管啓次郎のレビュー一覧

  • 星の王子さま

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    星の王子さまのあり得ない物語や奇跡を、最初は主人公と同じく半信半疑で読んでいるが、主張に意外と筋が通っていて、読み進めるに従ってすっかり信じ込んでしまう、そんな本だった。ファンタジックでおとぎ話的なな世界観がとても心地よい。

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    2017年09月03日
  • 知恵の樹

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    フランシスコ・ヴァレラの「身体化された心」に分からないながら、大きな刺激をうけ、きっとこちらのほうが入門的な著作に違いないと思い、読んでみる。

    書きぶりとか事例が多い所とかは一見分かりやすそうだけど、やっぱりいまいち既に分かっている以上のことは、分かるわけではない。翻訳も一見わかりやすそうだけど、実のところ、それほど親切なわけではない。

    浅田彰が前書きを書いていることに象徴されるが、これってすごくニューアカ的な文脈で、分かろうが分かるまいが、それらしい知的な感じがすれば良い、という感じの本になっている気がした。

    その辺が、原書自体のムードなのか、翻訳のムードなのかは不明。

    書い

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    2017年05月01日
  • 星の王子さま

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    狐のみんな忘れてるけどっていうところがいいなと思いました。これは忘れて欲しくないという意も込めているのかな。ベタだけど、やはり狐の言葉が気に入りました

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    2017年01月08日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    ネタバレ

    自分で料理している時、主人公のことがふとよぎる。
    その瞬間の自分のことを顧みさせて貰える。
    真摯に材料をかけあわせているかどうか。
    わたしも主人公が口にしてもなんとか飲み込んで貰えるものがつくりたい。。
    でもこわいな。
    ひとに食べてもらうってほんとはそうなんだろう。
    ひと をすきなひとが書いた物語だなと思う。
    ひとを全身で理解しようとするのは愛がないととても無理だから。

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    2016年10月14日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    最初の、お誕生日にリクエストした、チョコレートのアイシングがたっぷりかかったレモンケーキ(なんて美味しそうなんだろ)を食べて、「ママとパパ、けんかしたの?」
    と、ママの寂しさ、空虚感に気づいてしまうシーン!これを読んだらもう最後まで知りたくなる。小さなローズの繊細さ、食べ物に、特に母の作る食べ物にとらわれる日々。

    その中で父のおかしな習性、天才肌の兄と素敵な兄の友人ジョージ、近親相姦のように兄に固執する母。
    ローズ自身もそんなに簡単に友達とやって行くことも出来ない… 毎日がハッピーだと思い込んでる人たちとは違い、この家族が大好きだ。

    不思議なアイテムがいろいろ登場する。それらに気をつけて読

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    2016年08月16日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    九歳の誕生日の週、ローズは食べ物の中に潜む味がわかるようになった。

    チョコレートチップは工場製なので、かすかに金属的で上の空みたいな味がするし、バターは室内で飼われた雌牛からとったものなので、ゆったりとした味わいに欠けているーーーこうした材料のすべてが遠くでぶんぶんと唸るような音を立てていて、ぜんぶを混ぜてドウをこねた職人さんは、怒っていた。

    サンドウィッチがあなたに愛してほしいって、

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    2016年06月25日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    "ガーリーもの”好きな人たちには、とっても受けそう。
    感じやすいって生きにくいんだけど、そのずっとずっと先に違う地平もあるんだよ、と言ってあげたくなる。

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    2016年06月07日
  • 星の王子さま

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    想像していた王子と大分イメージが違った。王子は、無邪気で素直な子供。大人と違い色々なものが見えている。大人にもその柔軟性って必要なんだと思う。

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    2015年05月23日
  • 星の王子さま

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    ネタバレ

    『愛する相手との、どうすることもできない離別を経験したことのあるすべての人に、この翻訳をささげます。2011年、東日本大震災の40日後に。訳者』
    (訳者あとがきより)

    必要に迫られやっと手にした一冊ですが。
    初めての【星の王子様】なんですが。
    一番新しい訳書ですかね…あわわ。
    しかし!
    ちび王子とぼくのお話。
    いやぁ、悲しいです。楽しいです。そして悲しいです。
    今はいろんなトコロで見られるサン=テグジュペリのこの挿絵。やはり本を読むと、可愛く思えてくる。
    いや、可愛いですよ?!私は特にゾウを消化するボア
    が好きです。とても上手です。

    ふと【かもめのジョナサン】を思い出す。

    星の王子様

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    2015年01月25日
  • 知恵の樹

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    1200円以上の価値。文庫でこの値段は恐ろしいかと思いますが、価格以上の値段だと思います。
    本書は、『なめらかな社会とその敵』著者による推薦書で、オートポイエーシスの理解を深めることができるそうです。できるそう、というのは生物学の専門書のため非常に難解で、発散と収束を細かく繰り返して読まないと、ハテ?となってしまいます。ぼんやり分かったようで分からない、多分何回も読まされることになるかと思いますが、根気良く読みたいなあと思います。
    広く様々な分野に応用できるよう記述されているので、どの分野の方にもオススメですね。特に理工系やマネジメント層に読まれると良いのではと思います。
    挿絵が多く、また綺麗

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    2013年05月04日
  • 知恵の樹

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    オートポイエーシス理論の原理的な入門書。浅田彰が序文書いてるんやと、読んでびっくりした。ルーマンは難しいという人にはまずこっち読んだほうがいいかも。

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    2013年04月13日
  • コロンブスの犬

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    「旅行記」なのに「旅行」らしくない。

    誰の記録?誰の記憶?いつの?どこの?主不在の不思議な読み物。

    若さ、青さ、思考、思想が。引用が詰まっている。

    管さんが行った当時のブラジルと今のブラジルは全く別のモノになっているだろうけれど、でも、やっぱり何も変わっていないようにも思える。そういう不思議な土地というイメージがある。

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    2013年01月18日
  • 狼が連れだって走る月

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    旅をして、自らの足で歩くことで世界を感じとっていくこと。自分の人生で話す言葉を自分で編みあげること。
    ちょっとした旅行だけれども、旅に出る前のこのタイミングで読み終えられて良かったと思う。
    ほんのすこしだけでも、むかしの自分じゃなくなるような旅がしたい。そう思った。

    個人的に前から抱えている、アメリカ南部~メキシコ界隈への異様な憧れというか幻想が広がるばかりの内容だった。
    西の地平線に沈む赤く燃える無償の光。濃密な空の青。乾いた冷たい風。そして砂漠。ああ憧れる。いつか行ってみたい。
    軟弱体質なのでそこに土着するのは無理だけれど。

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    2012年11月18日
  • 狼が連れだって走る月

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    詩人の書くエッセイは、一つ一つの言葉に独特の輝きがある。
    特に、第4章の「水なき大洋の日没」は秀逸。この部分だけでも、ぜひ読んでほしい。
    アルバカーキに行ってみたくなった。

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    2012年10月05日
  • 野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ

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    書き出しの、未開民族もほぼ携帯電話を持っていて、グローバル化、「人類全てがお互いの存在を知っており、関与しようと思えば関われる状態」にあることは凄いことだと思った。影響を及ぼし合い、ある意味均質化してゆくことは避けられない。
    その中で、土地に根ざした民族文化を守ることが喫緊の課題であるという主張は説得力を持つ。
    特に、歴史的に見ても数十年の文明社会の維持のために、数千年積み上げられてきた土地の記憶を捨て去ることは、相変わらず土地や風土は存在するだけに、違和感を感じるし、文明が自然に適応するためでなく、頭でっかちにバランスを欠いて進んできた危うさを感じざるを得ない。
    インディアンの世界観が、現在

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    2012年07月20日
  • コロンブスの犬

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    どんな本と言えばいいのだろう。
    小説、詩集、書簡、比較文化論、そして旅行記。
    あまりに詩的な言葉に溢れた不思議な本。

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    2012年02月16日
  • 知恵の樹

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    難しい。何度も開いては諦めた。言葉の表面を追っていても全く理解できない。言葉だけでなく感覚的になんとかシンクロしていていかないといけない。ちょっとわかった気がしてやっぱりわからない本。

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    2012年01月12日
  • 知恵の樹

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    グレゴリー・ベイトソンの「精神の生態学」を生物学の方面から解釈しなおしたような感じ。サイバネティクスの系譜。

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    2011年05月01日
  • 知恵の樹

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    西垣通の「基礎情報学」の中心的な概念だったオートポイエーシス理論がよくわからなかったので、それならと読んでみた。

    で、読んだ結果は、わかったようなわからないような。自律的な個体として自ら環境との境界を作り出していく…というようなイメージだろうか。そうした個体がそれぞれ相互作用で大きなレベルの運動が生まれる…と。読んでいるあいだ、オブジェクト指向とかリゾームとか電子ブロックとかが頭に浮かんだのだけどこのイメージであってるんでしょうか。

    理解はあまりできていないけど、それでもすごく刺激的な内容だった.認識について考えますよーとはじめに宣言したかと思えば、細胞の発生や振る舞いの話をしだす。それが

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    2010年09月12日
  • 知恵の樹

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    マトゥラーナとヴァレラによるオートポイエーシス本。
    既知の概念を捨てる覚悟で望まないと難解なとこもある。

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    2009年10月04日