庵田定夏のレビュー一覧
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
シリーズ2冊目になり5人のキャラが掴めてきて読みやすくなった。今回は顔と名前も一致したままだし。
それにしても、最後の伊織と稲葉んの感情むき出しの応酬、伊織の言葉が激しく胸を打つ。実際この状況でこんなに爽やかに終われるか?とも思うけど、察しがいいことなんて重要じゃない。本気の言葉って必要なんだなと。
前作とは逆に稲葉んの脆さと伊織の鋭さが際立った。5人のナイーブさの描写が秀逸で、徐々にネガティブ思考の深みにおちていく様とか非常に細かい。しかもそれを5人分掻き分けている。
唯を復活させるための青木も大活躍したし、ライトノベルとしては予想を裏切る良作だと思う。 -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
今回問題となるのは、<欲望解放>という、無意識下に抱いている自己の欲望を表面に押し出す現象だ。
これは非常に怖い。本文でも述べられているが、いつ何時、何をしでかすのか分からないのだから。「あなたは何を望んでいますか?」という問いが与えられたとして、的確に答えることができるだろうか?多くの場合は曖昧になってしまうように思われる。「何を望みますか?」ならその場で考えて答えを出すことができるが、突発的に望んでいることを問われても、自分の中で明確なものを導き出すことは容易でない。そこでは理性や感性といった様々な要素がひしめき合っていて、どれが本当に望んでいることなのか、確信を持てないのである。まあ、だ -
-
Posted by ブクログ
ココロコ、現時点での最新刊。
ラスト前を感じさせる展開でしたね。
今回は、久々に伊織たんが光っていました。
てか、彼女に一番感情移入できた。
ひとまず太一君&唯たんの、とりわけ太一君には
全く感情移入できず、「○○のためにしてあげたい」て
単語だけで虫唾が走るほどでした。
皆のためなんて、してあげるなんて、思い上がってる時点で
「それ自分のためだから!」て。
行動しようとすることが間違いというよりは、それを誰かのためと
思い上がること、その責任を背負ってないことが
間違いなんですね。
稲葉ん達の考えが正しいというよりは、彼等は「自分の意思」で
「自分のため」と覚悟していた点において勝って -
Posted by ブクログ
ネタバレココロコ本編5巻目、通巻6巻目。
前回の「クリップタイム」で加わった二人が主役です。
今回は、本の250ページあたりまでが苦痛でした。
ビフォアーの千尋君のイラつくこと。
イライライライラしまくった答えを、紫乃たんが突きつけ、
それが彼の胸にすとんと落ちるシーンにはスカっとしました。
人に向こうもこっちもないに決まってんだろゴルァァァァァ!
と思いながらも、彼の愚かな考えを責めることが出来ない、
おそらく読んだ人の誰もが彼のような想いを少なからず抱いている
というこの鋭さ。参りました。
そして、紫乃ちゃんも千尋君も乗り越えていきますが、
それくらいの力のある「人の言葉」。
安く使ってはい -
-
Posted by ブクログ
これがココロコネクト・・・だと!?
前回、なんか微妙とか思っててすみませんでした(土下座
今回はラスト目前らしくいよいよ太一のターン。
毎回文研部のメンバーが追い込まれて追い込まれてから解決する展開だったけど、地の文である主人公がガンガン追い込まれるのは読んでて辛いものがある。
力を与えられた自己犠牲野郎・太一が正義のためと思って行動するがそれによって多分シリーズ上最も険悪な対立を生むことに。特に稲葉との距離が遠い、遠すぎる・・・
周りの生徒たちを片っ端から救っている一方一番近い存在だったはずの稲葉が見ててわかるほど追い込まれているのに救わない(救えない)というのが痛い。
なんか心をかなり -
Posted by ブクログ
今回は主人公的存在の太一に焦点が当てられます。
修学旅行を前に、二年である太一達に進路問題がのしかかります。
文研部の他の二年部員は差はあるものの先を見ている中で
漠然とした進路すら思い浮かべられない太一は焦りを覚えます。
そこに今迄数々の不思議な現象をもたらし、
彼等を悩み苦しませたふうせんかずらが現れ告げます。
「これで最後です」と。。
今回ふうせんかずらによって仕掛けられた現象は
文研部以外の人達の願望が見えるというものでした。
此まで自分達に直接発生していた現象とは正反対の状況に
部員達は戸惑いを覚えます。その中で部の頭脳たる稲葉は
皆に現象が起こり、願望が見えたとしても何もしない -
Posted by ブクログ
今回は感情が伝わってしまう騒動です。
その中で過去の家庭の事情から、人付き合いで装う事に固執するようになってしまった伊織が、感情を露呈させられる事により、暴走してしまいます。
太一との恋愛もその中で潰え、伊織とその他4人との心理的葛藤が重々しく続きます。
伊織が極端に暗黒に陥った事で、却って4人はそれへの対応に悩まされ、個人的な葛藤は消化でき易くなっており、仲間との絆を強くさせていく足がかりとなっています。
恋愛、友情とを交錯させながら、重々しかった問題は、最後には青臭くも熱く、清々しい結末へと向かい、羨望感すら感じました。
今回が一つの区切りとなった印象ですが、今後新たな関係が出来 -
Posted by ブクログ
1巻は絶賛するほどでもなかったですが、個人的には好感触だったので2巻も購入。相変わらず伊織がヒロインしてます……と思ったら!
(原作読んだことないけど)漫画版では伊織推しなのかと思ってましたけど、稲葉んが盛り返して来ました。というか稲葉ん素晴らしいです。思考回路が僕と同じです。僕が稲葉んだ!
1巻のときは話自体はそんなに……みたいな感じで書きましたけど、というかそういう風な体で書きましたけど、2巻は話も深まってきて面白かったです。単純に稲葉んの気持ちに共感すること大だったというだけでなく、その話のラストの稲葉んの発言に興奮しました。性的な意味で。
話が進むにつれてキャラへの愛着も増してき