太田和彦のレビュー一覧
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全国居酒屋放浪記の第二弾です。酒を、居酒屋を求めて東へ西へ行く筆者。酒を飲むときはみんなでわいわいもいいですが、こういう本を読んだあとだと、じっくり一人で酒を飲むのもまたいいのかなと思ったしだいです。
高知、山形、長崎、横浜、徳島、函館、鹿児島、大分、水戸、富山、そして東京下町…。こういうところで筆者は「さあ飲むぞ」気分でいそいそとで出かけていっては。酒を飲んでいくものです。こういう本を読んでいると、かつて自分が東京は錦糸町や歌舞伎町。はたまたゴールデン街で朝まで飲み明かしていたころのことを思い出します。この人の書く居酒屋の話はなんとも味があって、ずいぶん地元に帰ってきてから読んでいたのです -
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『日本中の居酒屋を飲み歩くという志を、ひとたび立てたからには後には引けぬ―。』世の奥様方がこの決意を聞いたら眦を決しそうですが、行く先々で酒を飲み現地の人と語らす姿には羨ましささえ感じます。
少し前に吉田類さんとこの人の本を読んで以来、ずっとこの人の書く居酒屋の世界に魅了され続けております。居間でこそ僕はほぼまったくといっていいほど酒を飲まなくなりましたが、新宿の『ションベン横丁』や歌舞伎町で気の置けない人たちと日の高いころから飲み明かしていたことを読んでいていやおうなく思い出させてくれます。ここに掲載されている酒の肴の中では、タラの精巣を使った味噌汁がうまそうでしたね。
あれには独特のコ -
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久しぶりにお勉強
わしが呑み歩くきっかけの1つに太田和彦さんの『ニッポン居酒屋放浪記』を読んだ事によって、その本に載ってある銘居酒屋が出張先で有れば、ドキドキしながら飛び込んだもんだ
正に良い居酒屋の歴史、雰囲気、店主、女将、店員、料理、日本酒と全てを引っ括めて素晴らしい居酒屋の数々を教わってしまっちゃったから、お後が悪い
そこからは1人で良さそうな居酒屋へ飛び込みしたり、SNS繋がりのみ呑兵衛さんをナンパして、その人の地元の居酒屋へ連れて行って貰ったりして、日本酒好きな人々、良い居酒屋、楽しい思い出(うる覚えw)と、人とお酒に大変恵まれた呑兵衛ライフを送らさせて頂いとります
ホント呑 -
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太田和彦『酒と人生の一人作法』小学館文庫。
70歳を過ぎた太田和彦の酒と人生の楽しみ方を綴ったエッセイ集。
大人の居酒屋道とも言うべき、居酒屋でのお作法に酒の嗜み方、お勧めの居酒屋と酒に合う居酒屋料理の数々。旅の愉しみ方、映画や趣味にレコードと太田和彦の人生の軌跡を垣間見ることが出来る。
自分は酒を一切止めてから10年以上になるが、居酒屋やスナックを飲み歩いていた頃の楽しい記憶が蘇った。
しかし、何故か酒を飲みたいとは思わない。居酒屋料理、珍味の類は好物である。酒を飲まずとも、居酒屋で夕食という時期もあったが、ここ数年はそういう場所からも足が遠のいている。今では週末に家で焼鳥や刺身を肴 -
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居酒屋の紹介と言えば、肴と酒。居酒屋評論の大家 太田和彦氏ともなると、そこにたどり着くまでの『イントロ』から読ませる。
例えば、こんな具合に…
よしずの天井、黒玉砂利洗い出しの床。ごぶごぶに曲がる天然木の柱はてらてらと艶光りし、銘木でなく節のあるカウンターはもはや少し傾き、天然木を残した卓席もいい。往年の艶冶な小料理屋の風を生々しく残す店内で、酒を飲む喜びに浸れるのがここの最大の魅力だ。
居酒屋の建築意匠の見立てを経て、ようやく生ホタルイカをアテに菊正宗の燗を口に含むとなる。
長年全国の居酒屋にて、ひとり酒を愉しまれている御仁だけに、居酒屋の佇まいを如実に表す床・梁・カウンターに宿る優美 -
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太田和彦『飲むぞ今夜も、東京で』小学館文庫。
居酒屋について語らせたら右に出る者は居ない、太田和彦の居酒屋エッセイ集。
流麗でありながら、質素な文体でリズミカルに綴られる居酒屋の世界は何時もながらお見事。
最初の章は『東京、今夜の居酒屋』。まるで『本の雑誌』の名物コラム『新刊めったくたガイド』のように東京の名店と言われる居酒屋が簡潔に紹介される。
次の章は『あの店の、この一品』。東京の居酒屋の料理の逸品が紹介される。美味そうな料理の数々。
第3章は『たまには夫婦で』。珍しく居酒屋の夫婦探訪。心なしか太田和彦が控え目なのは気のせいか。
第4章は『荷風な酒場をさがして』。東京に古き善き