管啓次郎のレビュー一覧

  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    9歳のお誕生日に、お母さんが焼いてくれたレモンケーキを食べた時に、少女は奇妙な味を感じた。
    彼女は食べ物を通じて...というちょっと変わった設定から始まる物語。

    彼女はその感覚を除けば、ちょっと感受性豊かな、でも普通の女の子。
    そして、彼女には兄とその友人がいる。
    彼女の不思議な感覚、そして繊細な兄、優しい兄の友人。

    それぞれの登場人物がおそらく何かの意図を持っているのだろうけど、私はアメリカのこの手の文学作品は、苦手分野。

    でも、読んでおいて頭の中にしまっておくと、ふとなにか思いつくことがあって、そして読み返すと、その文章の持つ意味がわかったような気がすることがある。
    きっとそんな作品なんだと思う。

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    2016年08月10日
  • コロンブスの犬

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    旅とはなんだろうか。一体旅に目的が必要なのだろうか。観光するだけが旅なのか。なぜ人は旅をするんだろう。

    「移動とは特権的な体験であり、愚劣さと楽しさ、臆面のなさと勇気が、そこではしょっちゅうとりちがえられる。」p72
    「あらゆる現代の旅行者はコロンブスとの連続性を生きている。」p119

    記憶に刻みたい言葉が溢れている。音楽的で、流れるような文章である。

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    2014年09月14日
  • 野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ

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    アメリカインディアン、アラスカなどの先住民の暮らしを「土地と暮らす」と表現し、現代の私たちの暮らしは「土地と切り離されている」と表現する。この本は2013年マザーのイベントの露店で購入。キャンプは、「土地と暮らす」暮らしといえると思う。土地と切り離された暮らしがいかにそれたけで摩耗するものか、根本的な動物としての必要なものが欠落している暮らしだと感じる。だからこそ、定期的に、山へ川へ、平原へ行き、「土地」を感じる必要があるのかもしれない。それは確実に私たちに力をくれるものだから。
    ※筆者の表現について…冗長なくどい表現力が多く、美しい自然が文体から浮かび上がるというよりは、くどい表現が鼻につき残念。巻末の漫画とのコラボは面白い。

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    2013年09月08日
  • 野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ

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    前半部というか、190pくらいまでは菅啓次郎さんの書きもので、
    残りの40pくらいが小池さんによるナバホ族の神話を描いた漫画です。

    本書を読んでいると、人間というものは機械じゃない、
    熊や蜂や猫と同じ生き物なのだから、
    自然の中で生きるのがすごく厳しいことだとしても、
    地球を俯瞰する視座でみてみたら、自然の中での生活が一番適当なのではないかと思えてきました。
    町や村も含めて、現在の人間の暮らしというのは、
    自分で農耕や採集や狩猟をしない都市型(市場経済型)の生き方をしている。
    それって、僕の言葉でいえば、
    人間が自身のために作った温室のようなシステムにひきこもって
    生きているようなものかもしれないです。
    温室にこもって、自然と対立する立場をとるのが、今の先進国の人たち。
    もっといえば欧州型の考えに席巻された人たちのとる立場。
    温室には温室の利点がありますが、そういった生活によって失われる、
    人間の野生性というものがあります。

    アメリカの広大な土地に住む、いくつものインディアンの部族たちに
    伝わる神話や伝承、そしてそれらに基づく生活、生き方の哲学、世界観。
    土地に密着し、土地に溶け込むからこそ生まれる、
    土地と人間が食い違いを起こさないような考え方に満ちているように思えました。
    本当に、インディアンの人たちは、自然をリスペクトしているし、
    自然を損なってまで利益を得ようとするような、
    欲の皮の突っ張った考え方をしない人たちだと思います
    (そういう人たちが多いと思う)。
    それでも、部族の儀式は読んでいるだけで痛く感じるくらいですし、
    その部族に生まれたかったとは思えません。
    仏教の苦行のようなものがそこにはあるようです。
    また、太陽を特別視するところなどは、
    古代エジプトに通じるものがあります。
    そのあたり、人類学の知識のある人は比較してみたら面白いのではないでしょうか。

    最後に。
    書きもの担当の菅さんは詩人でもあるということで、文章がやはり
    そういう趣のあるものでした。かといって、論理がないというわけではなく、
    逆に論理の整合性をしっかり精査して書いているようなところもあります。
    しかし、後半部になるにつれてそういった趣のある「味」は薄まっていって、
    説明文的な文章の「味」が強くなっていったように感じました。
    まぁ、僕が疲れたためにそう感じたのかもしれない。

    まとめると、自然と対立していくようなライフスタイルは
    僕もあまり好まないかな、ということです。
    そして、10代の頃ならば「遅れてるな」と笑い飛ばしたに違いない、
    アニミズム的な価値観(動物、植物、鉱物、星々などすべてに魂があるという考え)に
    ついてすら、その感性にYESを言いたい、ということです。

    話は変わりますが、黒人大統領が誕生したアメリカに、
    いつかインディアンの大統領が誕生しませんかねぇ。
    そういう日が来たら面白いと思います。
    それも、アメリカの大量消費、自然との対立の価値観に毒されていない、
    インディアンらしい人物がなったらいいな、なんて思ったりもしました。

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    2013年05月24日
  • 野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ

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    わたしたちが、自然を畏れ、敬い、その恵みに感謝することの大切さを忘れてしまって、いったいどのくらい経つでしょう?現代社会が如何に仮想的で、実態を伴わないものであるかということに、改めて気づかされる1冊でした。
    なにかを決めるとき、7世代あとの人々のことを考え、その人々に対し責任を負うものでなければならないという考えが、原野で暮らすインディアンの基盤にあったということに驚かされました。
    人間もまた自然の一部であり、この世界の片隅で生かしてもらっているという事実があるにもかかわらず、わたしたちはあまりに多くのものを破壊し、捨て去り、置き忘れてきてしまいました。自然を支配し、利用しようという思い上がった態度に気づいていながら、すでにもう後戻りできないところまで来てしまいました。
    素朴でありながら、深く真理を見通したような、彼らの思想に似たものを、かつてはわたしたちも持ち合わせていたはずです。手遅れかもしれませんが、いまいちど考えてみる機会になりました。

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    2011年06月28日
  • 知恵の樹

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    全体としては非常に面白いんだろうけど(そんな予感はする)
    あまり読んでて面白くないというか、難しい。
    分かったようで分からない。
    でもオートポイエーシス、分かりたい。

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    2010年04月05日