集英社文庫版『ジョジョの奇妙な冒険』18巻を読んでみた。18巻は、『Part4 ダイヤモンドは砕けない』のシリーズ開始巻。新主人公東方仗助が出てくる。仗助が最初に戦うことになるスタンド使いの名はアンジェロ。このアンジェロのスタンドは、放射性物質の恐怖そのもの。あまりに最近の放射性物質恐怖体験と類似していたので、作家の想像力にびっくりした。
wikipedia のスタンド解説ページによると、『「スタンド」とは「パワーを持った像」であり、持ち主の傍に出現し、様々な超常的能力を発揮して、他人を攻撃したり持ち主を守ったりする守護霊のような存在である。』とのこと。アンジェロのスタンドは、液体に混じって...続きを読む 、ターゲットを倒す。牛乳に混じって住宅に侵入し人を殺したり、水道水から住宅に侵入して人を殺したり、もう放射性物質そのもの。
「コーヒーとか牛乳に化ける液体のようなスタンド・・・ブッたたいたくらいで倒せないかもしれん」
「カンかビンづめの飲料水と・・・食物以外は・・・やばいから口にするな」
「もしやつがおまえの体に侵入しちまって体内から食いやぶられたらどうする?」
「・・・死ぬでしょうね・・・侵入されたらおれの負けです」
仗助と親戚の承太郎は、飲食料に注意を払い、アンジェロのスタンドを家からシャットアウトしようとする。しかし、雨が降ってくる・・・
「アンジェロのスタンドが家の中に入った。外は雨だ・・・雨の中を自由に動けるやつは、おまえが水を飲むのを待っていたのではない。雨を待っていたのだッ!」
「パワーのないスタンドだから甘くみてたが・・・とんでもねえぜッ! 水の中に混じる能力というのがこれほど恐ろしく狡猾にせまってくるとは・・・」
上記台詞群は、アンジェロのスタンドに対する評価というより、放射性物質に対する評価と読んでも、差し支えない内容だ。
アンジェロは雑魚敵としてやっつけられ、石の置物「アンジェロ岩」になる。アンジェロ岩は町の名所になる。
作者の荒木飛呂彦氏は仙台出身。仗助の住む杜王町は、仙台をモデルにしていると、文庫本巻末の作者解説に書かれている。
9.11から数年後、アメリカでは9.11をテーマにしたフィクションが多数作られるようになった。日本でも数年後には、原発問題や3.11の震災体験をテーマにしたフィクションが何作か作られると思う。けれど、作家の想像力は、いつでも現実を先取りする。