園子温のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 わたしたちの手塚治虫

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    物語創作の先進性、漫画芸術の技術の先進性、性と愛の文化的理解の先進性、宗教的視点から見た哲学、の四つのテーマで熱い賞賛の批評が、作品をある程度限定しながら、繰り広げられます。あまり真剣に手塚作品を読んではいないのですが、改めて色々と鑑賞したくなりました。
    本書では、諸々の気づき、学びが得られました。やや高尚な内容もあり、必ずしも100%理解できてはいないですが。
    この中で、ブルボンヌさんの「性と愛の章」は名文だと思いました。テーマもわかりやすいためもあるでしょうが、気を使うような微妙な内容を扱いながらも、主張がとても理解しやすい。

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    2023年05月24日
  • 別冊NHK100分de名著 わたしたちの手塚治虫

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    NHKEテレの放送内容を振り返りたくて読んでみたけど、各著者の論が放送よりも掘り下げられた内容になっていて読んで良かった。手塚治虫が日本のマンガに与えた影響を、物語構造論、表現技術論、ジェンダー論、宗教論の切り口でコンパクトにまとめられている。手塚治虫は驚くほどの質を伴った量の作品を残している作家なので、手塚治虫論もまた沢山あるけど、本著はコンパクトに多方面の切り口でそれに触れられるので良いと思う。ここ近年では萌え系ファンの間で、ボクっ娘、ケモナーなどもすでに手塚が何十年も前にやっていたことが発見され話題になったが、新しい読み手の視点があればまだまだ手塚作品の魅力が掘り起こしができるかも知れな

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    2021年08月16日
  • 獣でなぜ悪い

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    ネタバレ

    知らぬ間に自分が作ってしまった殻を剥ぎ取るために、脱ぎ捨てるための言葉、そして思考と行動。
    今までの園さんのエッセイとダブル箇所も少しあるが、全体的には「女性論」であり「自由」についてのものになっている。

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    2018年05月19日
  • 毛深い闇

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    文学を内側から食い破る破壊力がこの作品にはある。本当の意味での正統の脅威というのはこういう作品なのだと思う。一気に読んだ。読み終わったあとの呆然とした感じはどう書いていいかわからない。ただ、またきっと一気に読みたくなる。そういう作品だった。

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    2017年12月18日
  • 自殺サークル 完全版

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    同名映画を発展させた小説で『紀子の食卓』の原型になるという位置関係が少しややこしい小説。そういったことは関係なく、テンポが良く読みやすい。小説家としても園子温はすごいと言っていいと思う。ひとつの小説として成立している。映画を観てないけれど、これ単体でも十分成立している。新しさをまとった鋭い小説として評価していいと思う。

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    2017年12月18日
  • 怪獣文藝の逆襲

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     怪獣映画はガチのリアリズムがないとだめだ。非現実としかいいようのない怪獣を召喚するにはまわりからリアルに固めていかねばならない。某ゴジラ映画には夢オチのが一本あって子供心にもあれは腹が立ったな。しかしまた、映画においてはとにもかくにも怪獣が出てきて、それが「絵」としてよくできていたら、放射能で巨大化したとかいうしょぼい設定であっても、それだけで説得力を持つ。何しろ人間は視覚をもっとも信じるのだから。
     だから視覚を欠く怪獣小説は最初からハンディを負っているのだと思う。

     本書は『怪獣文藝』の続編。続編といってもそもそもアンソロジーだから、話がつながっているわけではなくて、第2弾ということで

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    2016年02月26日
  • ラブ&ピース

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    東京が爆発する、欲望が墓場になる。夢の島は比例していく、ピカドンが大きくなって彼の夢は叶う、そして願いは破壊に通じる、そしてなにかが再生する。

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    2015年05月27日
  • 毛深い闇

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    タイトルを見た時には特に何も思わなかったけど、特に後半に至るに闇の描写と毛深いという字面の組み合わせがなかなかによろしい。ともかく表現がいちいち気持ち悪いので、ヤダなにこのおっさん臭いみたいなおっさん女子高生みたいな感じが概ねおっさん向けかもしれない。
    トレインスポッティングみたいに無駄な疾走感も悪くない。要するに概ね何を言ってるか分かんないけど勢いだけなら負けないというところに気持ち悪さが絶妙にマッチしていやこれ誰得みたいなのがギュッと来たわけでした。

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    2025年06月09日
  • 自殺サークル 完全版

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    正直あまり理解できなかった。とくに前半は読み飛ばした感じ。社会において人々が役割を担っているということについて考えさせられた。

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    2021年08月19日
  • 別冊NHK100分de名著 わたしたちの手塚治虫

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    斉藤環の文、関連する手塚作品を読んでいたこともあり、どんな分析がされているのか興味を持った。斉藤に限らず、ブルボンヌや他の筆者の文もそれぞれの境遇に関連して深い洞察。手塚作品の奥の深さを改めて認識。

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    2020年08月20日
  • 自殺サークル 完全版

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    タイトルと書き出しに圧倒されました。表紙の写真もあって監督の表現したいイメージが伝わってくるようです。物語としては?な部分も多いですが、設定が良くできていて面白いです。血ドバドバなのが好きというところもあるかもしれません。

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    2020年03月18日
  • 獣でなぜ悪い

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    映画論的あり、人生観あり、てんこ盛りな内容で筆者の作品に感銘を受けた人なら面白く読める内容。
    でも、最も多く熱く書かれてるのは女性観で、そこから出る男性論にも共感を覚えました。

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    2020年02月04日
  • 受け入れない

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    "映画監督の園子温さんのエッセイ。
    とんがった人の歯に衣を着せぬコメントの数々に「はっ」とさせられたり、小さい自分に気が付いたり、刺激を受けること間違いなし。
    彼の監督作品はまだ一作しか見ていない。
    園さんの監督した多くの作品を見たくなった。"

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    2018年11月25日
  • 愛のむきだし

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    ネタバレ

    :あらすじ(ネタバレ)
    神父を父に持つ少年「ユウ」は懺悔をするために町の不良と遊ぶようになり、やがてパンチラ盗撮の才能を開花させていく。
    そんな「ユウ」が偶然出会って恋に落ちた相手「ヨウコ」は父親の恋人の娘でああった。義兄妹として「ユウ」と「ヨウコ」はひとつ屋根の下で生活を始める。

    「ユウ」が気になる新興宗教幹部の「コイケ」は「ユウ」の家族を崩壊に導き、自らの宗教に染めていく。
    「ユウ」は新興宗教の教祖及び関係者を殺害、ビルを爆破などして「ヨウコ」を救い出す。と同時に自分の精神も壊してしまう。
    「ヨウコ」は自分のために精神を壊してしまった「ユウ」に語りかけ彼を救い出す。

    :感想
    約4時間の

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    2018年08月06日
  • 受け入れない

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    地獄でなぜ悪いを見て自己嫌悪に陥った、好きなことに熱中することを完全に肯定する監督の考えがここでも、貫かれているけど、今回は勇気づけられた。別にサラリーマンのままなんだけど。。。心境の変化なのかな。

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    2018年06月16日
  • 夢の中へ

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    いやー面白いな?。詩人で映画監督の園子温の映画の小説化。ノベライズとは言わないなぁ。これは小説化という感じ。ジャンルを超えている、おそらく園子温という作品の諸相のひとつなのかな。別の作品とリンクしてたりして。疾走感と抒情みたいなのを両立させていて感心する。こういうことはこういう人がやるのがいいのかもしれないなとか。先に小説を読んだ。さて、では映画はどうなんだろう。映画と小説両方本人なタルコフスキーみたいな話なので、どういう関係なのか観るのも楽しみです。

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    2017年12月18日
  • 愛のむきだし

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    舞城王太郎的な展開とキャラクター。勃起とは愛の象徴なんだと後半気づいた。良いことなのです。
    映画が先なの?原作が先なの?

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    2016年03月06日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    9人の著者による怪獣ものアンソロジー第2弾。ほとんどのお話は「怪獣 vs 人間」的でわかりやすかったのですが、有栖川有栖「怪獣の夢」だけは抽象的で理解に苦しみました。

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    2015年07月31日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    「はじめに」にあるような『「生命」「生命体」としての怪獣と、(中略)同じ生物である人間との、死力を尽くした闘いを描き出すことに主眼が置かれている』というほどに、『今度は戦争だ』のようなバトルものは少なくて、『MM9』をイメージしてるとやや肩透かし(大倉崇裕「怪獣チェイサー」くらいか)。概ね怪獣幻想的ではあったが、それでも怪獣の圧倒的な存在感がページから伝わってきて、引き込まれながら読めた。

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    2015年07月05日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    怪獣大好きなおじさんたちが自分の怪獣をふがふが生み出す。和む。
    「大江戸恐龍伝」読まなきゃなのだった。「荒神」も怪獣小説とな!?読むぅ。

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    2015年05月29日