アンソニー・ホロヴィッツのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレホーソーン&ホロヴィッツシリーズの4作目。
相変わらず、文中に隠されているヒントをきちんと組み込めば、犯人も動機もしっかり判明するはずなのに、最後の伏線回収で圧倒される。俺みたいなヒネてないミステリー読者ってコスパ良いわぁ。
ホロヴィッツ作品なので本格ミステリーの醍醐味は言わずもがな。この作品の面白みは、イギリス好みのちょとヒネ(くれ)ったユーモアが満載されていること。ホロヴィッツ(ややこしいけど登場人物の方)のダメっぷり、被害者になる演劇評論家のクソっぷり、コケにされる警察官のイヤみっぷりとやり返されるカタルシス。
シニカルなオモロい描写に引き込まれているうちに、重要な手がかりを読まされ -
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Posted by ブクログ
なんとも凝った作りの作品。
評価は上下巻を通したもの。
この下巻では現実世界での事件を女性編集者が謎解きをする。上巻の作中作のフーダニットと現実世界の事件のフーダニットが見事に解き明かされるのだが、その鮮やかな切れ味に私は見事に騙され翻弄された。
構成が複雑なので、ミステリーを読み慣れてないと戸惑いを感じる可能性もあるし、上下巻に分かれているのが、登場人物の確認をするのに不便な所でもどかしくもあった。それがリーダビリティを損なったのは残念である。が、それを補って余りある傑作であるのは間違いない。主人公の女性編集者の活躍は良質な冒険小説を読んでいる趣きもあった。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレどこかに「名探偵アティカス・ピュント」シリーズが存在することを願わずにはいられない。というか読んでいる最中は、既刊8作が書店に並んでいると錯覚するほどだった!
スーザン編はわずかな導入のみで、ほぼ作中作であるピュント編のみの上巻。小さな村に住む各人の人生が田舎らしく面倒に絡み合う様が丁寧に描かれていて読みやすかった。登場人物をインプットするのに多少時間がかかったけど、ピュントとジェイムズ・フレイザーの2人の調査に同行できたようで楽しい調査パートだった。魅力的な世界観で、たしかにクリスティを思わせる。これで1作としても惜しくない作中作。パディントン発の列車で乗客の死に気付かないジェイムズ・フ -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻から続いて、ピュント編「愚行の代償」で始まる下巻。2度殺される話(1度目の殺人が失敗している話)自体は割とあるけど、そこから復讐に繋がる展開が見事だった。狂気じみた人間が犯人だと面白い。不穏な世界観のなかでも、ピュントの温かみのある人柄にはほっとした。
スーザン編は、1番怪しそうな奴は犯人じゃないのかと思いきや、やっぱり犯人だったという展開。ピュント編と比較すると生々しさが増していて、「いや浮気しすぎやろ」「カスばっかり!」と言いたくなるけど、そんな泥沼人間模様も楽しい。
ピュントもそうだけど、スーザンも推理においてその人の些細な言動から情報を拾い上げることが多くて、かなり洞察力が優 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズの続きがあることに気づいたので仕事帰りウキウキで購入。この作中作の形式で続編を出せるなんて、天才としか言いようがない。
カササギ殺人事件同様に作中作が丸ごと組み込まれているけれど、導入はスーザン視点で丁寧に描かれていたので前作よりも簡単に読めた。スーザンは相変わらず沢山の悩みを抱えていて、置かれた環境で必死にもがいている姿を見ると応援したくなる。また、前作にいたジェイムズ・テイラーとの再会も嬉しかった。あけすけな性格で、スーザンが好ましく思うのも理解できる(あけすけすぎるけど笑)。
作中作はピュントシリーズ3作目「愚行の代償」で、元妻のメリッサと同姓同名の女優が殺される展開には笑