神野直彦のレビュー一覧
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序章の「人間生活を問いなおす」で、「地域社会再生のシナリオ」は二つに分岐しているとして、「市場主義」によるシナリオと「市場主義にもとづかないヨーロッパ型の地域再生の道」(4p)と書く。
工業社会から情報社会へと転換するエポックに発生する地域社会の変貌で、」工業都市は衰退し、地方都市は荒廃する」とする(5p)。
「環境と文化による地方都市再生」(6p)のうえに、「人間の生活の場を創造する」(16p)と展望を示す。
「工業社会の苦悩」を再生するには、「情報・知識社会への転換に、地域社会がいかに転換するかにかかっていてる」(32p)が、「工業社会の行き詰まりは、世界経済の限界を物語っている -
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世の中が、「工業社会」から「知識社会」に変貌を遂げる中、地方からの工場流出が止まらず、地域社会は衰退の一途を辿っている。そのような流れに歯止めをかけ、それぞれに個性が輝く地域再生はいかにすれば達成されるかを論じた著作。
重要なのは「持続可能性」。フランスのストラスブールが自動車立ち入り禁止区域をもうけ、公共交通機関の利用を促進した。
自動車でないと行けないような画一型ショッピングセンターではなく、地域に根をはった商店が人々の生活の場として息づく。
地域の事は中央政府に決められるのではなく、地域自身で決める。(地方に財源を!という筆者のかねてからの主張)
これからの日本社会はどうあるべきか、とい -
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財政について、外観できる入門書。ジュニア新書ではあるが、シニアというかかけだしの公務員にも役立ちそう。もっとも、官僚には耳の痛い点が少なくないかも。
「江戸時代に共同の財布はあったか」。家産官僚制と依法官僚制下の「財布」の意味合いの違いを示す。
公務の中身を、1)秩序維持の施策、2)生活を支えるセーフティ・ネット、3)市場経済が動いていくための条件整備の施策、に位置づけ(38p)。
そのうえで、市場原理にゆだねてよい領域と、市場原理にゆだねる両機ではないものとを≪あいまい≫にすることの是非を問う。
財政が膨張する要因を、家と生業の分離、労働市場の二極化に求める。共通することは、家 -
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ネタバレタイトル通り、財政のしくみがわかる本です(笑)
財政とは?財政の役割とは?財政の何が問題なのか?など、非常にわかりやすく解説してありました。
財政の特徴…歳出が先に決まり、それに基づいて歳入を決める量出制入は、経済学部出身の僕は知りませんでした(笑)
現行の所得税率を批判している所は共感できます。しかも欧米先進諸国のデータも掲載しているので信憑性は高いです。
蛇足ですが、広井良典さんも日本の所得税率の設定を批判しています。ついでに言えば消費税の増税にも噛み付いています、一律負担は公平負担と言いますが、実は逆進性を伴っている。などなど。。
あと、日本の財政赤字は外国債を発行していないため、国家破 -
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ネタバレ[ 内容 ]
好況時は過重労働、不況時はリストラ。
私たちはまるで経済に従属して生きているかのようだ。
これは本来の姿なのか?
現在の閉塞状況は「構造改革」で打開できるのか?
いまこそ人間に従属する経済システムをつくる絶好の機会であり、それが閉塞打破のカギにもなる。
社会、政治、経済の三者のあるべき形を提案する、斬新な経済社会論。
[ 目次 ]
1 経済のための人間か、人間のための経済か
2 「失われた一〇年」の悲劇
3 行きづまったケインズ的福祉国家
4 エポックから脱出できるのか
5 ワークフェア国家へ
6 経済の論理から人間の論理へ
7 人間のための未来をつくる
[ POP ]
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ネタバレ[ 内容 ]
地方自治体は膨大な財政赤字を抱え、地方の都市は均一化して特色を失い、公共事業以外に雇用がない…。
地域社会は生活の場としても労働の場としても魅力を失い荒廃している。
本書ではその再生に成功したヨーロッパの事例を紹介しながら、中心的な産業や重視する公共サービスなどがそれぞれ異なる、めざすべき将来像を提示する。
そして日本型の生活重視スタイルを財政・政策面からどのように構築するかを提言する。
[ 目次 ]
序章 人間生活を問い直す
第1章 工業社会の苦悩
第2章 市場社会の限界
第3章 財政の意味
第4章 日本の地域社会の崩壊
第5章 財政から再生させる地域社会
第6章 税制改革の -
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[ 内容 ]
自治体の財政赤字がふくらみ、国の借金も世界最高になっている。
なぜ、赤字になったり、借金が増えるのだろう?
国や自治体の予算はどのように決まるのだろう?
税金の体系はどうなっているのだろう?
それらの疑問に答えながら、財政のしくみと今かかえている問題を解説し、地域のニーズを実現する財政のあり方を考える。
[ 目次 ]
1 財政って何だろう
2 予算って何だろう
3 税はどんなしくみになっているのだろう
4 どんなところにお金を使っているのだろう
5 借金は財政にどんな意味をもつか
6 国と自治体の関係
7 いま財政がかかえる問題
8 財政の未来像をえがく
[ POP ]
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雑感
この前読み終わった。
○人間回復の経済学 神野直彦著 岩波新書
以下雑感。
単なるブームという可能性はあるのだろうか。(あるのか無いのかを管理人は知らないわけだが)
80年代だったろうか、日本型経営が非常に賞賛されて「輸出する価値がある」などと言われていた時期があったと聞いたことがある。
同じような感じで今は「スウェーデンに学べ」ということになっているだけということはありえないのか。
とはいえ、倫理面からのアプローチは好きだ。ユートピアだ、という指摘も聞こえてきそうな気もするが(つまり現実性が無い)、
いや、しかし倫理面からの接近はどんな経済理 -
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日本社会事業大学現学長である著者がバブル崩壊前後の日本経済施策をバッサリと切り捨てる。20年近く前の論旨が今の状況にも当て嵌まってしまっていることを実感せずにはいられない。
「財政民主主義といわれるように、財政は民主主義にもとづいて運営されなければならない。「主」とは支配する者を意味する。民主主義とは民つまり統治される者が、主つまり支配する者になることを意味する。」
「知識社会における生産性の向上には、二つの要素が重要になることがわかる。ひとつは、個人的な知的能力である。もうひとつは、知識を自由に与えあう人間のきずなである。前者の個人的能力と、後者の人間のきずなをあわせて「知識資本」と呼ぶと、