管啓次郎のレビュー一覧

  • チェルノブイリ家族の帰る場所

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    心は決して廃墟にはならない。
    1986年4月26日に起きた、チェルノブイリ原子力発電所の恐ろしい事故。
    そこに住んでいた人、チェルノブイリで作業し亡くなっていった人々、そしてその子供達。3世代の家族について描かれた作品。福島で今起きている事も含め、繰り返してはいけない事。うまく言葉が出てこないですが、しっかり知る事は大事。更に強く思った。

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    2012年03月06日
  • 野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ

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    これは新たな視点で世界を見るきっかけになった。ものすごい世界観だった。

    私の身近では、マクロビオティックやオーガニック、スローライフに視点をおく傾向がある。だけど、そもそも、どうしてそうすることが必要であり、その根源にあるものが一体何かは混沌としていた。
    それが、まさかアメリカ・インディアンの人々に関連しているなんて!

    私が住んでいる世界は、「都市」であり「土地」という観念はない。しかし、その「土地」は、アイデンティティとみずからの存在の「意味」をも含有するものであるのだ。

    ものすごく印象的だったのは、人間における自己定義のメカニズムについて。それは、差異化と同一化の二つ。差異化ばかりを

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    2012年01月20日
  • コロンブスの犬

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     著者の処女作で、著者のブラジル滞在中に書き綴られたアフォリズム的な断章や詩、友人への書簡や他の作家の作品からの引用が、そぞろ歩きの足跡のように連ねられている。それは一見旅行記のようではあるが、そう呼ぶのは相応しくない。それは「旅行」なるものを否定したところに成り立っている、ほとんど書くことと一つになった旅の痕跡と呼ばれるべきではないだろうか。実際著者はこう述べている。「旅と記述は、たしかに似ている。ほとんどおなじものだといってもいいくらいだ。紙に書くか、地表に見えない足跡を書くか。どちらにも、賭けられているものは〈自由〉だった」。どの方向へ一歩を進めるか、どのような一句を継ぐか、誰にも、もし

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    2011年12月18日
  • 星の王子さま

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    「星の王子さま」2冊目。
    管さんの訳で、ようやっと物語の筋が明確になった。
    これで、夏休みの宿題の感想文も書けそうだ笑

    それにしても、訳によって、心への響き方がこんなに違うものなんだなぁと改めて思い知らされた。
    でも、もしかすると、心への響き方が違うのは、そもそもこの本自体が、色々な読み方、解釈ができる万華鏡のような本だからなのかもしれないな。

    なお、「ウワバミ」とは「ボア」のことだった。

    ♫卒業 -GRADUATION-/菊池桃子(1985年)

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    2025年10月17日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    他の人の感情がわかればいいのに、と思ったことは何度かあるが、やはりそれはそれで苦労が多いと思う。
    寂しさは誰もが感じる感情で、それを癒すことができたら相手は頼りにするかもしれないが、自分の寂しさは癒えることがない。Sensitiveとover sensitiveの区切りがどこからか、という箇所が印象に残った。

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    2025年05月18日
  • 野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ

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    南北アメリカの先住民の生き方を学ぶ一冊。自然を敬い、集団の一部としての義務を果たしていこうというもの。何か大きな決断をするときは7代先の子孫まで影響を及ぼすことを考えるとか、生きることは祈ること(太陽の光、いのちの水、食べ物になる動植物に対する祈り)という謙虚な姿勢。人間は音でできているのだから、人の話は聞かねばならないという態度にも心があらわれる感じ。自分は誰なのかというときに、どこどこのものですと言えるほど、地に足をつけているのかという問い。

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    2025年02月09日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    セリフにカギカッコがない

    エイミーベンダーはやっぱり文学的だなぁと思うし、表現が好きです!
    この本読んで、レモンケーキ作りたくなったので作ったんだけど、CHA-CHA-CHAを聴きながらるんるんで作ったのでそんな味がするのではないかと思います

    ローズとジョージの関係性が私のなかで嗜好でした

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    2024年06月14日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    独特なさびしさ、というタイトルそのまんまの読後感。これがさびしいってことなんだと思う。すっきりしなくて、飲み込めないけど、いつか分かる日が来るんだと思う。「すぎる」と「足りない」の間の線について。

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    2022年12月06日
  • 知恵の樹

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    ネタバレ

           -2009.02.24

    システムが自分自身の組織を形成し変化させていく閉じた環のなかにとどまり、その徤環をよき環として捉え直そうというオートポイエーシス論の提唱者たる二人の原理的入門の書。

    <いかにして知るのか>を知る

    ぼくらの経験が、いかにぼくらの<構造>にしっかりと結びついているか-
    ぼくらは世界の「空間」-客観的・外在的な-を見るわけじやない。ぼくら自身の個別の視野を、生きているのだ。
    反省的思考-Reflection-[=反映]とは、ぼくらが<いかにして知るのか>を知るプロセスのことだ。
    それは自分自身に向かって帰還してゆく行為だともいえる。それは自分の盲目性を見い

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    2022年10月23日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    まさに感受性という言葉にぴったりな物語だった。表現という表現がセンシティブ(本来の意味で)すぎる。このお話を読んでいるとまるでローズが何か人の作った食べ物を食べた時のようにローズの感情を感じられて、だんだんローズと同調してくるようで、一気に読むには少し重かった。少しインターバルが必要。文章の意味を追わずに表現だけをうっとりと眺めていたいと思った。

    時折登場人物が「へい(Hey?)」というところだけ翻訳が気になった。舞台がアメリカと考えれば自然(?)な呼びかけか。

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    2022年03月28日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    食べ物から作った人の中身を読み取ってしまう9歳の少女ローズが、その能力故の辛さを抱えながら成長していくストーリー。
    ローズの天才的な理系少年の兄は成長とともに、自分より優秀な少年達が多く存在することを知って内にこもっていく。その兄には説明も理解もし難い能力がありローズだけがそれを理解する。
    この特殊な兄妹に対して両親は基本的に普通なので、このストーリーを現実世界から浮遊させることなく読み進めます。
    ローズの未来に希望を感じつつ、兄のことが気になって、心にざわざわ感が残りました。

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    2021年06月01日
  • 星の王子さま

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    ネタバレ

    お花の気持ちなどは考えた事がなかったので、素敵な視点で物語が進んでいて良かった!
    また何年後かに読むと、新たな発見がありそう。

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    2021年03月23日
  • 星の王子さま

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    この王子様の一人称は『おれ』。攻めてる訳に好き嫌いはあるけれど、3冊読み比べてみて一番ズキューンとなった。

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    2021年02月20日
  • 星の王子さま

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    訳者 菅啓次郎
    自分のことを「おれ」と言う王子もなんか良かった。

    愛する相手との、どうすることもできない離別を経験したことのあるすべての人に、この翻訳をささげます。
    とあり、刺さりました。

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    2020年09月10日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    ネタバレ

    本当にこの人の翻訳がとても読みづらくて苦手。でもエイミーベンダーの小説の雰囲気は好き。でも私が読んでいるのは翻訳版のみ。結局私はこの読みづらい翻訳の雰囲気が好きなのか?

    "そんなにちがったことだったのだろうか、私がまだ工場で作られ自販機で売られる食べ物を食べるのを好んでいたことは?… そのころ私は十二歳くらいだった。学校であの自販機がなかったなら、いったいどうやって一日を過ごせたことか、わからなかった。私は、ありがとうというお祈りを自販機にむけ、毎晩それに商品を補充する人、また商品を買う人にもむけた。
    それははたしてカードテーブル用の椅子を選ぶことと、それほどちがったことだったろう

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    2020年09月01日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    ネタバレ

    特殊能力やアリエナイコトが起こるこの物語を、ただ深い意味のないファンタジーと捉えることもできるかもしれない。
    でも、誰かの心の中で起こることは、その人の中での真実。現実とそうでないことの境目は、常に曖昧だ。自分には信じられないからと、それを嘲笑ったりたしなめたりすることが、なんの役に立つのだろう?
    著者のエイミー・ベンダー氏に、「あなたはどこまで他人の真実を受け入れられますか?」と聞かれているようだった。

    “食事はあいかわらず食事だし、食べ物はあいかわらず決まったはじまりと終わりのあいだにある、そして私は自分に食べられるもの食べられないものを自分で決められる、と。そして父の場合は完全に避けて

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    2020年06月28日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    面白かったです。エイミー・ベンダーの本を読むのは久しぶりでした。
    料理を食べると、作った人の感情が解ってしまう力を持つローズが哀しくも、でも料理に携わって生きていこうとする光を感じました。
    彼女の家族もつらくて…ローズの兄のジョゼフは世界を手離して、椅子になってしまうのでしょうか。そこがよくわからなかったのですが、この作者さんらしい不思議さでした。
    空気を読む、とかのレベルでなく、人の感情が解ってしまうというのは大変な能力です…人の秘密や、知りたく無いことまで知ってしまう、というのは悲劇です。
    それでも絶望せず、最後は進む道を獲得するローズが眩しかったです。ローズの能力を知っている、ジョゼフの

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    2019年08月23日
  • レモンケーキの独特なさびしさ

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    おもしろかった。半分くらいご飯の話していた気がするけど、主人公の能力の影響で、読んでいてもお腹がすいてこなかった。著者のあとがきの「感じやすい人々」という表現はなるほどそうかと思った。どこか発達していると人の感情の機微に気が付きやすくて、生きづらい。うまい呼吸の仕方を見つけられる人もいれば、特定のものごとを避ける人も出てくるし、もちろん生きていけない人もいる。そういう話なんだなあと思った。
    訳のせいか元々の文章のせいか分からないけど若干読みづらい文章だった。

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    2018年07月17日
  • 星の王子さま

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    小学生の頃初めて読んで、
    大学生の時に授業の課題で読んで、
    社会人になってからも、たまに読みたくなる。
    大事な一冊。

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    2018年06月17日
  • 星の王子さま

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    小さな王子の旅からいろいろ学び取れる本。
    読むタイミングタイミングで感じ方が違うと思うから定期的に再読したい本。

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    2017年11月24日