大栗博司のレビュー一覧
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「重力とは何か」
多くの人がふと疑問を抱いたことのあるこの質問に対して、可能な限り平易に、かつ詳細に答えてくれる本です。
物理をまともに学ばずに今まで生きてきたので、読むのに難儀しましたが、世界の見え方がまた変わった様な気がする、、そんな読書体験でした。
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■質量を持つものは時空を曲げ、物体の運動に影響を与える。
■重力子という素粒子が時空を曲げているという仮説がある。
■素粒子は色々な種類のものがあるが、同種の弦の異なる振動によって性質が別れているだけという理論があり(超弦理論)、その弦は10次元(9次元の空間+時間)で働いていると考えられている。
■重力を -
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パズル雑誌ニコリのおすすめ本コーナーに載っていたので知った。ハーバード大学の一年生向けに開講されてきた『物理学、数学、パズル』という講座が元になっている本とのことで、まー難しいことは予想できたし実際読んでみても難しすぎてお手上げなんだけど、でもなぜか一応目を通してみたいと思ってしまう魅力がある。
なにが魅力かといったら、やっぱり宇宙と哲学のロマンですよ。SF好きの心も刺激される。もちろんそんな甘々な覚悟では歯が立たない。理解しようと思うことは早々に諦めて、匂いだけ嗅がせてくださいねという感じでふわーっと読んだのだが、書かれている言葉やフレーズにたまに私のロマンセンサーが反応することがあり、 -
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宇宙の仕組みを解明する手法のアナロジーとして、パズル問題が提示される。問題は取り組みやすくなるが、解法は簡単には思いつかない。解法は納得できるものと、理解できないものに2分される。
特に理解できない解法は、説明の丁寧さが欠けることが多く消化不良になる。
本書では双対性の概念が紹介されている。どこから手を付けていいか皆目わからない、膨大な計算が必要そう、という複雑な問題を、この概念を使うことで単純化した問題に置き換えるアプローチは面白い。まえがきには「スイカの重さの99%が水分だったとします。1日置いたら水分が蒸発して、98%が水分になっていました。スイカ全体はどれだけ軽くなったでしょう?」とい -
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理論物理学方面のブルーバックス。
数学と物理学は相互に関係しながら発展してきた。例えば、マックスウェルが電磁気の方程式を統合しようとしたときに、数学的な矛盾を解消するために変位電流を導入した。そこから電磁波(光)の存在が理論的に予言された。そして光速が不変であることを数学的に満足させようとすると相対性理論が生まれた。
現代の超弦理論では用いられる数学も抽象的で高度なものになっているが、その数学的エッセンスを抽出してパズルとしてわかりやすく楽しく理解しようというのが本書の趣旨。とくに対称性や保存則を用いた鮮やかな解法が魅力的だ。物理の本なのでパズルだけでなく、それがどのように物理と関係してい -
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物理学者の思考法
岐阜の商店街で育った少年時代の話が面白い
両親が働く店の奥で勉強。商店街の中にある本屋に行ったり。
●考える材料
自分の頭で考えるためには、その材料である知識も重要です。知識が乏しくては自分の考えを豊かに広げることができません。
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●先人の教え
東島清
自らの知的好奇心に忠実であれ
佐々木閑との対談
「どんなものでも機能が発揮できるときが幸せなのだ」
アリストテレス『形而上学』
すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する。
トマス・アクィナス『真理について』
人間の究極目標は、宇宙とその諸原因の全秩序が霊魂に書き記されること