【感想・ネタバレ】飲むぞ今夜も、東京でのレビュー

あらすじ

広い東京を歩いて、辿り着いた良い居酒屋。

東京は実に広く、名店といわれる居酒屋も数多くある。
今日は、ぽつんと一つ赤提灯がともる町外れの居酒屋にしようか、地元に根付いた老舗の酒場にしようか…?
いずれにせよ、長くその町に在る、言わば町の顔とされる居酒屋は「良い居酒屋」だ。
もちろん、新しいがすでに老舗然と構える「良い居酒屋」もある。

全国の居酒屋を訪ね歩き、居酒屋を「文化」に押し上げた第一人者の太田和彦氏が、東京の居酒屋に練りに練って、絞って絞って選り抜いた「良い居酒屋」数十件!!
良い酒と良い肴で、じんわりと「良い居酒屋」にいる喜びを、この本で味わおう。

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Posted by ブクログ

居酒屋の紹介と言えば、肴と酒。居酒屋評論の大家 太田和彦氏ともなると、そこにたどり着くまでの『イントロ』から読ませる。

例えば、こんな具合に…
よしずの天井、黒玉砂利洗い出しの床。ごぶごぶに曲がる天然木の柱はてらてらと艶光りし、銘木でなく節のあるカウンターはもはや少し傾き、天然木を残した卓席もいい。往年の艶冶な小料理屋の風を生々しく残す店内で、酒を飲む喜びに浸れるのがここの最大の魅力だ。

居酒屋の建築意匠の見立てを経て、ようやく生ホタルイカをアテに菊正宗の燗を口に含むとなる。

長年全国の居酒屋にて、ひとり酒を愉しまれている御仁だけに、居酒屋の佇まいを如実に表す床・梁・カウンターに宿る優美な色気を瞬時に嗅ぎとってしまうんでしょうな。建物探訪の渡辺篤と同じ匂いを感じニンマリしてしまう。

この通過儀礼よろしくの一連の審美鑑定の描写って、中々核心に触れようとせず、周辺から愛でる様は愛撫しているようで官能的でさえある。

さて本書。
その太田氏をして『東京ほど豊かに個性ある居酒屋が集まっているところはない』と言わしめる通り、TOKYOには江戸や明治の往事をしのばせる老舗、各地の蔵から取り寄せた銘酒居酒屋、本格焼酎やワインも揃う新進気鋭店、オシャレな角打ちまで、多彩な居酒屋が群雄割拠しており圧巻かつ絶景。

そこで、太田氏は呑兵衛垂涎の東京の居酒屋壮観図を〈東京、今夜の居酒屋〉〈あの店の、この一品〉〈たまには夫婦で〉〈荷風な酒場をさがして〉の4章立てで、令和版『東京いい店いい肴』を綴る。

いずれもそこに共通しているのは『店内に流れる時間』。肴をつまみ、ほっこり一杯、じんわりニ杯、にっこり三杯…と次第にゴキゲン度を増し、盃を干していく。胃が落ち着き、陶然となる頃には、初めての店にも馴染みはじめ、ほどけていってることを自覚し、酩酊度が増していく。

酒飲みなら、この感じは今流行り『サウナの整う』より、はるかにそうだよなぁ…って実感するんでは。

先日、金沢へ旅した際に立ち寄った銘酒居酒屋で聞いた『こちらでは30代の人たちが一番日本酒飲まれます』と実に頼もしい言葉を聞いた。こと、お酒に関しては国粋主義者なんで、日本酒が身近な存在であって羨ましい。灘の酒所があるのに、日本酒は悪酔いする、足を取られるとか、酒には罪はなく、単なる飲み方に問題があるだけなのに…。近くて遠い甲子園みたいな存在だ。

菜種梅雨から花冷えの時期はぬる燗が実に旨い。冷えた身体が温もって…と書きながら、今年のお花見はワインはやめて、日本酒にしようと決めた。

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2023年03月26日

Posted by ブクログ

太田和彦『飲むぞ今夜も、東京で』小学館文庫。

居酒屋について語らせたら右に出る者は居ない、太田和彦の居酒屋エッセイ集。

流麗でありながら、質素な文体でリズミカルに綴られる居酒屋の世界は何時もながらお見事。

最初の章は『東京、今夜の居酒屋』。まるで『本の雑誌』の名物コラム『新刊めったくたガイド』のように東京の名店と言われる居酒屋が簡潔に紹介される。

次の章は『あの店の、この一品』。東京の居酒屋の料理の逸品が紹介される。美味そうな料理の数々。

第3章は『たまには夫婦で』。珍しく居酒屋の夫婦探訪。心なしか太田和彦が控え目なのは気のせいか。

第4章は『荷風な酒場をさがして』。東京に古き善き時代の香りのする酒場を探す。移ろいゆく時代に置いていかれたような数々の酒場。

第5章は対談集。太田和彦が居酒屋をテーマに、なぎら健壱、安西水丸、佐藤卓と対談する。

ラストは特別企画『蒙御免!大東京令和居酒屋番付審議会』。

自分は、酒を止めて丸8年になる。今は9年目に突入した。その間、本当に一滴も酒を口にしていない。酒を飲まなくなってから、よく眠れるようになり、すこぶる体調が良い。イヤな酒の付き合いも、飲めないからと断る口実が出来たのが良い。

それでも酒のつまみは好きで、夕食代わりに夫婦で居酒屋に行っていたが、新型コロナウイルスが世間を騒がすようになってからは居酒屋には全く行かなくなった。

新型コロナウイルス感染禍が収まったら、酒は飲まずとも居酒屋には行ってみたいものだ。

本体価格720円
★★★★

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2022年12月15日

Posted by ブクログ

全国の居酒屋を訪ね歩き、居酒屋を「文化」に押し上げた第一人者の太田和彦氏が、東京の居酒屋に練りに練って、絞って絞って選り抜いた「良い居酒屋」数十件!!
良い酒と良い肴で、じんわりと「良い居酒屋」にいる喜びを、この本で味わおう。

たまには夫婦で、の章がいい。

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

太田和彦さんの文章って、あんまりピンとこないんだよな。
古いおじさんの日記読んでるみたいな感じで。。。

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2023年01月25日

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