大栗博司のレビュー一覧
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著者は2022年ノーベル物理学賞を受賞。
著者がノーベル賞受賞者というと、内容は難しいと思いがちだが、意外にもこの本はそうではない。むしろ、「えっ」て思えるほど面白い。
本文中にやたら出てくる「量子のもつれ」。1935年シュレディンガーによって命名されたが、これはとても不思議な現象。素粒子の世界で普通に起こる現象で、お互いに衝突した2つの粒子が、遠く離れてもなお緊密に結びついている。そして一方を観測すると、もう一つの粒子がどんなに遠く離れていても影響を与えるという現象。
これ、理解できるだろうか?あのアインシュタインでさえこの現象を「不気味な遠隔作用」と言い、気に入らなかったようだ。
でも、この本では、ビリヤードの球に例え説明する。この辺の説明が上手くて、分かり易くしているんだなあと思う。
この現象を利用したのが、量子コンピューターであり、量子テレポーテーションらしい。こんなこと思いつくなんて人間でホントに凄い!
この本に書かれていることを100%理解しなくてもよい。むしろそんなことできっこない。1割程度の理解でいいと思う。「量子のもつれ」。この言葉さえ理解できたら、この本を読んだ価値は十分にあるといえるだろう。
ノーベル物理学受賞者に不思議な世界を案内してもらおう。税抜き1,480円で。 -
Posted by ブクログ
「重力とは何か」
多くの人がふと疑問を抱いたことのあるこの質問に対して、可能な限り平易に、かつ詳細に答えてくれる本です。
物理をまともに学ばずに今まで生きてきたので、読むのに難儀しましたが、世界の見え方がまた変わった様な気がする、、そんな読書体験でした。
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■質量を持つものは時空を曲げ、物体の運動に影響を与える。
■重力子という素粒子が時空を曲げているという仮説がある。
■素粒子は色々な種類のものがあるが、同種の弦の異なる振動によって性質が別れているだけという理論があり(超弦理論)、その弦は10次元(9次元の空間+時間)で働いていると考えられている。
■重力を含む3次元で起こっていることは2次元面に投影されたデータの写像であるという仮説がある(ホログラフィー原理)。
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正直、自分が世界に対して持っていた認識と大きく乖離していた為、「いや、そんな筈ないでしょ。。」と何度も思いましたが、何れも有力な仮説ということで、文字通り、世界観をぶん回される感覚でした。重力というから、何か磁力のような力で引っ張られているとばかり思っていたのに、まさか、生まれてこの方、曲がった時空の影響下にいたなんて。。無知の知ではないですが、知れば知るほど、自身の無知を思い知らされ、だからこそ面白くて興味の尽きない分野だと改めて思いました。
またアインシュタインの有名なE=MC^2を固定相場制で説明するなど、比喩を用いて、分かりやすく説明する方法についても学びになりました。
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Posted by ブクログ
パズル雑誌ニコリのおすすめ本コーナーに載っていたので知った。ハーバード大学の一年生向けに開講されてきた『物理学、数学、パズル』という講座が元になっている本とのことで、まー難しいことは予想できたし実際読んでみても難しすぎてお手上げなんだけど、でもなぜか一応目を通してみたいと思ってしまう魅力がある。
なにが魅力かといったら、やっぱり宇宙と哲学のロマンですよ。SF好きの心も刺激される。もちろんそんな甘々な覚悟では歯が立たない。理解しようと思うことは早々に諦めて、匂いだけ嗅がせてくださいねという感じでふわーっと読んだのだが、書かれている言葉やフレーズにたまに私のロマンセンサーが反応することがあり、するとそこをきっかけに(著者の想定とはきっと重ならないと思われるような)怪しげな思索の旅が始まったりするのが楽しかった。
そんなわけなので、正直なところ星がいくつとか評価できるような読み方はしていないのだが、本国アメリカでの出版が二〇二〇年、日本語版が二〇二二年十月とまだまだ新しい本なので、最前線という点でも価値があるのではないだろうか(読んで意味がわかる人にとってはなおさら)。また、パズル(クイズといっても良い)を通して物理学や数学の考え方を知るというアプローチも面白い。パズルも私はほとんど解けなかったけど、子供のころもよく科学クイズ本を読んでいたなあ、なんてことも思い出した。その頃も、解かずに解答ページを読んで楽しんでいた。
我ながら、何を読んだかわからないくらい飛ばし読みしておいてよくこんな好意的なレビューが書けるものだと、非常に訝しい。数式も多いし、本当にわけわからん本だったのに、なぜか楽しい。
以下、備忘用に章名とちょこっとメモ。
■対称性と保存則
・対称性は不変性
・連続対称性がひとつあるごとに、それに対応した保存則がひとつ必ず成り立っている(ネーターの定理、1918)
■対称性の破れ
・「利き手」も対称性の破れだとか。じゃあ日本文化のアシンメトリー主義は???なんつて
■単純で抽象的な数学のパワー
・問題に課された制約条件だけで解けるとか
・グラフで表すと正から負に移動していくから0を必ず通るとか
■直観に反する数学
・数学者(厳密)物理学者(近似が好き)工学者(現実的)ジョーク
■物理的直観
・物理的直観は磨ける
■直観に反する物理
・「量子力学は直観に反する」やっぱり。
・その手前の、アインシュタインまではいずれ理解したい…。
■双対性
・わからん。が、今アツいみたい。 -
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宇宙の仕組みを解明する手法のアナロジーとして、パズル問題が提示される。問題は取り組みやすくなるが、解法は簡単には思いつかない。解法は納得できるものと、理解できないものに2分される。
特に理解できない解法は、説明の丁寧さが欠けることが多く消化不良になる。
本書では双対性の概念が紹介されている。どこから手を付けていいか皆目わからない、膨大な計算が必要そう、という複雑な問題を、この概念を使うことで単純化した問題に置き換えるアプローチは面白い。まえがきには「スイカの重さの99%が水分だったとします。1日置いたら水分が蒸発して、98%が水分になっていました。スイカ全体はどれだけ軽くなったでしょう?」という問題が書かれていて、巻末にはその答えがあり「全体の重さは半分になった」とあり、その説明がされています。シンプルに考えられることが、ヒラメキに繋がるヒントになるのかもしれない。 -
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理論物理学方面のブルーバックス。
数学と物理学は相互に関係しながら発展してきた。例えば、マックスウェルが電磁気の方程式を統合しようとしたときに、数学的な矛盾を解消するために変位電流を導入した。そこから電磁波(光)の存在が理論的に予言された。そして光速が不変であることを数学的に満足させようとすると相対性理論が生まれた。
現代の超弦理論では用いられる数学も抽象的で高度なものになっているが、その数学的エッセンスを抽出してパズルとしてわかりやすく楽しく理解しようというのが本書の趣旨。とくに対称性や保存則を用いた鮮やかな解法が魅力的だ。物理の本なのでパズルだけでなく、それがどのように物理と関係しているかの解説も興味深い。 -
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物理学者の思考法
岐阜の商店街で育った少年時代の話が面白い
両親が働く店の奥で勉強。商店街の中にある本屋に行ったり。
●考える材料
自分の頭で考えるためには、その材料である知識も重要です。知識が乏しくては自分の考えを豊かに広げることができません。
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●先人の教え
東島清
自らの知的好奇心に忠実であれ
佐々木閑との対談
「どんなものでも機能が発揮できるときが幸せなのだ」
アリストテレス『形而上学』
すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する。
トマス・アクィナス『真理について』
人間の究極目標は、宇宙とその諸原因の全秩序が霊魂に書き記されること