あらすじ
理想の居酒屋を探し求めんと志を立ててよりはや三年―。流浪の旅はさらに続き、高松、那覇、仙台、熊本、壱岐、札幌、名古屋、博多、会津を巡って、ついに神戸で大団円を迎える。ご当地イチ押しの地酒、産地限定の肴、カウンターの向うの温かい笑顔を満載した居酒屋紀行、ニッポン全国三十余都市を疾風怒涛のごとくに踏破して、ここに堂々完結。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本で大団円を迎えるのですが、志を立てて三年、ここまで飲み続けるのもある意味根性が必要ですが、この本は酒の本であると同時に、すばらしい紀行文でもあることを教えてくれます。
ジンギスカンを肴にビールを飲み、沖縄でTボーンステーキを平らげ、流浪の旅はさらに続き、高松、那覇、仙台、熊本、壱岐、札幌、名古屋、博多、会津をめぐり続けて、神戸で結末を迎える。いい旅路だな。読んだあとに本当に素直にそう思えました。もともと僕の家ならびに親類縁者は、あんまり酒飲みの家系ではないようで、若干いたことはいたのですが、その人たちのことはあんまりここで書くには忍びないので、詳しくは書きません。
それはさておき、僕が本格的に酒場に出入りし始めたのは東京に出て『会社勤め』なるものを始めてからのことですけど、なんというか、しゃれた店よりもこういうところに心惹かれるのはなぜでしょうね。僕の中で酒と旅はどうも二つセットになっているような気がしてなりません。
これからまたさらに吉田類さんの『酒場放浪記』の最新刊を読むのですが、あとすこし、あとほんの少しだけ、今の自分を取り巻く状況が改善したら、少しこういうところをめぐる旅をしてみたいという衝動に駆られます。何度もこの話は続きますが、これが今の自分の『希望』です。
Posted by ブクログ
「有意義な人生なんて、くそくらえだ。ある時は頑固に、ある時は憮然として、そしておおかたの時はぼんやりと嬉しく楽しく、私は酒を飲みたい。人生を過ごしたい」あとがき(川上弘美)より