管啓次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言うまでもなく星5の名作。
翻訳は菅 啓次郎。
全てではないが、過去ほかの人に訳された星の王子さまを読んで言えることは、私は菅 啓次郎の訳する星の王子さまが1番好きだ。
菅 啓次郎 の訳する王子さまの一人称は「オレ」。
相手に対しても「あんた」「お前」と、イラストだけでイメージしていた王子さまからは想像できない言葉遣いである。
ただ呆れたようなセリフが嫌味のような、拗ねたように聞こえたりもしておもしろい。
星の王子さまを読むなかで、1番すんなりイメージが湧いたのは菅 啓次郎の訳したこの1冊。
色んなな翻訳の星の王子さまを楽しむひとつの方法だと思う。
いくつかはモノクロだが、挿絵のカラーが -
Posted by ブクログ
圧倒的bible。
p.105〜116きつねの話が好き
ーーきみがきみの薔薇のためだけに使った時間が、きみの薔薇をあんなにもたいせつなものにするんだよ
ーー心で見なければ、よく見えないっていうこと。大切なことって、目には見えない
p.138
ーーどこかの星にある一本の花を愛しているなら、夜、空を見つめてやさしい気持ちになれる。すべての星で花が咲くんだ
p.139
ーーおまえが夜に星を見上げるとね、その星のひとつにおれが住んでいるせいで、その星のひとつでおれが笑っているせいで、おまえにとってはまるですべての星が笑っているように思えるはずだよ。笑う星たちを手に入れるわけさ!
きっと読むた -
Posted by ブクログ
「たくさんの笑った星を所有する」
大好きな言葉です。この本が教えてくれました。
星の王子さまといえば大切なものは目に見えない
という言葉が有名ですが…それよりもキツネが
懐くとはどういう事なのかと教える場面が
私は大好きです。「懐く」とは、例えば秋の日に
収穫間際の小麦畑を見て、その黄金色を見て
王子さまの髪の色を思い出すことだと…。
主人公の「ぼく」は星の王子さまと出会う前、
星を見上げてもそこには綺麗な星がある
だけだった。
しかしこんど夜空を見た時に沢山ある星の中に、王子さまの住んでいる星がきっとある。たくさんの笑うスズが輝いている。それを見て暖かく特別な気持ちになる。「懐く」は大切な -
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私たちが日常当たり前のように、空を見て空だと認識し、地を歩いて歩いていると認識している。これは誰から見てもそうなのか?絶対的な意味で本当だろうか?
こういうと、相対主義の話かと思うかも知れない。
本書の位置づけは、相対主義でも実存主義でもなく、その狭間の理解困難な道をとる。生物の誕生から原核生物、単細胞、多細胞、神経の発生を、環境とセンサーの相互作用として記述するオートポイエーシス理論を展開。そこから更に生物個体間の相互作用、言語、社会と拡大し、最終的には私たちの認識する世界は何か?の答えに行き着く。
フラクタルな論旨の展開で細胞から社会意識まで一気に駆け昇る旅を終えるとき、身体の細胞一 -
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エイミー・ベンダーは、はっとするような言葉で読者を引き寄せたりしない。訥々と単純な言葉を重ねてゆく。けれどもその言葉の組み合わせが穏やかではないので、とても非日常的な物語が展開する。しかしそれもよくよく眺めてみれば、誰にでもある小さな違和感を少しだけ別の出来事のように描いてみせるだけなのだ。決して大袈裟に言ったりしないだけで。
sensitiveとtoo sensitiveの間のどこに線を引けばよいのか、という問い掛けが日本の読者に向けた作家の文章の中に出て来る。恐らくその疑問に対する物語であることが本書の全てであり、結果として、自分を取り巻く世界に対して生まれて初めて抱いた違和感が、実はま -
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ネタバレ2014/12/16 再読完了。
「ボク」が「おれ」になったり「きみ」が「おまえ」になったり、「キツネ」が「きつね」になってりするだけで人物像がまったく変わってしまうのだなあと感心する。
自分のことを「おれ」と言い、大人である相手のことを「おまえ」と呼ぶ推定4~5歳のクソ生意気なガキの「ちび王子」。
この「ちび王子」のことが僕は大好きだ。
今まで色々な訳者の翻訳を読んだが、やはり菅啓次郎版が一番しっくりくる。 「王子さま」より「ちび王子」。
見事な翻訳である。
浅岡夢二版は文学的、童話的であるが菅啓次郎版は漫画的と言ってもいいのではないだろうか。