神野直彦のレビュー一覧
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はじめの章は抽象的でわかりにくかったですが、後半の章は具体的になってきてわかりやすくなってました。(それでも、かなり難しかっったです)
日本の財政は、税金と社会保険から成り立っているけれど、この二つのバランスが悪いようです。
困難な立場にある人たちへの支援が、現在の日本の財政では上手く届かないのかな、とこの本を読んで思いました。
おそらく、今の財政を根本的に変えなければこれからの日本はうまくいかないと思いましたが、今の政治家たちは国民から信頼されていないから、そういう改革はできないと思いました。
そうなると、私個人では、将来のために少しでも節約して蓄財しないといけないのかな、と思いました。 -
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前半でギブアップしそうになるも、後半は圧巻。思想の領域、とも感じました。反復して噛みしめたい、自身にしみこませたい言葉が多発です。
日本の課題も新鮮な角度から見つめ直すことができました。「新しい資本主義」「全世代型社会保障の構築」。もっと深めていくことが重要ですね。
変容というより転回。創造・革新。大正デモクラシーならぬ令和デモクラシー。未来が楽しみになりました。
読後感は「税は国家なり」です。
ことあるごとに北欧国家と比べていますが、規模感やら歴史風土やら、日本のマッチするのかはよくわかりません。けれども、目指すべき国家観というか、ビジョンを輪郭明解に示していくことは急務である、というこ -
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(2012/7/10)
神保 哲生, 宮台 真司, 神野 直彦, 高橋 洋一, 野口 悠紀雄, 波頭 亮, 大野 更紗, 武田 徹
「日本の財政再建のためには消費税増税はやむを得ない」という輩が増えている。
お叱りを受けるかもしれないが、私はこれは官報複合体のなせる業だと思っている。
記者クラブメディアはいつの間にか増税やむなしを連発しており、
その記事の、放送時間の量に従って、増税やむなしが増えている。
物わかりがいいというかなんというか。
本当に国を憂いているのか、生活にゆとりがあるのか、増税デメリットがある立場にいるのか、、、
その真意はわからないが、そういう方々にはまずこの本を読んで -
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この本を読めば税金の事や予算の事など、今までわかっていたようで全然わかっていなかった事が少しは見えてくる。
特に勉強になったのは、政府がやるべき事と民間がやるべき事の区別について。言い換えると、お金を儲けてはいけない部門とお金を儲けてはいけない部門の区別。日本は小さな政府を標榜するあまり、お金儲けをすべきでないような公共部門まで民間にやらせすぎではないかと筆者は指摘する。
もう一つ面白いと思ったのは消費税と所得税の役割の違いについて。
消費税は低所得者ほど負担感が強いのでその税収は低所得者への福祉に使われるべき。福祉国家と言われる北欧はその形にしている。一方アメリカは、消費税が安い(無し -
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ネタバレ大切なことがやさしく書かれている本。
日本はどんな理念のもとに未来を築こうとしているのか、財政という観点からすると、とても不可解。
自分は、セーフティネットが充実した、お互いに助け合って行ける社会を希望。
そのような社会は、失敗してもすぐ立ち直れる、チャレンジできる社会になる。
そのような社会を実現するためには、税金や社会保障費は高くてもかまわない。
ただ、税の取り方は、所得税や法人税が先。
そして、まず、儲かっているところから取るべき。
消費税の増税はその次。
今の消費税の増税論は、赤字国債の穴埋めを目的としているとしか思えない。 -
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財政というテーマで、今の日本の現状が俯瞰でき、我々一人一人がなすべきことを示唆してくれる評判通りの良書。私が特に印象に残ったのは次の2つ。
P89 「スゥーデン国民は『貧しい人も税を負担してください。そのかわりおたがいに助けあって生きていきましょう』と考えているのです。・・・一方、アメリカは『所得が少なければ税も少なくていい。そのかわり自己責任で生きていってください』という国なのです」誰がどのように負担するか、という事は「どういう国にしたいか」という事を我々国民が選択して、それにふさわしい制度を設計しなければならないということがわかる。
P134 「国家の借金は・・・いま国債を持っている人 -
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神野直彦『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書, 2007)
▼ 高校生くらいでも読める財政(学)入門書。
▼ 第2章の税の話が明快。
▼ 第5章の国債の話が面白い。日本政府の国債はほぼ内国債であり、また資産も多くあるので、大した問題ではない。問題は、政府が予算の1/4を借金返しに充てている点、またそのことが所得再分配に反してしまう点にある、と。
「財政の借金が大きくなると、財政がこの所得再分配の機能を果たせないどころか、逆再配分の機能をもってしまうということです。なぜなら、国債をもっているのはお金持ちの階層です。したがって、国民からとりたてた税金を、国債の借金返しに使えば、一般の国民