不利益を被ることになる。

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Posted by ブクログ 2018年07月30日

2045年のシンギュラリティにかんして懐疑的、ベーシックインカムBIに関して最後は述べられています。流石経済学者。

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Posted by ブクログ 2018年07月22日

筆者は新進気鋭の経済学者。本業はマクロ経済学。AIの登場による社会への影響を、主に雇用面から占う。特化型AIの段階では、人が創造性やもてなしを必要とする労働を担うことで人の共存は可能。しかし、汎用AIが登場すると、それらも含め全ての仕事が機械に代替される純粋機械化経済に移行するという。 少し机の上の...続きを読む議論感はあるものの、経済学的な議論については理論的に面白い。ただ、ベーシックインカムに係る部分については、インフレや高所得者の反対といった導入に際する問題についても、脇において議論を進めずに向き合ってほしかった。

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Posted by ブクログ 2018年06月11日

著者の説明が非常にわかりやすい。それだけに、最終章でベーシックインカム(BI)に論点が移る流れが非常にわかりにくい。AIが高度に発達した社会にはBIが必要としつつ、筆者はAIが発達しない社会においてもBIが導入されるべきと主張しており、BIに対する主張にいささか唐突感を覚えた。

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Posted by ブクログ 2018年05月11日

この本の著者も、名の知れたAIの研究者もやはりAIに対しては、過剰な期待を抱いてはいないようです。シンギュラリティという、AIが人間の能力のすべてを超越して、社会の中心になるというのは現状ではSFの世界の妄想にすぎないようです。最後の章に於いて、AIが労働を奪った後に、人間がどのように所得を得て生き...続きを読むてくのかと言った議論にベーシックインカムの議論がありますが、日本で実現するには相当な思いきりと改革が必要なようで、現実にはちょっと実現しにくいと感じました。

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Posted by ブクログ 2018年04月22日

最近少しずつプランドハプンスタンスが時代に合うようになってんじゃないかってスタンスにシフトしつつある。
この本で言うと「仕事が機械に奪われる事を恐れるのは、有用性を重視する資本主義思考に染まってるから」って論理と通ずるものがある。
金利上昇を前提とすれば、「将来の為に今を我慢する」という山登り型のキ...続きを読むャリア観は正しい。転職が前提になり「成長」がキーワードになっても”勝ち馬に乗る”という視点が生まれただけで本質的にはそんなに違いはない。
が、これからはマーケットキャップが富を生む時代に更にシフトしていくと思う。ただでさえ身近な需要は飽和に向かっているのにこれから先は更なる生産性革命が起きるのだとすれば尚更。

一方、内容としては、AIで雇用が減る論理がザックリだからBIの展開がトンデモに見えるのが勿体無い気がする。サービスの需要が飽和しない限り(そしてそんなことは当分ありえない)仕事がなくなることはない、と考えている派。
BI自体の有用性は理解できたから別で議論した方が良さそう。

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Posted by ブクログ 2018年07月30日

【文章】
 読み易い
【気付き】
 ★★★★・
【ハマり】
 ★★★★・
【共感度】
 ★★★★★

汎用AIへのアプローチ
・全脳アーキテクチャ…脳をスキャンして機能をコピー(※トランセンデンス)
・全脳エミュレーション…脳の部位毎に機能を作って統合

自発的な欲望獲得の有無が、AIと生命の壁

...続きを読む純粋機械化経済への移行からベーシックインカムが実現するまでの期間を、如何にやり過ごすかが問題

有用性から至高性への転換
「誰かの役に立っている」ということに価値を感じてしまうのは資本主義が生み出した幻想にすぎない、「人間の"生"そのものに価値がある」という価値観への転換が必要

やはり、AIが抽象化能力を獲得したのは大きいと思う。もうその段階で、ある一定数の人間の知能を超えてしまっている気がする。

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Posted by ブクログ 2024年01月06日

AIの発展と未来に待ち受ける雇用の大崩壊。クリエイティブな仕事であってもAIやロボットの進歩は、それも壊していく。

技術的なシンギュラリティが起きうる可能性は、2030年時点でもないかもしれないけど、ディープラーニングの登場以降は、AIの発展も目を見張る。ゲームの画面を見て、ゲームのスコアを最大化...続きを読むするようにひとに教わらずにプレーすると言うのには驚きました。

汎用的AIが本格的に登場したらどんな世界になるのか。おっかないけど、覗いて見たい世界です。

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Posted by ブクログ 2021年04月22日

人工知能の進化の先にどんな未来が待っているのか。肉体労働や事務系の仕事は今後ますますAIによって代替され、残るのは資本家かマネジメントの仕事のみ。新しい産業が生まれるから大丈夫かと言われると、誰もが労働移動できるわけではないし、これまで技術進化が進まなかったサービス産業にも人はいらなくなる。1割ほど...続きを読むの職を除いて、働く必要のない社会を大胆に予測している。著者が提唱するベーシックインカムの導入には懐疑的だけど、今の仕事に安住するのは危険。人生100年時代、自分の市場価値を上げて、変化に対応できるように勉強し続けないとダメですね。

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Posted by ブクログ 2020年01月26日

p6 ところが、〜汎用人工知能が実現し普及したならば、〜あらゆる人間の労働が汎用人工知能とそれを搭載したロボットなどの機械に代替され、経済構造が劇的に変化する〜。
p8 汎用人工知能の普及の果てに訪れる世界は、あらゆる人々が豊かに暮らすことのできるユートピアになるのでしょうか?それとも、一部の人々だ...続きを読むけが豊かになり他は貧しくなるディストピアにあるのでしょうか?それはどのような未来を私達自身が選びとるかに掛かっています。
p112 GPT(#General Purpose Technology)は、補完的な発明を連鎖的に生じさせるとともに、あらゆる産業に影響を及ぼす技術で、蒸気機関がその代表的な例です。〜マクロ経済全体で見た時に、産業革命の期間は他の期間比べて生産性の上昇率が高かったわけではありません。〜19世紀における生産性上昇率のピークは、むしろ産業革命が終わった後の1830年から1870年です。
p113 生産性上昇率は19世紀を通じてまず上がってから下がっています。〜イノベーションに関する二つの相反する効果、「肩車効果」と「取り尽くし効果」〜。
p124 1970年代以降の工業の相対的縮小期であっても、幸いサービス業の労働需要が増大し、余剰人員がサービス業へ労働移動したため、〜労働集約型産業であるサービス業は生産性上昇率が低いので、サービス業のシェアが増大するということは、マクロ経済全体での生産性上昇率が低くなるということを意味しています。
p133 「需要不足による失業」とは、消費需要や投資需要が不足しているために、「労働需要」が「労働供給」に対して不足して発生する失業です。
p137 一般的には、金融政策の方が経済全体を潤す効果を持ちます。〜紙幣を市中にばらまくだけで景気が良くなって失業が減ります。
#異次元金融緩和で一向に需要(消費)が上向かないのに?
p138 人々が持つお金が増えれば、その「資産効果」で消費需要も増大します。すると、失業していた人々が労働に従事するので、その分だけ実際に生産量が増大します。
#消費需要は増大するかもしれないが、本書はその労働の多くを今後は機械が代替するという事を言いたいのでは?
p139 〜機械の導入などによって生産性が1.5倍に上昇したならば、消費需要も1.5倍に増えるようにお金の量を増やす必要があります。〜そのようにマネーストックを増やさなければ、デフレに陥ってしまいます。〜お金というのはそもそも絶えず増やさなければならないものなのです。#順番が逆??人が機械と競って1.5倍以上の生産性を達成する必要がある?人間の射幸心やモチベーションを維持するため?今は気持ちの向かう先(需要)の存在感が薄くなったことが問題?
p191 〜純粋機械化経済では、多くの労働は汎用あAI・ロボットによって行われるので、人間は労働から解放されます。レジャーとしての仕事〜は残るでしょうが、賃金を得るための労働はあらかたなくなります。その時立ち現れる社会を「脱労働化社会」〜。
p204 国民の大半にただ飯を食わせたらみんな働かなくなってしまうとか〜それらは要らぬ心配〜。〜労働が不要になっているからこそ労働者は社会保障なしには生活できないのです。
p224 BI(#ベーシックインカム)の給付額が多いと労働しない人が増えるでしょう。#労働が不要になるのでは??労働需要分以上には働きようがない。
p230 少子化は解消できないでしょう。#解消する必要ある?
p243 〜物事のなかに直接のよろこびを見出すことができる人、汗して働くことも紡ぐこともしない野の百合のような人を、尊敬するようになる。
#とてもいい。

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

AIが発達する2030年頃はベーシックインカムがないと貧富の差がつきすぎてヤバイらしい。著者は月7万円くらいあればよいと言っているが。

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Posted by ブクログ 2018年11月05日

人工知能はこれから飛躍的に発達するが、人間の知性全てを超えると予想することは難しい、という筆者の主張には説得力がある。全脳エミュレーション方式では人間の脳と同じ働きをするが非常に実現性が低く、今開発が進む全脳アーキテクチャ方式では、潜在的な感性・感覚・欲望の全てを拾い上げることができず、新しい尺度を...続きを読む発明し得ないからだ。加えて、人工知能は感覚の通有性や身体知を持ち合わせていないという点にも合点がいく。ただし、既存の仕事の多くを代替していまうくらいの能力にはなるということだ。
筆者は、これから人々の仕事が消えるというのだが、本当だろうか。需要にたいする供給が多くの分野で過剰になる可能性を筆者は指摘するのだが、現在圧倒的に供給不足の分野がある。それは、人と人との繋がりだ。定年後話し相手のいない人、一生独身の人、、、そうした人が増加している。携帯端末がどれほど値崩れしようと、若者の車離れが如何に深刻化しようと、仲間を求める人間の本質は変わるまい。VRのキャラクターが話し相手をするにしても、個人の生老病死を受け止めるほど高度化するとは考えにくい。民生委員や日曜教会、あるいは神社の氏子コミュニティのようなものが発展したビジネスが、21世紀の主要産業になるのではないか?そしてそれは、人工知能に最も代替されにくい職種形態であろう。本書はあまりに技術面に偏っており、歴史哲学からの切り込みが少なく、BIに関する議論には説得力がない。

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Posted by ブクログ 2018年10月29日

汎用AIが出てきて大概のことはAIによって代替できるが、人間の五感に基づくものは無理だろうという予測は納得がいく。
経済学者という肩書ではあるが、経済的な考察は浅いように感じられた。
所得税増税で賄うベーシックインカムというのはマクロ経済的にはわかるが、政治的に実現するとは思えない。どういう経緯をた...続きを読むどるにせよ中東の産油国のような低税率、高福祉国家が目指すべき未来なのではないかと思う。

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Posted by ブクログ 2018年07月29日

AIの話が中心かと思ったけど、マクロ経済学の話だった。
本書はAIが発達→労働不要→ベーシックインカムの流れになるとのことであった。
確かにAIの発展は労働不要になるかもしれないけど、僅か10パーセントだけが働く世の中が2045年までに到来するかわからない。

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