高橋由太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
千葉の辺鄙なところにある陰膳を作ってくれるちびねこ亭。近しい人を亡くした人たちが、死者の声が聞こえたり姿が見えるという噂を聞いてやって来る。
4編の短編からなる話は最後に向かってリンクしている。店主が聞いていた人と違うというのも明かされる。
死者が現れるのは陰膳があったかく湯気の出ている間のそれも一回こっきりだけ。その刹那が切ない。
みな驚いて言葉を失い、なんと言ったら良いか分からず、料理が冷めるまでの貴重な時間を減らしてしまうが、ちゃんと伝えたい事は伝え合えた。
エピソード自体は2編目の小学生同士の初恋を描いた「黒猫と初恋サンドイッチ」が一番好き。切ない。
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Posted by ブクログ
280ページ
620円
4月24日〜4月25日
書店員の颯太に初めての恋人ができた。やさしくてきれいで聡明で、目が不自由なことなど気にもならなかった。勇気を出してのプロポーズ。だが、期待していた答えは返ってこなかった。そして、帰り道で事故に遭った彼女はそのまま亡くなってしまう。無気力な日々を送る颯太に、彼女の職場の後輩がちびねこ亭を教えてくれる。
死んだ人に必ず会えるとは限らないという、会えないパターンの話もあった。きっと今後またいつか会える話もあるのだろう。パターンがきまっているのに、不思議と読んでしまう。死んだ人がどう思っているのか、残された人がどう生きていくのか、生きる意味を知りたく