大栗博司のレビュー一覧
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Caltech の大栗先生のブルーバックス本。空間・時間とはの問いかけから始まる。3次元空間とか温度とかはミクロな世界の「ひも」の織りなす深遠な物理学の一端であり、人間はその「幻想」を見ているに過ぎない。科学的な興奮と、世界の真理を理解することへの途方もないハードルを同時に味わえる。物理を階層構造で捉える要素還元主義。ある階層で生じた無限大の問題を、よりミクロな階層へと先送り(無知の仕分け)する「くりこみ」の手法は理論でよく聞いたが、sweep under the rugだった(ただ、他の分野に手法として転用されて生きてる、経済物理学とか。通信にも使えないか。)量子力学の不確定性原理による距離
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想像してみてください
何処か南国のビーチにいて、ヤシの木陰のチェアに寝そべって、太陽は煌めき風はそよぎ波は穏やか
そんなゆっくりした時間を楽しみながら、友達や恋人と「あーのどかだわー」とかおしゃべりしてるそんなときも、
そこの地面、猛スピードで動いてますからっ
※地球の公転速度は秒速約30キロメートル!!
個人では絶対見えないことや感じられないことを知れるから、たまに宇宙の本を読みます
Imagine this:
-You’re on a tropical beach, reclining in a chair under the shade of a palm tree.
-The -
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感銘深い内容であり、著者が類稀なる才能の持ち主であることが伝わってくる。理論物理学者でありながら、知的関心の分野の幅広さと、その深さに驚きを持ちながら読み進めた。才能ゆえに、学問を探究する上で恵まれたコースを歩み、日本に閉じこもることなく、文字通り世界を股にかけた活躍は爽快でもある。素粒子論の究極の理論と思われている超弦理論に早くから刮目し、取り組んでいた先見の明は素晴らしい。基礎科学は地図のない旅に例えられるが、正しい方向に進んでいるのか、果たしてゴールはあるのか、不透明ななかを手探りで進むが、10年先、20年先で成果が見えることがあり、比類なき精神力とともに粘り強さが求められる。短期的な成
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「大栗先生の超弦理論入門」大栗博司
分子はランダムに運動しているのでエネルギーの値も常に揺らいでいるが、膨大な数の分子が集まると、エネルギーの平均として近似的に一定の値をとり、それを我々は温度と捉えている。
氷と水の区別のように、「温度」という概念は二次的なもの。温度とは分子の平均エネルギーの現れにすぎない。分子のレベルで温度という概念は消滅する。
つまり、温度とはマクロな世界に住む我々が感じる幻想。空間もより根源的なものから現れる幻想であるというのが超弦理論。
我々の身の回りにある全ての物質は素粒子の標準模型に含まれる17種類の点粒子(素粒子)の組み合わせでできているとされている -
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ハーバード大学の1年生向けの講義で使っているテキストというので、難しいのだろうと覚悟して手に取ってみた。
確かに難しいが、いくつかやってみたところ、どの問題も考えることはできる。
こんなパズルの本が欲しかった。という内容で面白い。なので買った。
難しいと感じる理由の1つに、問題自体の意味がわからないというのがある。
例えば、「半減期が1時間の放射性物質がある。3時間経過すると、この放射性物質はどれだけ崩壊するか。元々の全体量に対しての量を答えよ。」
みたいな問題だと、「半減期」「放射性物質」「崩壊」を知らないと考えようがなく、答えを見ても理解できないだろう。
本書のパズルは、問われている -
購入済み
名人による超弦理論の解説
超ひも理論(超弦理論)の最前線の研究者である大栗教授の入門書。素粒子の既存の標準理論の説明から説き起こして、超弦理論の到達点までを順序立てて説明してくれている。音は空気が無いところでは存在しないし、色彩も可視光線の波長未満の大きさでは存在しないように、超弦理論の帰結では3次元空間も幻想であり、時間もそうかもしれないというところまで連れて行ってくれる。この人は素人にごまかし無しで難しいことを説明する名人じゃないかと思う。研究者として優秀であることと解説者として優れていることはなかなか両立しないが、両立している貴重な例かと。
この本を読んだ後は素人の自分でも、ちょっと超弦理論について語れそうな気 -
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ブルーバックス「南部陽一郎物語」を読んで、積読本だった本書を手に取りました。がんの転移の可能性を指摘されたタイミングで、ずっと避けていま研究人生の回顧録を執筆したとのこと。結局、転移もなく、この本が生まれたのは若い世代にとっては幸運でした。物理を学ぶ学生だけではなく、まだ進むべき道を見つけていない若者にとっても良書だと思います。まさに、書名通りの「探究する精神」が小学生の時から発現し、その知的好奇心が研究人生をドライブして来たことが、丁寧に書かれています。知的好奇心の道標が、本であり大栗博司版「ぼくはこんな本を読んできた」になっています。最初に通った近所の本屋さんの名前が「自由書房」っていうの
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超弦理論の話は研究者時代の話であるが、小学生時代から大学生、大学院生、大学での職について書かれている。したがって科学に興味があってもなくても自分の生活と科学の関係を考えることに役立つ。
それよりも、本文で紹介される本が特殊な本ではなく、誰でもが一度は聞いたことがある有名な本で、しかもそれが文庫として紹介されている。わずか83冊であるが、これだけを読むだけでもだいぶ考えることが増えるであろう。
京大の下宿に1000冊の本があり、大学院を卒業する前には5000冊になったと書かれている。
本もかなり吟味されてここで引用されているので、いんようされた本を読む価値は十分にある。
今、1000冊の