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Posted by ブクログ
AIがもたらす未来の姿を経済学的、哲学的視点から解説した著作。近代合理主義によって到来した資本主義社会は、汎用AIの普及によって終焉し、新しい経済=機械化経済が到来するとの実は構想は壮大な著作。もっと深掘りして読んでみたい印象で、新書ではなくハードカバーの大著として構成し直すべき著作。そういう意味でもったいない本です。ぜひ次作期待です。ただしベーシックインカム導入という方向性については「はてな」マーク。付加価値生産活動がもたらす「承認欲求充足」という根元的な効用=著者いうところの「至高性」についてもっと深掘りするとベーシックインカムとは別の世界観を展開できるのではと思います。
Posted by ブクログ
先生の本はこれで3冊読んだけど、やはりこの本を最初に読むべきでした。この本の前半が「人工超知能」に後半が「AI時代の新・ベーシックインカム論」でさらに展開されたような気がする。そういう意味では先に続く2冊を読んでしまって、改めてここに戻ってきて書くべきことも少ないような気もするけど、あとがきに書かれていたバタイユの話が印象的。バタイユは有用な営みに覆われた人生は奴隷的と考え、有用性の対極に至高性を対置している。なぜ、有用性が奴隷的なのかというと役に立つが故に価値があるものは、役に立たなくなった時点で価値を失うので、その価値が独立的でないというのだ。AIやロボットが進化し、人間にとって有用なことはどんどん機械によって提供されるようになる。故に人間の価値も有用であることではなく至高性があることに価値が見いだされるのだと解釈すべきらしい。何だか今の価値観を180度変えるような考えでもあり、またそういう時代が来る可能性を考えると、とても示唆に富む内容だったように思う。
Posted by ブクログ
参考になる新書だと思う。
後半に書かれているベーシックインカムについては賛否両論ありそうだが
資本を持つものが強くなるのは、AI化が加速したら尚更。
読んでいるといろんな映画でも描かれている内容を思い出す。
前半部には特に経済理論も参照にしながら人工知能技術が進化するとどういうことが起こるか
一般的な概要書と書かれていることは似ているかもしれないが、論理立っていて読みやすい。
Posted by ブクログ
人口知能がこれからの社会をどう変えていくのかについて論じている。人口知能は、今は特化型(目的に応じたもの)だが、いずれ人間のように、汎用型人口知能が開発されていくと指摘されている。
人口知能には言語の壁と生命の壁がある。言語の壁とは、抽象的な言葉の意味が分からないこと、生命の壁とは、感覚の通有性と身体知である。前者は、人間が共通して持っている感覚。例えば、レストランの接客中に現れたゴキブリは潰しても、ネズミは潰さないこと。後者は身体がないということ。
また、人口知能によって代えられない仕事としては、クリエイティブなもの、マネージメント系、ホスピタリティ系と言っているが、それらの仕事でさえ、汎用型人口知能に代替されるだろう。
最後のベイシックインカムには賛同できないが、全体的に論理的かつ説得力があり、読んでよかった本だった。
Posted by ブクログ
人工知能の技術が発展して、経済がどう変わっていくのかを話した本
納得感はあるけど、結構普通の視点であまり新しい発想というものはない。
結局ベージックインカムという結論出し。ベーシックインカムの弱者優位性が面白かった。特に子供のあたり。
肉体労働、事務労働、頭脳労働の3種類がある、ITにより事務労働が減っていく
そうして中央の事務労働層がへり、資産が2極化していく
人造肉は研究はされている
AIには欲望がない、もし持った場合にシンギュラリティが起きるだろう。人間の欲望とは方向が違う
イノベーションには2つの効果がある、この2つによりロジスティック曲線で成長する。
肩車効果:先人たちの知識を役立てることで発展すること
取り尽くし効果:発展が進み新たな発展がなくなっていくこと
クリエイティブ、マネージメント、ホスピタリティの仕事はAIに取られにくいと考えられている
月7万円ほどのBIがちょうどいいのではないか、暮らすのに完全に十分ではないが、基本的には生きていけそう
子育て世帯が今より大きな利益を得ることとなる
お金持ち、独身が比較的不利益を被ることになる。
Posted by ブクログ
著者の説明が非常にわかりやすい。それだけに、最終章でベーシックインカム(BI)に論点が移る流れが非常にわかりにくい。AIが高度に発達した社会にはBIが必要としつつ、筆者はAIが発達しない社会においてもBIが導入されるべきと主張しており、BIに対する主張にいささか唐突感を覚えた。