太田和彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
太田和彦『居酒屋と県民性 47都道府県ごとの風土・歴史・文化』朝日文庫。
新書『日本の居酒屋 その県民性』を、増補、文庫化。
禁酒して8年以上になるが、太田和彦の居酒屋関連のエッセイを読むことは禁じてはいない。
日本全国47都道府県の居酒屋を探訪するなどなかなか出来ることではない。各都道府県の県民性や歴史、文化を紹介しながら、土地の名品や銘酒などが紹介される。各都道府県で紹介される居酒屋は数件程度で、こちらはオマケだろう。
北海道は確かにビールが美味い。海産物などの食材と気候がビールをさらに美味く感じさせるのかも知れない。函館のいかそうめんは美味かったな。
東北はどの県も良い酒があり -
Posted by ブクログ
まえがきに、表題に込めた意図をしたためている。
齢70を過ぎた。仕事、家族、自分の目標等、おおよそ形になった。これから我が人生に残された日々に求めるのは『心の安泰』。その安泰を保つには何かしらの『指標』が必要。その視線に先にあったのは『豆腐』。豆腐はそれ自体でも美味い。鍋には欠かせず、最初は清らかな姿、最後はいろんな出汁を吸って、色を纏い一番美味しい姿に変わる。
それって人間の営みそのものではないか-。『肉はいらないから、残ったその豆腐をくれ!』という人もいる。脇役な豆腐であるが唯一主役を張るのが『湯豆腐』。昆布を敷いた鍋に豆腐を沈め、ことこと煮るだけ。単純ではあるが味は奥深く、食べ飽きな -
Posted by ブクログ
冒頭から余談をひとつ。太田和彦といえば居酒屋探訪で
あるが、その同一線上にはハンチングを被った吉田類が
立ち尽くす。僕は「人払いの太田和彦」「酒場実況の
吉田類」と見立てている。
太田氏は番組では決まって開店前に収録を行なう。
カウンターの端に座り、地の肴に舌鼓を打ちながら
盃の形状にはじまり店の調度品至るまでを一通り愛で、
やおら店主と対峙する。方や吉田類は居合わせた
客の輪に入り、番組が進むにつれて酩酊度が増し、
お決まりのようにゴキゲンで大団円を迎える。
御両名とも居酒屋道の王・長島のような存在では
あるが、僕は映像もいいが、居酒屋の紹介を筆一本で
その佇まいや酒肴を眼前に立ち上らせる -