ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
地方自治体は膨大な財政赤字を抱え、地方の都市は均一化して特色を失い、公共事業以外に雇用がない……。地域社会は生活の場としても労働の場としても魅力を失い荒廃している。本書ではその再生に成功したヨーロッパの事例を紹介しながら、中心的な産業や重視する公共サービスなどがそれぞれ異なる、めざすべき将来像を提示する。そして日本型の生活重視スタイルを財政・政策面からどのように構築するかを提言する。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
正直言って、特に税の部分は不得手であるので、難しかった。 が、今の地方創生に通ずる。ていうか、そのものであった。 10年以上も前に書かれている。さすがは、神野先生だ。
財政学的な視点から地域再生を論じた一冊。 地域財政の自立が、税制度によって妨げられている一面があることによって、その地域の特色を汲んだ政策が困難となり、国の「誘導的な」政策を受け入れざるを得ないという現実がある。 結果、画一的で非効率な政策の実施につながり、地域から文化や生活機能が消失していく。
ヨーロッパの地域社会の再生には「サスティナブル・シティ」がキーワードに進められているそうです。本当に豊かな生活とは何かということに考えさせられます。
第一に欲望かニーズかの問いかけ。第二に社会資本という言葉の意味が現在の日本でどのように捉えられているのかということについて。
序章の「人間生活を問いなおす」で、「地域社会再生のシナリオ」は二つに分岐しているとして、「市場主義」によるシナリオと「市場主義にもとづかないヨーロッパ型の地域再生の道」(4p)と書く。 工業社会から情報社会へと転換するエポックに発生する地域社会の変貌で、」工業都市は衰退し、地方都市は荒廃する」と...続きを読むする(5p)。 「環境と文化による地方都市再生」(6p)のうえに、「人間の生活の場を創造する」(16p)と展望を示す。 「工業社会の苦悩」を再生するには、「情報・知識社会への転換に、地域社会がいかに転換するかにかかっていてる」(32p)が、「工業社会の行き詰まりは、世界経済の限界を物語っている」(37p)として、「工業社会と市場経済はメダルの表と裏」ともする。「不可分」ということかも。 著者を承知したのは財政学の読解をすすめた著書を通じてであった。その領域ではワグナー(1835-1917年 独)を紹介し、(1)市場経済の外側にある非市場経済も考察の対象、(2)コミュニティ=地域共同体を重視することを紹介(48p)、 政府機能を「法律または権力目的分野」と「文化または福祉国家目的」分野に分類している、とする(52p)。そのうえで「文化または福祉国家目的」とする政府機能が拡大すれば、地方分権を推進せざるをえない(54p)と論を展開。 耐久消費財の登場で「社会システムの市場化が飛躍的に推進」(59p)とは、産業機能の代替が進行し、家族の破たん、「共有しなければいけない価値や信念を培養するため実施されていた教育訓練が不可能」(となったと指摘する。 「地域社会の崩壊と食料自給率」の項目で、「文化に誇りがあれば、食生活も地域に根付く」(83p 食生活が画一的で大量生産される食物へと激変して「食生活に文化がなくなり」とも述べる)。 本書の読後に思った。 戦後、アメリカ社会への追従を急ぎ、伝統的蓄積を変革する国是を選んだように思える。結果、自動車は購入してくれるアメリカから、我が国は食料輸入でこたえる仕組みができあがったのでは、と。
世の中が、「工業社会」から「知識社会」に変貌を遂げる中、地方からの工場流出が止まらず、地域社会は衰退の一途を辿っている。そのような流れに歯止めをかけ、それぞれに個性が輝く地域再生はいかにすれば達成されるかを論じた著作。 重要なのは「持続可能性」。フランスのストラスブールが自動車立ち入り禁止区域をもう...続きを読むけ、公共交通機関の利用を促進した。 自動車でないと行けないような画一型ショッピングセンターではなく、地域に根をはった商店が人々の生活の場として息づく。 地域の事は中央政府に決められるのではなく、地域自身で決める。(地方に財源を!という筆者のかねてからの主張) これからの日本社会はどうあるべきか、という命題に1つのヒントを与えてくれる。僕自身、地方出身者として今後地方の発展に何らかの形で貢献したいと思っているので、自分の将来に向けても1つの示唆を与えてくれる作品だった。
ヨーロッパの都市をモデルとした日本の地方の活性化を目指すという視点は非常によかった。ただ具体的な方策などには言及していなかった。
※メモ 【きっかけ】 地域経済について積読だったものに着手。 【概要】 地域経済の問題と財政構造について。 【感想】 古くて狭い。 かつ、ヨーロッパ礼賛信仰の域を出られず。 ネット社会の進展の大幅な進歩があったことは、出版時と現状の違いではある。 それは織り込まれていないとしても、官・政を変...続きを読む革の責任者として置いている点は、今の目から見ると果たしてそれでどうなのという印象になる。 空間としての都市については、付け焼刃で論じている印象をぬぐえず。 地方財政の構造と中央との関係の入門にはなった。 時代的に、反郵政民営化の論調を感じる。
1990年代以降、企業の工場は人件費が低いアジアへと拠点を移動しました。 それに伴い、日本自体は工業が衰退、商店街も空洞化になったことから、財政危機、破綻という地域社会において、深刻な問題となっています。 そういった背景から本書は地域社会を再生するための策を記されています。 地域再生のための2つの...続きを読むシナリオになると著者は説いています。1つは市場主義に基づく米国型のシナリオ。もう1つは財政によって、人間の生活する「場」としての再生を目指す欧州型のシナリオで、自然環境の再生が優先される。 日本は欧州の地域社会再生に学び、人間の生活の「場」として機能させることを重視すべきだと著者は説いてます。地方分権を進め、地方自治体が財政的自己決定権を強めることなど、そのために必要な環境作りが必須ということです。 ただ、本書は10年前の本であり、やや今の背景とは異なると思います。 「人が歩きたくなる」という街づくりという意味では、どのような社会を形成していけばよいのでしょうか? 僕自身は、地方分権を進めるのは必要であると感じてます。より、地域自身の強さというものを日本にアピールというよりも、世界にアピールする、そういった舞台が必要です。政府もそれに対して、権限を与え、支援できるような「場」を提供すべきであると考えてます。 地域には、とても重要な資産がたくさんあります。人、文化、歴史、そういったものがあるからこそ、世界へ発信する。 そういった道筋こそ、今後の成長の鍵であると僕は感じています。
財源の話の部分は少し難しかったけど、なかなか面白い本だった。地域経済を維持するには、地域住民の我慢も必要だと感じた。スウェーデンのある田舎町では、近くの大都市に買い物に行かず、住民は「田舎だから物価が高い」と文句を言いながらも地元の商店を利用している。自分たちが年老いた時、地元に商店がないと困るか...続きを読むら…。こういう発想が日本人には足りない気がする。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
地域再生の経済学 豊かさを問い直す
新刊情報をお知らせします。
神野直彦
フォロー機能について
「中公新書」の最新刊一覧へ
「ビジネス・経済」無料一覧へ
「ビジネス・経済」ランキングの一覧へ
失われた30年 逆転への最後の提言
試し読み
財政と民主主義 人間が信頼し合える社会へ
財政のしくみがわかる本
増補 教育再生の条件 経済学的考察
人間回復の経済学
「人間国家」への改革 参加保障型の福祉社会をつくる
非常時のリーダー学
「神野直彦」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲地域再生の経済学 豊かさを問い直す ページトップヘ