澤地久枝のレビュー一覧

  • 記録 ミッドウェー海戦

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    澤地久枝さん著「記録ミッドウェー海戦」
    圧倒的な記録と資料が収められている作品。
    この作品の凄い所が当時の敵味方関係なくミッドウェーでの日米両軍の戦没者達の手紙や記録がそのまま収録されているところ。
    戦死者3418名の名前を記載し、遺族の手紙なども記載されている。

    作者は膨大な労力と時間をかけてこの作品を世に出された事と思う。作者がやらないと永遠にまとめられる事はなかっただろうと感じている。

    蓄読記録書として大事に保管していきたい。

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    2024年08月22日
  • 人は愛するに足り,真心は信ずるに足る アフガンとの約束

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    VIVANTを見ていて、ノゴーン・ベキから中村哲さんのことを連想しまして、本書を読みました。このような立派な方が実在したということを、忘れないようにしたいと思います。

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    2023年12月31日
  • 人は愛するに足り,真心は信ずるに足る アフガンとの約束

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    中村医師へのインタビューの記録だが、澤地久枝がその素顔に肉薄していて夢中になって読んだ。中村氏が医師から何故水路工事に転身したかだけでなく、硬く口を閉ざしていた家族のこと、自分の出自や思想形成のこと、果ては体重まで聞かれて、医師も「これほどのことは警察の調書でもないだろう」と苦笑するほどだ。ドキュメンタリー作家の底力を感じると共に、本当に惜しい方を無くした、この痛みは時間が経っても癒えることことはない、だからこそ平和に向かって少しずつ歩み続けなければならないと思わされた。

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    2023年04月25日
  • 妻たちの二・二六事件 新装版

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    二・二六事件で刑死、自決した青年将校21人、そのうち14人が未亡人を残している。歴史的な無機質な事実に立体的な視点を与えビビッドに伝える屈指のノンフィクション。

    筆者のデビュー作。既に出版から50年を経過。当時は当事者たちがまだ生きながらえていた頃。英雄的、悲劇的に捉えられるがちな青年将校を全く違った視点からものすところが素晴らしい。それぞれの人物が遺書や未亡人の話から、遠い昔とはいえ我々と同じように笑い、泣き、若い妻や幼き子を残す男の心情が立体的に浮かび上がる。

    ノンフィクションとしては古典的な部類かもしれない。今さら感もあるが、名だけ知っていた本書、じっくり読んでみて本当に良かったと思

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    2022年08月15日
  • 人は愛するに足り,真心は信ずるに足る アフガンとの約束

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    生き方の道標。バイブルになるような本。
    中村さんの私生活に触れている点が他と比べては珍しいとのこと。
    迷ったときには何度も読み返すこと。

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    2021年10月24日
  • 妻たちの二・二六事件 新装版

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    反逆者として死刑になった二・二六事件の青年将校たち。残された妻たちは、長く辛い日々をどう生きたのか。口を開かない、会ってくれない妻たちを訪ね歩き、胸の奥にしまった言葉を引き出した著者の熱意に心を打たれた。反乱軍の先頭に立てば命はないと分かっていたはずなのに、なぜ妻をめとり子をもうけたのか。読め読むほど男の身勝手がしみてくる。そして、過酷な運命に耐えて生き抜いてきた妻たちが美しく見えた。

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    2021年09月27日
  • 人は愛するに足り,真心は信ずるに足る アフガンとの約束

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    中村哲(1946~2019年)氏は、九州大医学部を卒業後、1984年にパキスタンのペシャワールに赴任し、ハンセン病の治療やアフガニスタン難民の診療に従事、その後、長年、戦乱と旱魃に苦しむアフガニスタンで、井戸・水路建設などの復興事業を行ってきた医師。NGO「ペシャワール会」現地代表。2003年にマグサイサイ賞、2018年にアフガニスタンの国家勲章を受章。2019年10月7日には、アフガニスタンでの長年の活動が認められ、同国の名誉市民権を授与された。2019年12月4日、アフガニスタン東部のジャララバードにおいて、車で移動中に何者かに銃撃され、亡くなった。享年73歳。
    本書は、戦争や国家を問う作

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    2021年10月04日
  • 道づれは好奇心

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    ネタバレ

     昭和5年9月3日生まれ、ノンフィクション作家、澤地久枝さん、4歳で渡満、敗戦で1年間難民生活、16歳の秋に引き揚げ、防府県立高女3年(1年ダブル)に編入。その後、昭24.3、向丘高女を首席で卒業。「道づれは好奇心」、2002.10刊行、2005.10文庫。28歳、38歳、64歳と心臓手術を3回、手術前夜、人生の締めくくりをしながら薬で眠ったと。石川啄木・節子夫妻の調査など、二人の関係年表と系図づくりが役立ったそうです。そして、調べることは徹底的に。同時に、手にした資料をすべて書いてはならないと。2002年、72歳、6回目の年女、カタクリの開花を見たくて、黒姫に一人旅されたそうです。私も今72

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    2021年07月27日
  • 一千日の嵐

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    1995年発行の本。だいぶ時間が経ってしまったけれど、今更ながら壁崩壊前後の東独の姿を知りました。「シュタージ」の恐ろしさや、少数民族の置かれた問題など、恥ずかしながら知らなかったことがたくさん。また現在のドイツに照らしてみると、ゆっくりとした変化に…ちょっと怖い気持ちが。

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    2018年02月28日
  • 人は愛するに足り,真心は信ずるに足る アフガンとの約束

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    アフガニスタンの診療所からに続き。
    先に概要を知ってから対談を読んだ方が、
    理解が進むかなと思っての順番でした。

    私には想像もできない活動をされている方、
    どんな方なのかと思っていましたが、
    応援せずにはいられない方でした。

    冒頭は家族や両親など、
    中村さんの生まれから始まりました。
    祖父にそっくりな中村さん。

    そこからアフガニスタンの話に入っていくのですが。

    文面の中から、
    目の前のことをコツコツと進めていくことの大切さ、
    相手の未来を想いながら行う現在の活動、
    さらにアメリカや日本、他国の干渉、
    それらに振り回されるアフガニスタンについて。

    現地を見ているからこそ重みのある言葉で

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    2025年07月21日
  • 妻たちの二・二六事件 新装版

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    当時の天皇派から見れば完全なクーデターまたはテロとして見られていて“悪“として扱われています。その妻の重責たるや想像に難く無いですね。

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    2024年04月12日
  • 人は愛するに足り,真心は信ずるに足る アフガンとの約束

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    岩波現代文庫
    中村哲 「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」 

    インタビュー形式で アフガニスタンの現実や自身のことを語った本。


    アフガニスタンのエピソードだけでなく、幼少期や家族の思い出や死、影響を受けた本や宗教などのインタビュー。自伝に近い


    自衛隊のアフガニスタン派遣について、対米追随により現地の日本人を危険に晒していると批判。国会に呼びつけといて、批判を取り消させる国会議員の態度は 残念



    「人間とは関係である〜その人とある対象との響き合いの中で自分というのは成り立っている」

    「組織というのは、ある事業を遂行するためのもの〜事業が成し遂げられれば、組織が続くか続かな

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    2023年06月25日
  • 妻たちの二・二六事件 新装版

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    「澤地久枝」のノンフィクション作品『妻たちの二・二六事件【新装版】』を読みました。

    二月ですからね… 二・二六事件関連の作品を読みたくなったんですよね。

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    “至誠"に殉じた二・二六事件の若き将校たち。
    彼らへの愛を秘めて激動の昭和を生きた妻たちの三十五年をたどる、感動のドキュメント。
    〈解説〉「中田整一」
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    昭和維新を目指し、二・二六事件を主導したとされて処刑された青年将校等の妻… 十余名の未亡人たちがどのような人生を歩んでいったのか?困難な取材を粘り強く重ね、足で歩いて検証したノンフィ

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    2023年02月21日
  • 妻たちの二・二六事件 新装版

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    映画「226」の公開に合わせ、30年ほど前に読んだけれど、
    ほとんど記憶にない。
    読むのに苦労したことは、何となく覚えている。
    わたしも若かったんだなぁ、といまさらながら感じる。

    酸いも甘いもかみ分けた、アラカンの今、
    正直、昭和の226事件で処刑された妻達の心持は
    歯がゆい。
    それは昭和の時代が遠くなったから。
    あの頃の女達は、この価値観や時代感覚で生きていたはず。

    それにしても、なぜ、あれほどの事件を起こす男達が
    妻帯したのか、女一人を路頭に放り投げるような人間に
    大仕事ができるはずがない。
    夫であった青年将校の甘さに、腹が立つばかり。

    向田邦子さんの親友であった、
    澤地久枝氏の渾身

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    2023年02月08日
  • 人は愛するに足り,真心は信ずるに足る アフガンとの約束

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    アフガニスタンやイスラム、タリバンというものをニュース以外の視点から知れる本。

    アフガニスタンという地理的にも世情的にも日本から遠く離れた国、その国で暮らす人々について、その一端を中村哲医師の視点を通して知れたのがよかった。
    凶弾によって亡くなられたことが残念でならない。

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    2023年01月24日
  • 人は愛するに足り,真心は信ずるに足る アフガンとの約束

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    書名に惹かれて、思わず手に取った。
    亡くなったニュースだけ聞いて“日本のお医者さんが異国の地で大変な仕事をなさった”と漠然と思っていたが、異国の地も、大変さも、何ひとつ自分はわかっていないことを知った。
    これを読み、私に今すぐ何かをしろと先生は別におっしゃらないだろうけど、人類だの国際協力だの環境問題だのといった空虚な哲学より、まず自分と家族と隣人へ何ができるかから考えていこうと思った。

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    2022年11月14日
  • 昭和とわたし 澤地久枝のこころ旅

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    ネタバレ

     昭和5年生まれ、澤地久枝さん「昭和とわたし」、2019.9発行。戦前~戦中(満洲)、敗戦~引揚げ(棄民)、日本の戦後(異郷)。植民地の姿は容赦ない弱者淘汰、満州でのいい身分での生活。敗戦、戦争に負けた日本は満洲にいた人々を見棄てた。この話は、著者の他に、藤原てい、五木寛之らによって語られています。そして、外地から帰った日本人は余計者であり異端者であったと。どこに住んでいても大変な時代だったと思います。この他、出会った人や考えたこと、心の海にある記憶、向田邦子さんのことなどが語られています。
     節子が完成させた啄木の人生。志村喬が亡くなり、夫人は高倉健に「健さん、わたし死にたい」。「自分は明日

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    2021年06月03日
  • わたしが生きた「昭和」

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    澤地久枝 「 わたしが生きた昭和 」

    昭和前史(一次大戦後の金融恐慌から二次大戦の敗戦まで)における自伝。敗戦の姿や満州国の実態を市民目線で論述している。

    昭和前史の軍人が作った時代 を映したノンフィクション。時代を受け入れざるえない市民の弱さも感じる。

    永井荷風のように時代と無関係に生きることが どんなに凄いことなのか実感した。


    著者の結論「縁あって一つの時代を地球で生きる仲間として、どうすれば共生と平等が可能か、知恵のかぎりをつくしたい。最大かつ絶対の条件が平和である」


    「昭和を考えるとき、満州をぬきににして その歴史はない。満州を含めた中国との関係が 昭和前史の基調としてあ

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    2019年11月01日
  • 14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還

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    1930.9.3生まれ(俵萠子さんと同じですね)ノンフィクション作家澤地久枝さんの「14歳 満州開拓村からの帰還」(2015)を読みました。敗戦後外地からの引き揚げがいかに大変かは、藤原ていさん(1918.11.6~2016.11.15)の「流れる星は生きている」などで伺ってますが、この作品は、著者が14~15歳で、満州において、安楽な暮らしから一夜にして修羅場の世界(襲撃・強姦・栄養失調・・・の世界)に叩き落とされた経験を語っています。「女は髪を切れ、男装しろ!」大変な時代でした。

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    2017年06月01日
  • 14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還

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    読みやすいとは言い難い本であった。
    少女の経験が断片的にただ淡々と語られてゆく。
    それは作者の記憶の中の恐怖と関係しているように思う。
    執筆することも苦痛であっただろう。
    わたしは日本が戦争に向かっていっている気がしてならない。

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    2015年12月22日