宗田理のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大ベストセラー『ぼくらの七日間戦争』の著者による、ユーモア連作小説がPHP文庫で登場!
名詐欺師として鳴らした喜多三平が刑期を終えてシャバに戻ってくると、世には弱い者いじめの素人犯罪が蔓延していた。義憤を覚えた三平は、老妻の鈴と息子の竜馬・頼子夫婦、孫の博文と「サギ師バスターズ」を結成。プロの判断と悪の手口を逆手にとる巧妙なテクニックで、善良な人々をねらう仁義なき輩に鉄槌を下していく。
「リフォーム詐欺をやっつけろ!」「自殺サイトをやっつけろ!」「騙しの『チェーンメール』」など、メディアを騒がしている旬なテーマを取り上げながら、ライトノベルの名手である著者ならではのほのぼのとした味わいが心地よ -
Posted by ブクログ
ネタバレ子供だけで解放区をつくり、大人たちに抵抗する物語。ある日突然1クラスの男子が消えてしまった。全員親に何かしら不満を持っていたり、なにか特別なことをしたかったり、様々な考えを持って解放区で過ごすことを決めた。そんな中で起こる本物の誘拐、ラジオ放送、瀬川との出会い、警察や教員とのやり合いはすごく工夫されていて読んでいてすごく楽しかった。子供だってなんでも出来るんだなとわくわくした。携帯が発達した今だからこそ直接の人との関わりの楽しさや、逆に親や教員による監視が強まった生きにくさも実感した。全体的には、読んですごくわくわくして、子供たちと一緒に楽しめた!!
-
Posted by ブクログ
広島と長崎の原爆被害の陰に隠れ、あまり世に知られてこなかった、1945年8月7日の豊川海軍工廠への空爆。それに巻き込まれた中学生たちが見たものをリアルにつづったノンフィクション・ノベル。この爆撃に限らず、戦争被害そのものについては学ぶことがあっても、その前後にも絶えず人々の生活(今から見たら非常事態でも、当時はそこから逃れることはできない「日常」であった)が続いていたことを意識するということはあまりない。その点、この本を読むなかでは、戦禍から生き残った人々のお陰で今があること、そして本来ならばもっと続いてゆく命がたくさんあったということ、を強く意識させられた。